卒FIT後は「おひさまエコキュート」がおすすめ!太陽光は売電より自家消費がお得な理由も

自宅に太陽光を設置している場合、FIT法で買取価格が保証されている10年間を過ぎると売電単価が大幅に下がるので、余剰電力の使い方を考える家庭が多いと思います。売電よりも自家消費がお得なため、卒FITを機に蓄電池やエコキュートを導入する家庭も多いです。そこで今回は、卒FIT後の余剰電力を自家消費でお得に活用するのにおすすめの「おひさまエコキュート」について紹介します。

目次

卒FITとは?

そもそも「卒FITってなに?」という方のために、はじめに太陽光発電の買取制度について解説します。太陽光をはじめとした再生可能エネルギーによって発電された電気には「固定買取価格制度(通称「FIT法」)」という制度が定められています。

固定買取制度(FIT)とは?

経済産業省が2012年7月に開始した「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」。再生可能エネルギーで作られた電気について、一定の期間は電力会社が一定価格で買い取ることを国が保証するという制度です

住宅用の太陽光発電システム(10kW未満)の場合は、10年間がFITの保証期間です。つまり太陽光発電システムを設置してから10年の間は、買取価格が固定で保証されます。日本ではFIT法の前身となる「余剰電力買取制度」が2009年にスタートしているので、2009年に太陽光発電システムを導入した場合は、2019年まで余剰電力を一定の価格で買い取ってもらえることになります。

このFIT法が適用される10年が終わり、市場に合わせて決まる買取価格が適用されるようになることを「卒FIT」と呼びます。そして2023年現在、FIT法適用期間が終了して「卒FIT」を迎える家庭は年々増加しています。

卒FIT後は売電よりも自家消費がお得!

FIT制度が始まった当初は太陽光の売電単価が非常に高く、自分で使うより売ることで利益を得ることができました2009年の売電価格は「48円/kWh(10kW未満の場合)」。初期費用の回収はもちろんプラスで売電収入を得ることができたので、多くの人が住宅用太陽光発電システムを導入したのです。

しかし再生可能エネルギーの普及に伴い太陽光の売電単価は年々下落の一途を辿り、2023年現在の買取価格は東京電力で「8.5円/kWh」にまで下がっています。つまり買取価格が保証されたFIT制度の売電期間が終了した後は、売電単価が大幅に下がることになります。これでは売電のメリットはほとんどありません。

一方で、電力会社から購入する電気料金は年々上がり続けています。近年では燃料調達コストの上昇によって、電気料金の値上がりが度々話題となっています。

▶電気料金が3割前後の値上げ! エコキュートの需要が高まる理由

売電単価が下がっているにも関わらず購入単価が上がっているとなると、余剰電力は売るよりも自分で使った方がお得です。売電収入を得るより、購入電気を減らす方が圧倒的に経済的だからです。ですから太陽光発電の余剰電力は、売電するより自家消費する時代になったと言われているのです。

余剰電力の活用方法

太陽光発電の余剰電力を自家消費する方法は主に二つです。蓄電池を導入して夜間電力として使用するのが一つ、エコキュートを使って昼間に効率良くお湯を沸かすのが一つです。

蓄電池

蓄電池とは、電気を蓄えておくことができる装置。太陽光発電でつくった電気や電気料金が安くなる深夜電力を貯めて、いつでも使えるようにすることで購入電力をぐっと抑えることができます。また、事故や災害で電力供給が止まってしまった際の非常用電源としても魅力です。電気料金の高騰が続く近年、太陽光発電と蓄電池を導入して電気を自給自足しようとする家庭が増えています。

なかでもおすすめは、電気自動車業界の王者として知られるテスラ(Tesla)社が製造する蓄電池「Powerwall(パワーウォール)」。電気自動車(EV)開発で培われたテスラの高い技術力が活かされた同製品には、テスラのEVと同じ小型のリチウムイオン電池セルが使われており業界トップクラスの容量を誇ります。パワーウォールを国内で設置できる施工会社の数は限られていますが、当社のグループ会社「yh株式会社」はテスラ「パワーウォール」の施工会社として認定されています。設置をご検討の際は、ぜひご相談ください。

エコキュート

大気熱を利用してお湯を沸かすエコキュートの中でも、太陽光発電の余剰電力を活用できるのが「おひさまエコキュート」と呼ばれる製品。通常エコキュートは電気料金が安い深夜にお湯を沸かしますが、「おひさまエコキュート」は気温が高くヒートポンプを最も効率良く動かせる昼間の時間帯に太陽光発電の電力を使って沸き上げ運転を行います

太陽光を活用する「おひさまエコキュート」

蓄電池とエコキュートのどちらを設置しても太陽光発電の余剰電力を活用して購入電力を減らすことができますが、蓄電池の導入費用は100〜200万円と高額です。ここでは、より導入しやすい「おひさまエコキュート」について紹介します。

卒FIT家庭が増加する近年、多くのメーカーが太陽光発電システムと併用できるエコキュートを販売しています。

ダイキン

ダイキンでは、おひさまエコキュートとして「EQ46XFPV」「EQ37XFPV」が2023年3月に発売されました。給湯圧力が320kPaのパワフル高圧タイプで、深紫外線を照射して菌の増殖を抑える「おゆぴかUV」も搭載されています。

おひさまエコキュートは太陽光発電を行わない天候の悪い日でも自家消費時間帯(工場出荷時は9時〜16時)に沸き上げを行うので、沸き上げからお湯を使うまでの時間が短く、放熱ロスを減らすことができます。

アプリを使ってスマートフォンと連動可能な無線LAN対応リモコンなので、タンク内の残湯量をいつでも確認できるのも安心です。

また、このおひさまエコキュートは東京電力エナジーパートナーの新電気料金プラン「くらし上手」と組み合わせて使うことで光熱費を大幅に節約できます。同プランは国内初のおひさまエコキュート専用の電気料金プランで、昼間に発電された再生可能エネルギーの電気を有効活用することが可能です。

太陽光発電でつくった電力を自家消費でお得に利用できるよう「おひさまエコキュート」と「くらし上手」のセットでの導入が推奨されています

 

パナソニック

パナソニックのおひさまエコキュート「HE-Y46KQV」「HE-Y37KQV」は、東京電力エナジーパートナーと(一財)電力中央研究所との共同開発商品です。関東エリアで太陽光発電を設置していて、東京電力エナジーパートナーの新電気料金プラン「くらし上手」を契約している家庭が対象です。

おひさまエコキュート専用の新電気料金プラン「くらし上手」と組み合わせて使用することで、CO2排出量と給湯にかかる光熱費を大幅に削減できます。

無線LAN搭載リモコンで専用アプリ「スマホでおふろ」と接続できるので、不在時に沸き上げを休止するなど操作が簡単に行えるのも魅力です。

三菱

三菱のおひさまエコキュートは、「SRT-B466U-PV」「SRT-B376U-PV」の2機種。東京電力の新料金プラン「くらし上手」に対応しています。

脚部カバーを外すことなく非常用取水栓にアクセスできる「パカっとハンドル」が搭載されており、非常時でも簡単に取水できるのが特徴です。また、減圧弁圧力290kPaの「ハイパワー給湯」に対応で、2カ所同時の給湯でも快適にシャワーを使用できます。

コロナ

コロナのおひさまエコキュートは、「CHP-37AY5V」「CHP-46AY5V」の2機種。浴槽に入らない間の追いだきをカットする「省エネ保温」や人感センサー付きのスマートナビリモコン対応のハイグレードタイプのエコキュートです。

専用アプリを使ってリモコンの遠隔操作ができるほか、お湯使用量の見える化、子どもや高齢者といった入浴者の見守りなどもできます。さらに停電や断水などが予測される時に、浴槽に生活用水を確保したり、タンクを一度満タンにするなどの対策をいち早くとることができるレジリエンス機能も搭載されています。

現状ではおひさまエコキュートに適した電力プランが用意されているのは、東京電力のみです。そして各メーカーのおひさまエコキュートを設置する場合、専用電気料金プラン「くらし上手」への加入が必要となります。通常のエコキュートを設置している場合に利用されている「電化上手」は、現在加入受付を行っていないため再契約することができません。深夜電力がお得な電気料金プランを利用したい場合には注意が必要です。

東京電力管轄内にお住まいで太陽光発電を設置している場合、電力を賢く自給自足するのに最適な「おひさまエコキュート」。ご検討の際は、ぜひご相談ください。

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