なぜ給湯温度は50℃が最適なの?おすすめの温度設定から節約術まで解説!

この記事の監修者

施工管理部 大阪施工センター長

仲井 康朗

エコキュート工事の施工管理歴10年。

現場経験の知識を活かし、当ブログの記事監修を担当。

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  • 第二種電気工事士
  • 液化ガス設備士(LPG)
  • ガス簡易内管施工士
  • ガス可とう管接続工事監督者

<本記事はこのような方にお勧め>
 

  • エコキュートの給湯温度を何℃に設定すべきか迷っている方
  • 50℃設定がよいと言われる理由を知りたい方
  • 電気代を抑えながら快適にお湯を使いたい方

エコキュートの給湯温度は、光熱費や使い勝手にも影響します。
「50℃設定がお勧め」と聞いたことがあっても、なぜ50℃がよいのか、40℃や60℃ではだめなのかまでは分かりにくいものです。

50℃前後の設定は、節約しやすいだけでなく、雑菌が繁殖しやすい温度帯を避けやすいことや、 手元の混合水栓で40℃前後へ調整しやすいことから、使い勝手の面でもバランスが良いとされています。
一方で、50℃〜60℃設定では高温のお湯が出る可能性があるため、小さなお子様がいる家庭ではやけどに注意が必要です。

この記事では、エコキュートの温度設定の基本、給湯温度が50℃と言われる理由、低すぎる設定のデメリット、さらに日々の節約術まで分かりやすく解説します。

目次

給湯温度は50℃が最適と言われている理由

実際に使うお湯は50℃ではない

給湯温度を50℃に設定しても、実際にシャワーや蛇口から出るお湯が50℃になるわけではありません。
サーモスタット混合水栓で水と混ぜられるうえ、配管の途中で放熱も起こるため、設定温度より3〜5℃ほど低く感じることもあります。

そのため、ぬるさを感じにくくし、安定して適温をつくりやすくする意味でも、50℃設定が勧められます。
ここからは、給湯温度を50℃前後にするメリットを順番に見ていきましょう。

衛生面・快適性のバランスが取りやすい

給湯温度を50℃〜60℃にしておくメリットは、節約だけではありません。
低すぎる温度設定よりも、衛生面・シャワーの安定性・温度調整のしやすさでバランスを取りやすい点も理由の一つです。

たとえば、給湯温度を低くしすぎると、雑菌が繁殖しやすい温度帯に近づきやすくなります。
一方で50℃前後にしておけば、雑菌が繁殖しにくくなり、手元の混合水栓で40℃前後へ調整しやすく、家族ごとの好みにも合わせやすくなります。

また、冬場は配管の途中でお湯が冷めやすいため、最初から少し高めに設定しておく方が、温かいシャワーを安定して使いやすくなります。
低すぎる設定では、適温になるまで水やぬるいお湯を長く流してしまい、結果的に無駄が増えることもあります。

ただし、50℃〜60℃設定では高温のお湯が出る可能性があるため、小さなお子様がいる家庭では特にやけどに注意が必要です。

お湯を無駄にしにくく、節約しやすい

給湯温度を低く設定しすぎると、配管が温まるまでに時間がかかり、水やぬるいお湯を長く流してしまいがちです。
その分だけ、水道代だけでなく、沸かしたお湯も無駄になってしまいます。

たとえば、シャワーを3分使うと約36Lの水を使うとされます。家族4人がそれぞれ30秒ずつぬるいお湯を流して待つと、合計で約24Lを余分に使う計算になります。
給湯温度を50℃にしておけば、適温になるまでのロスを減らしやすくなります。

参考 東京都水道局「もっと知りたい『水道』のこと」

家族ごとに温度調整しやすい

給湯温度を50℃にしておくと、手元の水栓で温度を下げて調整しやすくなります。
逆に給湯温度を40℃程度にしてしまうと、「もう少し熱くしたい」と思っても上げ幅が足りず、好みの温度に合わせにくくなります。

家族ごとに好みの湯温が違う家庭では、少し高めの給湯温度にしておく方が使い勝手が良いでしょう。

湯温が安定しやすい

サーモスタット混合水栓は、お湯と水を混ぜて温度を一定に保ちます。
しかし、給湯温度と使用温度が近すぎると、水を混ぜる余地が小さくなり、配管内の放熱や流量変化の影響を受けやすくなります。

たとえば、給湯温度40℃・水栓温度38℃のように差が少ないと、少し冷えただけでぬるく感じたり、逆に温まると熱く感じたりしやすくなります。
50℃設定なら混合の幅が確保しやすく、結果として湯温が安定しやすくなります。

冬場は60℃設定を検討してもよい

冬場は外気温や配管温度が低く、放熱の影響を受けやすくなります。
50℃設定でもぬるく感じる場合は、60℃へ上げて様子を見るのも一つの方法です。

また、冬はお湯の使用量が増えやすいため、必要に応じて次の見直しも検討しましょう。

  • 沸き上げ量を「多め」にする
  • 冬場だけ給湯温度を高めにする
  • お湯切れしやすい場合は沸き上げ設定を見直す

ただし、高温設定ではやけどのリスクが高まるため、設定変更後は手元の水栓温度も含めて慎重に確認してください。

エコキュートの温度設定は4つある

ここまで給湯温度50℃のメリットを見てきましたが、混同しやすい温度設定も整理しておきましょう。
エコキュートには、主に次の4つの温度設定があります。

給湯温度

給湯温度とは、エコキュートからシャワーや蛇口へ送られるお湯の設定温度です。
メーカーや機種によって設定範囲は異なりますが、たとえば三菱エコキュートでは、水温は35〜48℃、お湯は50℃や60℃などに設定できます。

ただし、設定を50℃や60℃にしても、そのままの温度でシャワーや蛇口から出るわけではありません。
配管の途中にあるミキシングバルブや、手元のサーモスタット混合水栓で温度が調整されるため、実際に使う温度はもっと低くなります。

沸き上げ温度

沸き上げ温度とは、貯湯タンクにお湯をつくるときの温度です。
メーカーや機種、運転設定によって差はありますが、約65〜90℃の高温で沸き上げるケースがあります。

沸き上げたお湯はタンク内に貯められるため、非常用水として取り出す際はやけどに注意が必要です。

風呂温度

風呂温度とは、お湯はり時に浴槽側へ送られるお湯の温度です。
給湯温度とは別系統で制御されるため、シャワーや蛇口の温度設定とは切り分けて考えます。

サーモスタット混合水栓温度

サーモスタット混合水栓温度とは、蛇口やシャワーのハンドルで最終調整する温度です。
たとえば給湯温度を60℃にしていても、水栓側で40℃に設定すれば、水と混ざって40℃前後のお湯が出ます。

参考 TOTO株式会社「水栓の予備知識」

給湯温度を低く設定しすぎるデメリット

  • かえって電気代が高くなることがある
  • 雑菌が繁殖しやすい温度帯に近づく

かえって電気代が高くなることがある

給湯温度を必要以上に低くすると、適温になるまでにお湯を捨てる量が増えたり、ぬるさを補うために使用時間が長くなったりします。
その結果、節約のつもりが逆に電気代増につながることがあります。

特に冬場は体が温まりにくいため、シャワー時間が延びやすく、昼間の沸き増しが発生する原因にもなります。

雑菌が繁殖しやすい温度帯に近づく

浴室まわりで問題になることがあるレジオネラ属菌は、20〜45℃で繁殖しやすいとされています。
45℃を超えると活動が抑えられ、60℃で殺菌が可能とされています。

残り湯を再利用する場合などは特に、低温すぎる設定は衛生面でも不利になりやすいため注意が必要です。

参考 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト
参考 レジオネラ症|厚生労働省

サーモスタット混合水栓に負担がかかる

給湯温度40℃・水栓温度38℃のように差が小さいと、サーモスタット混合水栓の温度センサーが細かな調整を繰り返しやすくなります。
その結果、部品に負荷がかかり、故障の一因になることもあります。

快適性だけでなく、水栓を長持ちさせる観点でも、給湯温度は50〜60℃程度で考えるのが無難です。

エコキュートでできる節約術

モードは基本的に「おまかせ」

エコキュートには、使用履歴をもとに湯量や沸き上げを自動調整する「おまかせ」運転があります。
まずはこのモードを基本にし、不足するなら「多め」、余るなら「少なめ」や節約寄りの設定へ調整するのがお勧めです。

沸き上げは深夜時間帯を活用する

エコキュートは、電気料金が安い深夜に沸き上げることで節約しやすくなります。
契約中の電気料金プランを確認し、深夜時間帯に運転が合っているか見直しましょう。

長期不在時は沸き上げ休止を使う

旅行や出張などで家を空けるときは、沸き上げ休止設定を活用すると無駄な消費を防げます。
帰宅日に合わせて再開設定できる機種もあります。

追い焚きより足し湯を優先する

追い焚きは、浴槽のお湯を循環させて温め直すため、タンク内の湯温低下や沸き増しの原因になりやすい機能です。
節約を意識するなら、必要な分だけ高温のお湯を足す「足し湯」を優先すると効率的です。

風呂自動機能を使い分ける

風呂自動機能は便利ですが、不要な保温まで続けると消費が増えます。
入浴しない時間帯はオフにする、または節約向けの保温モードがあれば切り替えるとよいでしょう。

昼間休止設定も活用する

その日の昼間にもうお湯を使わないと分かっているなら、昼間休止設定を使うことで電気代の高い時間帯の沸き増しを防げます。

使用履歴を見て無駄を把握する

機種によっては、過去の使用湯量や履歴を確認できます。
使いすぎた日や余らせた日を見直すことで、設定改善のヒントになります。

太陽光発電との連携も有効

太陽光発電システムと連携できる機種なら、昼間の余剰電力を使ってお湯を沸かすこともできます。
夜間電力だけに頼らず、さらに節約しやすくなります。

古い機種なら買い替えも選択肢

エコキュートの寿命は一般的に約10年が目安とされています。
古い機種では沸き上げ効率が落ち、電気代が余計にかかっていることもあります。最新機種の方が年間給湯保温効率に優れる場合が多いため、長期的には買い替えが有利になることもあります。

まとめ

エコキュートの給湯温度は、基本的に50℃設定が使いやすく、節約面でもバランスが良いといえます。
実際に蛇口から出る温度はもっと低くなり、手元の水栓で調整する前提だからです。

一方で、冬場にぬるく感じる場合は60℃まで上げて様子を見るのも有効です。
ただし、高温設定ではやけどのリスクがあるため、使用環境に合わせて慎重に調整してください。

日々の節約を意識するなら、給湯温度だけでなく、深夜沸き上げ、休止設定、足し湯の活用なども合わせて見直してみましょう。

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