
温泉ソムリエが教える! ぐっすり眠って疲労を回復させる「快眠入浴法」
最近、睡眠の質が落ちていると感じてはいませんか? 日々の疲れを癒して翌朝スッキリと目覚めるためには、質の高い睡眠が不可欠です。とくに中高年の方にとっては、睡眠の質が健康状態に大きく影響します。そして睡眠の質を高めるのに有効なのが「入浴」です。そこで今回は、温泉ソムリエである私がおすすめする「睡眠の質を高めるための入浴方法」について紹介します。
なぜ入浴が睡眠に良いのか?

最初に、睡眠の質を高めるためになぜ入浴が有効なのかについてお話します。そのためにはまず、「睡眠のメカニズム」について知る必要があります。

人間の体内には体内時計、つまり体内の時間軸を調整するシステムが備わっており、それに伴って体温が変動します。起床前は一番体温が低く、その後は時間の経過とともに体温が上昇するといった具合です。夜8時くらいをピークに上がりきった体温は、夜になると徐々に下がり始めます。昼間とは違いほとんど体を活動させないうえ、睡眠自体が体温を低下させると言われるためです。そして人は眠ろうとする時に、自分で体温を下げます。体の内部の温度(深部体温)が低くなるほど、眠りやすさが強くなってくるのです。

つまり、より良い睡眠のためには寝る前に体の深部体温をグッと下げることが大切です。そこで重要となってくるのが「入浴」なのです。入浴により体全体が温まることで血行が促進され体温も上昇しますが、これは一時的なこと。入浴後は開いた血管によって熱が放散されるため体温は下がっていきます。つまり入浴によって体温を上昇させることで、反対に体温を下げやすい身体になるのです。
また、単に体温を下げるだけでなく、心身のリラックス効果をもたらすことも入浴が良質な睡眠に効果的な理由の一つです。入浴によって副交感神経を優位にし自律神経のバランスを整えることで、リラックス効果が高まりより眠りにつきやすくなります。
ですから良質な睡眠には、寝る前にシャワーではなく湯船にしっかりと浸かることが大切です。実際に当社でエコキュートを交換されたお客様から聞いた話ですが、エコキュートが故障してお風呂に入れなかった間は寝付きが悪く、再びお風呂に入れるようになると熟睡できるようになったと話していたこともあります。しっかりと睡眠をとり翌日に疲れを持ち越さないためにも、夜はできるだけ湯船に浸かる習慣を身につけてほしいですね。
快眠のための入浴ポイント

睡眠の質を高くするためには、入浴の仕方にもいくつかポイントがあります。ここからは快眠のための正しい入浴方法についてお話します。
(1)就寝の1~2時間前に入浴する
まずは入浴のタイミングです。寝付きを良くするためには、就寝の1~2時間前に入浴するのが理想です。そのタイミングで深部体温を上昇させることで、ゆっくりと下降するタイミングで眠りにつくことができます。
(2)ぬるま湯に15~20分程度がベスト
熱すぎるお湯は交感神経を刺激し、逆に覚醒してしまう可能性があります。湯船に浸かる際は、38~41℃程度のぬるめのお湯に15~20分程度浸かるのがおすすめです。ぬるま湯の方が身体への負担が少なく、副交感神経を優位にしてくれるので寝る前には最適です。
(3)半身浴がおすすめ
入浴の仕方は、心臓に負担のない半身浴がおすすめです。下半身だけを温めることで副交感神経が優位になるので、寝付きがよくなるほか冷え性改善にもつながります。
(4)入浴剤を使ってリラックス効果UP
入浴剤の選び方でも快眠効果を高めることができます。ラベンダーやカモミールの香りは心を落ち着かせる効果があり、睡眠の質を高めるのに効果的です。また、カラダに必要なミネラルが豊富に含まれた塩化マグネシウムのバスソルトもリラックス効果を高めるのに役立ちます。深部体温を下げる働きが強い塩化物泉や人工炭酸泉などの温泉成分の入った入浴剤もおすすめです。
いかがでしたか? 今日から早速実践できる方法ばかりだと思います。ぜひ記事を参考に生活に取り入れ、快眠生活を目指しましょう!
