【エコキュートお悩みQ&A】室外機から漏水!? タンクやヒートポンプから水が垂れていても大丈夫?

エコキュートに関するさまざまな疑問やお悩みを解決するこのコーナー。実際に当社に寄せられた質問をもとに、エコキュートについて気になるあれこれを専門家が解説します。今回は、貯湯タンクやヒートポンプなどの室外機から垂れる水についてお話します。

目次

<Question>室外機から水が漏れているけど大丈夫?

お客様からの質問

エコキュートが故障して修理したのですが、原因を聞くと下向きのパイプが詰まって排水が逆流してきたからだそう。修理業者さんがそのパイプを外して行ったのですが、今度は室外機の底から水が垂れています。これは問題ないのでしょうか?

今回は、お使いのエコキュートが故障して一度修理を行ったユーザーさんからツイッターを通して寄せられた質問です。ヒートポンプからの排水経路で下水ガスが逆流したことが原因でエコキュートが故障。業者に修理を依頼したところ原因となった排水パイプを外されたものの、室外機の底から水が垂れていて、これで問題ないかどうか不安だという内容です。

ここでは、今回そもそもの原因となった「下水ガスの逆流」と、室外機からの排水(水が垂れている状態)について解説したいと思います。

 

<Answer>エコキュート設置には腐食対策が必須

まず、今回エコキュート故障の原因となった「下水ガス(腐食性ガス)の逆流」について説明します。これはヒートポンプの排水管を通って有害な下水ガスが室外機本体に吹き付けられることで、室外機そのものを腐食させてしまうケースです。

下水ガスとは、硫化水素や塩素、亜硫酸、アンモニアなどに含まれている気体で、物質を腐食させる特徴を持っています。一般家庭では汚泥や浄化槽などから発生する可能性があり、下水ガスが発生する場所では周辺設備の劣化が早まります

今回の事例では、下水ガスが逆流したことにより室外機の排水部分がサビ等で詰まり、ヒートポンプがエラー停止したのだと考えられます。修理業者さんが排水パイプを外したということですが、応急処置としては問題ありません。現在通常稼働しているということであれば、しばらくは問題なく動くでしょう。

とはいえサビは広がっていくものなので、再びエコキュートの故障原因となる可能性は十分考えられます。しかし今回の事例に関してのみ言えば、このままお使い頂いて構わないと思います。エコキュートの寿命が10年であることを考慮すると、このサビが広がることが原因で故障するよりも先に全体がダメになる可能性が高いからです。

しかし、次に新たにエコキュートを設置する際は、必ず腐食対策を行うようにしてください。 
 

 

下水ガスが発生していると考えられる場所では、ガスの逆流によって本体が腐食してしまわないよう対策をとることが必要不可欠です。当社では「トラップつきホッパー」を使って排水管を塞いだり、排水管が本体に直接当たらないよう設置位置をずらすなどして対応しています。次回、エコキュートを新設する際はこのような腐食対策を必ずしてもらうようにしてください

また、現在気にされている「室外機の底から水が垂れているけど大丈夫?」という点に関してですが、これも様子を見て頂いて構いません。当社にも日頃から「タンクやヒートポンプから水が垂れている」といったお問い合わせを多く頂くのですが、大前提として貯湯タンクやヒートポンプは結構水を排出します。明らかに水漏れしているなどといった場合は別ですが、水滴が垂れている程度であれば全く問題ないので様子をみるようにしてください。

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