エコキュートでカルキ臭を軽減! 水道水の歴史から紐解くエコキュートの進化
私たちにとって蛇口をひねればいつでも清潔で温かいお湯が出てくるのが当たり前ですが、 毎日使っているお風呂やシャワーのお湯がどのようにして私たちの家に届いているのかご存知でしょうか? 水道水の歴史を知れば、その中で培われた「安全」へのこだわりがエコキュートが提供する「快適」という価値へと繋がっていることがわかります。そこで今回は、水道水の歴史とエコキュートについてお話します。
水道水の歴史

人類の歴史は、安全な水を求めてきた物語でもあります。はるか古代、人々は川や井戸から直接水を汲んでいましたが、衛生状態が悪く、伝染病が蔓延する大きな原因となっていました。そこで作られたのが「水道」です。
世界最古の水道は、紀元前312年に古代ローマで造られた水道橋「アッピア水道」と言われています。この壮大な建築物は単に水を運ぶだけでなく、水を清潔に保つという重要な役割も担っていました。ローマは水道橋を次々と建設し、市民に清潔な水を供給することで公衆衛生を劇的に向上させました。
日本で最も古い記録として残っているのは、室町時代後期(戦国時代)に小田原城下で建設された小田原早川上水です。さらに江戸時代には徳川家康が江戸城下につくった神田上水が有名です。その後、人口増加に対応するため、玉川上水、本所上水、青山上水、三田上水、千川上水が整備され、これらは「江戸の六上水」と呼ばれていました。これらの上水は、江戸の街に水を供給するために多摩川から約43キロメートルもの距離を膨大な労力と費用をかけて引かれました。当時の人々が水を運ぶためにどれほど苦労し、清潔な水を渇望していたかがうかがい知れます。
これらの上水は飲み水だけでなく灌漑用水(かんがいようすい)としても使われ、川や湧き水を木製の水道管で引く自然流下方式が主流でした。しかし、近代に入っても水が原因の感染症は大きな脅威でした。明治時代にコレラが大流行したことをきっかけに、国は公衆衛生の向上のため、近代的な水道設備の整備を急ピッチで進めます。濾過や消毒といった西洋の技術が導入され、1887年(明治20年)10月17日に「横浜水道」が日本で初めて給水を開始しました。この近代水道の成功をきっかけに、函館、長崎、大阪、東京など、全国の開港都市を中心に近代的な水道が整備され、ようやく水道水が安全に飲めるようになったのです。
安全の証「カルキ」とは?

現代の私たちが蛇口から出る水を安心して利用できるのは、このような先人たちの知恵と努力の結晶です。現代の水道水が安全なのは浄水場で徹底した殺菌処理が施されているためですが、その中でも特に重要な役割を果たしているのが塩素、通称「カルキ」です。
日本では水道法によって、水道水の残留塩素濃度を0.1mg/L以上に保つことが義務付けられています。これは水道管を通って各家庭に届くまでの間に、水中に含まれる細菌の繁殖を防いで安全性を維持するためです。つまり、水道水からかすかにする「カルキ臭」は、あなたの家に届くまでの水が安全に守られてきた証であり、決して悪いものではありません。
しかし、このカルキ臭が苦手だと感じる方がいるのも事実です。とくにお風呂やシャワーのときに湯気と一緒に立ち上るカルキ臭が気になって、せっかくのリラックスタイムが台無しになってしまうというお悩みもよく耳にします。そんなお悩みを解消するのが、エコキュートです。
安全&快適を叶える「エコキュート」

人類の長い歴史の中で追及されてきた「安全性」と「快適さ」の両立を実現したのがエコキュートです。一般的な水道水と異なるおもなポイントは次の2つです。
沸き上げによるカルキ臭の低減
エコキュートはタンク内の水を約80℃という高温で沸き上げます。この高温によって、水道水に含まれる残留塩素が気化するため、沸き上がったお湯はカルキ臭がほとんど気にならなくなります。まろやかでやさしいお湯は、シャワーを浴びたり、お風呂に入ったりする時間をより上質なリラックスタイムに変えてくれます。
肌にやさしいお湯への進化
さらに、最近のエコキュートの多くには、お湯をより快適にするための先進機能が搭載されています。「ウルトラファインバブル」や「マイクロバブル」を発生させる機能です。
ウルトラファインバブル: マイクロメートルよりもさらに小さい超微細な泡のこと。この泡が汚れの隙間に入り込み、肌の皮脂や毛穴の奥の汚れを吸着して浮かび上がらせるため、シャワー後のお肌がつるつるになると言われています。
マイクロバブル: ウルトラファインバブルよりも少し大きめの泡。お湯を白く濁らせ、保温効果を高めることで、湯冷めしにくいというメリットがあります。
これらの機能は水道水の安全性を確保したうえでさらにお湯の「質」を高め、私たちの肌や髪にやさしいワンランク上の入浴体験を提供してくれます。
人々の「安全」への切なる願いが形になった水道水から、お湯を使う時間をより「快適」で豊かなものにする最新のエコキュートまで、私たちの生活と密接に結びつく水道水の歴史についてお話してきました。最新のエコキュートへの買い替えは、単に給湯器を交換するだけでなく、毎日の暮らしそのものをアップグレードする賢い選択と言えます。給湯器の寿命が近づいている方、お湯の質にこだわりたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
