エコキュート選びに「年間給湯保温効率」は重要? 電気料金の違いを徹底比較!

エコキュートを選ぶ際に着目される基準の一つに「年間給湯保温効率」があります。エコキュートの省エネ性を表す数値で、これによって電気料金が変わります。そこで今回は、年間給湯保温効率による電気料金の違いを電力会社ごとに比較。エコキュートを選ぶ際に重要なポイントについてもお話します。

目次

年間給湯保温効率とは?

年間給湯保温効率とは、保温機能のあるフルオートタイプのエコキュートが「どのくらいの電力をかけてお湯を沸かしたり保温をしたりするのか」を示す数値です。この数値は、以下の式で求められます。

年間給湯保温効率(JIS)=1年間で使用する給湯とふろ保温に係る熱量÷1年間で必要な消費電力量

年間給湯保温効率が高いほどお湯を沸かすための消費電力が少なく、省エネ性が高いことを意味します。年間給湯保温効率は経済産業省の資源エネルギー庁が現在行っている給湯省エネ事業でも一つの基準となっており、省エネ基準が2025年度の⽬標基準値以上のものが補助の対象になります。

同事業は高効率給湯器の導入支援を行い「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」の達成に寄与することを目的とされているので、当然省エネ性能の高い機器の設置に対して補助金が支給されるのです。補助金事業について詳しくまとめた記事もあるので、ぜひあわせてチェックしてください。

▶【2024年】知らないと損?エコキュートの買い替え・交換で使える補助金をご紹介!

また、年間給湯保温効率をメーカーごとに比較した記事もあります。

▶エコキュートの年間給湯保温効率をメーカー別に徹底比較!

電気料金の違いを検証!

年間給湯保温効率が高いほど消費電力は下がり電気料金が安くなることがわかりましたが、実際にどれくらいの違いがあるのでしょうか? そこで今回は、東京と大阪に暮らす4人世帯を想定して年間給湯保温効率の差による電気料金の違いを徹底検証。各電気料金は、東京と大阪の外気温を前提に東京電力・関西電力の深夜時間帯の電気料金でエコキュートを使用した際の価格を算出しています。

<東京都在住・4人世帯家庭のエコキュート>

<大阪府在住・4人世帯家庭のエコキュート>

※2023年4月1日現在の深夜電気料金をもとに計算しています。数値は実際の外気温度や使用状況により異なるので、年間給湯効率の差による電気料金の目安として参考にしてください。

これまで年間給湯保温効率による電気料金の差の目安としてよく言われていたのが「年間給湯保温効率が0.1変わると電気料金に1000円の差が出る」というものでした。しかし、これは各電力会社の電気料金プランを考慮せずに概算された目安です。エコキュートは電気料金が安くなる深夜電力を使ってお湯を沸かすことが多いため、今回は東京電力の「電化上手」と関西電力の「はぴeタイムR」の電気料金プランをもとに計算しました。

表を見ると、年間給湯保温効率0.1の価格差は460円〜680円程度です。メーカーや機種によっても異なりますが、深夜電力の料金プランをもとに年間給湯保温効率の差による電気料金の差を計算すると、年間給湯保温効率が0.1変わっても実際には電気料金に1000円も差が生じないということがわかります

補助金対象のエコキュート(年間給湯保温効率3.8の商品と比較)と年間の電気料金を比べた差額は、最大(年間給湯保温効率3.3の商品)でも3000円前後です。エコキュートの耐用年数が10年程度ということを考慮して10年間で考えてみても、トータルで最大3万円程度の差額ということになります。

エコキュートを選ぶ際に重要なのは?

現在補助金事業が実施されていることもあり、年間給湯保温効率の高い補助金対象商品をお求めになるお客様は非常に多いです。とはいえ年間給湯保温効率による電気料金の違いを実際に比較してみると、コスト面でのメリットはごく僅かだということがわかりました

補助金対象のエコキュートはもともと高額なうえ納期が長く、設置できない間に銭湯に通うなど余分なコストがかかってしまうことから、当社ではあまりおすすめしていません。エコキュートを選ぶ際は年間給湯保温効率や補助金を追い求めるよりも、イニシャルコストの削減や性能を重視した方が賢い選択だと言えるでしょう。補助金に固執しない方がいい理由をまとめた記事もあるので、気になる方はぜひチェックしてください。

▶【代表ブログ】お客様のことを1番に考えるからこそ感じる「補助金事業のジレンマ」

当社はお客様のライフラインを守るという強い使命感を持って、エコキュートが壊れて困っているお客様にできるだけ早く適切な商品をリーズナブルにご案内できるよう日々尽力しています。エコキュートの交換をご検討の際はぜひご相談ください。

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