【代表松田のつぶやき】品薄状態が続く「エコキュート」繁忙期に向けてピンチ!?

現在、ニュースなどで世界的な半導体不足が日々報道されていますが、その影響は「エコキュート」メーカーにも及んでいます。これから冬にかけてエコキュートの交換需要が増えることを考えると、メーカーの在庫不足はさらに深刻化していくでしょう。そこで今回は、エコキュートの在庫がなぜこれほど逼迫しているのか、また弊社ではどのように対策していくのかについてお話したいと思います。

目次

エコキュートの需要激増の理由

現在エコキュートの需要が激増している理由を考えるにあたり、まずはエコキュート普及の歴史から遡ってみたいと思います。エコキュートの歴史は、2001年4月に国内最大手の自動車部品メーカー・デンソーの基本特許を基に、コロナが世界で初めて発売したのが始まりです。

翌年、米国環境保護庁の「気候保全賞」や省エネ大賞の「経済産業大臣省」が授与されたことをきっかけに一気に注目を集めます。そして、2003年にはパナソニックや日立など多くのメーカーがエコキュート業界に参入しました。

データによると、過去10年間(2006年~2016年)のエコキュート販売台数は下記の通りです。

2006年  349,882台 
2007年  413,132台 
2008年  500,222台 
2009年  508,141台 
2010年  566,437台 
2011年  496,752台 
2012年  446,730台 
2013年  213,191台 
2014年  415,042台 
2015年  407,623台 
2016年  424,387台

その後もSDGsなど環境や省エネに配慮した取り組みへの関心が高まるに連れ、エコキュートの需要は増え続け、設置数も年々と伸びています。

また、エコキュートが販売され始めてから20年たった今、既に設置されているエコキュートの交換サイクルもやってきます。エコキュートの寿命は10年程度と言われているので、新規設置と共に交換の需要も増え続けているのが現状です。

なぜ冬場は繁忙期なのか?

年々需要が高まるエコキュートを取り扱う弊社にとって、なぜ繁忙期があるのか? お湯は一年中使うものなので、年間を通して需要は変わらないのでは?と、不思議に思う方もいらっしゃると思います。

じつは、この謎のヒントはエコキュートがお湯をつくる仕組みにあります。

エコキュートは電気温水器と違って、大気熱でお湯をつくります。外気から集めた熱を圧縮して高温にし、その熱を水に移すことでお湯をつくるのです。ですから、大気の温度が下がる冬場は、お湯をつくるのに時間がかかります。夏季と冬季のヒートポンプ稼働時間を比べると、5倍程になることも。エコキュート本体の稼働時間が長くなるので、故障やトラブルが起こる可能性も必然的にアップするというわけです。

また、単純に一般家庭のお湯の使用量を比べてみても、冬の方が夏に比べてお湯の使用量は増えるもの。さらに、配管が凍結したダメージで故障を引き起こすなど、トラブルの要因が冬に多いのも理由の一つです。

これらの事情から、弊社では寒くなる冬の時期に繁忙期を迎えます。昨年度の繁忙期はコロナの影響で生産ラインがストップしたこともあり、エコキュート不足で交換希望のお客様に待っていただく事態も発生してしまいました。

今年はさらに在庫不足が深刻に⁉

2021年も寒くなるに連れて、エコキュートの設置や交換のお問い合わせが増えてくることが予想されます。そこで懸念されるのが、エコキュートの在庫不足です。昨年に引き続き、各メーカーともにエコキュートの在庫不足が深刻化しているのです。

ここまで在庫が逼迫しているのにはいくつか要因がありますが、まず一つは世界的な半導体不足です。

半導体不足の原因

家電や自動車などさまざまなものに活用される半導体は、私たちの生活に欠かせない製品。その「半導体」不足が、現在さまざまな業界に影響を及ぼしています。

半導体不足の原因は大きく2つです。

(1)需要の急増

新型コロナウイルスの感染拡大により、巣ごもり需要が拡大。テレワークやオンライン通信などの急速な普及で、パソコンの需要が急増しました。これにより、パソコンなどに搭載される半導体が不足し始めます(2020年春頃~)。

じつはこの半導体は、5Gスマホへのシフトでコロナ以前から生産が逼迫していました。そこにコロナ禍の需要拡大が重なり、製品不足に一気に拍車がかかったのです。

さらにテレビなどの需要が増加し、ディスプレイ用の半導体も不足し始めます(2020年春~)。2020年後半になると自動車市場が急速に回復し、車載システムを担う半導体も不足。こうして、さまざまな業界で半導体の奪い合いとも言える状況が発生するようになりました。

(2)供給体制の逼迫

需要の急増とともに大きな要因として考えられるのが、生産体制の逼迫です。半導体を生産する工場が、気象被害や災害の影響を受けて停止する事態が相次いだのです。

世界最大手の半導体生産企業・TSMC(台湾)では、深刻な干ばつによって工業用水が不足。生産量の減少を余儀なくされました。さらにアメリカ南部・テキサスでは大寒波による大規模な停電が発生。サムスンやNXPセミコンダクターズ、インフィニオンテクノロジーズなどの工場が一時停止する事態に。

日本国内では、2020年10月に旭化成マイクロシステム延岡事業所、2021年3月にルネサスエレクトロ二クスの那珂工場で火災が発生し一時生産不能になりました。

また、新型コロナウイルス感染拡大により東南アジア諸国などでは現在もロックダウンが実施されており、多くの工場の稼働停止が続いています。

このように急増する需要に対して供給体制が逼迫していることから、世界中で半導体の不足が続いているのです。これが、現在エコキュートが大変品薄の状態である理由です。

購入手続きはお早めに!

このような状況でもできるだけ多くのお客様にエコキュートをお届けするため、弊社では商品在庫を確保することに尽力しておりますが、ご希望のタイミングでご希望の製品をお届けするのが難しい場合もあります。

設置前のお客様とやり取りをしていて大変残念に感じるのが、最初にお問い合わせ頂いた時点では在庫があったにも関わらず、ご検討頂いている間に在庫がなくなってしまい、再度お問い合わせ頂いたときにはご要望にお応えできないケースです。メーカー在庫が品薄になる繁忙期には、このようなパターンがとくに多いのです。

弊社ではお問い合わせを頂いた際に、現在ご使用のエコキュートの機種や故障箇所と内容、搬入経路、ご希望の新機種などのヒアリングをさせて頂きます。その後、設置場所や搬入経路の写真をお送り頂き、その情報をもとに見積りを作成します。見積書を確認頂いて新機種が確定した時点で、初めてエコキュート製品を確保させて頂きます。お問い合わせ頂いてからすぐにご対応頂ければ、当日中にすぐに製品を確保することも可能です。

さまざまな電気機器の設置を行う他社と比べて、エコキュートに特価した弊社では専門知識を持つ熟練スタッフが低価格で迅速な設置作業を行うことが可能です。安心してお任せ頂けると自負しておりますので、希望の製品在庫があった場合はすぐに購入手続きまで完了することをおすすめします。

追記 2021年12月7日

その後の業界事情を以下のブログで紹介しております。こちらも是非ご覧ください。 
【代表松田のつぶやき】エコキュート不足で大波乱の繁忙期を迎えて<2021~22年冬の業界実情>

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