【エコキュートお悩みQ&A】「追い焚き」のお湯だけぬるい! これって故障なの?

エコキュートに関するさまざまな疑問やお悩みを解決するこのコーナー。実際に当社に寄せられた質問をもとに、エコキュートについて気になるあれこれを専門家が解説します。今回は、追い焚き湯温に関する質問にお答えします。

目次

<Question>追い焚きのお湯がぬるいのは故障?

お客様からの質問

お風呂の湯はりとシャワーのお湯は熱いけど、追い焚きのお湯だけぬるくなります。
これって故障の始まりですか?

給湯する際の温度には問題がないのに追い焚きしたときのお湯がぬるくなってしまい、エコキュート本体の故障なのかどうか心配されているユーザーさんから頂いたご質問です。

エコキュートが故障して突然お湯が出なくなってしまうなどといったトラブルが発生すれば、日常生活に大きな支障をきたしてしまうことは言うまでもありません。たとえ問題なく給湯できる場合でも、なにか変化や違和感を感じた際は故障の前兆なのかどうか気になるというお客様は非常に多いです。

では、追い焚き湯温のみが低くなってしまう場合に、エコキュート本体の故障を疑うべきなのかどうかについて早速お答えしていきます。

 

<Answer>チェックしたいポイントは2つ!


今回のような場合、もちろん故障の可能性もありますが、故障を疑う前にまず確認してもらいたいポイントが2つあります。

 

①浴槽温度の設定

まず一つは、浴槽温度の設定。エコキュートの給湯温度と浴槽温度は個別に設定できるので、それぞれ何℃に設定されているのか一度確認してみましょう。

また、適切な設定温度は季節や環境によっても異なります。お風呂のお湯は38~42℃くらいが一般的で、夏場は38~40℃、冬場は40~42℃くらいで給湯するのが丁度よいと言われています。冬場は夏場よりも+2℃くらいに設定することで快適に入浴できます

 

②追い焚き配管

浴槽の設定温度が給湯温度と変わらないのにやはり追い焚き湯温だけがぬるいという場合、次にチェックしたいのが「追い焚き配管」です。これまで何年もエコキュートを使っていて、今年の冬に限って追い焚き湯温がぬるいと感じている場合は、追い焚き配管の保温材が破れている可能性があります

実際に追い焚きがぬるくなったというお問い合わせを受けてアフターケアに伺ったお客様のご自宅であった事例では、猫が爪をとぐ際にひっかき配管の保温材を破ってしまっていたというケースもあります。

また、この配管は長ければ長いほど温度が下がる確率も上がります。 

 

室外に設置されているエコキュート本体と浴槽はこのように配管で繋がっているので、この配管が長いほどお湯が出るまでに時間がかかったり、湯温が下がってしまう可能性があります。エコキュートの設置場所と浴槽が離れている場合は、あらかじめ浴槽湯温を高めにセットしておくのもおすすめです。

以上の2点を確認しても症状が改善しない場合、エコキュート本体の交換が必要になってくるかもしれません

配管以外に考えられる原因として、熱交換器の経年劣化が挙げられます。一般的なエコキュート(日立の直圧をのぞく)の場合、湯はりおよび給湯はタンクの中のお湯と水道水を混ぜることで、お湯を適正な温度にして供給しています。対する追い焚きは、熱交換器を利用してタンクの中のお湯と浴槽の中のお湯の熱を交換することでお湯を供給します。その熱交換器に塩素などの水道成分が付着して劣化することで、追い焚き効率が落ちる可能性があります

もしご家庭の水源が井戸水の場合は、この可能性が非常に高いと思われます。なぜなら井戸水には、配管詰まりの原因となるカルシウムなどの成分が多く含まれているからです。もし熱交換器の経年劣化が原因で追い焚き効率が低下している場合は、熱交換器だけを交換することは難しいのでエコキュート本体の交換を検討する必要があります。

エコキュートの交換寿命は10~15年と言われているので、目安となる時期を迎えている場合は早めに交換や買い替えを行っておくのがおすすめです。

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