【代表松田の呟き】能登半島震災の被災地でエコキュートの交換工事を行って感じたこと
先日、能登半島震災で被災したエコキュートの交換工事に訪れたブログをアップしましたが、その後さらに被災地からの交換依頼を頂くようになりました。3月には私自身が施工スタッフとして度々現地を訪れ、交換工事をしてきました。そこで今回は私たちが見た被災地の現状と、実際に現場で工事を行った所感についてお話ししたいと思います。
復興への長い道のり
今年元日に起きた能登半島地震で大きな被害を受けた能登町でエコキュートの交換依頼があり、石川県を訪れました。金沢から奥能登方面に車を走らせると、次第に交通規制された道路が増えていきます。被災地に近づくにつれて地割れや土砂崩れのほか、ガードレールを残した状態で崩れ落ちた路面など、言葉を失ってしまうような光景が次々に目に飛び込んできました。
大きく被災したエリアでは、地震発生から3カ月以上が経った今もなお手つかずの場所が多いです。倒壊した家屋はそのままの状態です。
現時点でエコキュートの交換依頼をされるお宅は、比較的被害が少なく既に水道が復旧しているエリアです。それでも現場の目の前の道路や土手が崩落しているなど、各所で震災の痕跡が見られました。道路の復興や住宅再建など、復興にはまだまだ長い時間と支援が必要です。
また、復興が進むにつれて被災地からのエコキュート交換依頼は今後も増え続けると思います。その依頼に可能な限り対応できるよう、当社では引き続き準備と体制づくりに尽力していきたいと思います!
倒壊したエコキュート
被災地の現場に多いのが、タンクが倒壊してしまったエコキュートです。エコキュートのタンクはお湯の入った状態で100㎏以上あるので、大きな揺れによって倒れてしまったタンクはほとんどの場合壊れてしまいます。
今回このような現場で実際に施工を担当してみて私が感じたのは施工不良の多さです。たとえばこちらのエコキュートは、タンクの脚を固定するアンカーボルトが抜けてしまっているにも関わらずナットだけが地面に残っています。通常はナットを残してアンカーだけが抜けることはあり得ません。
本来タンクの脚はL型の座金の上にワッシャーとナットを使って固定するものですが、このタンクは座金が使われておらずワッシャーのみで固定されていました。そのため大きな揺れにより写真のようにワッシャーが曲がり、タンクの脚がすっぽ抜けてしまったようです。
また別の現場では、メーカーの施工基準に満たないアンカーボルトが使われている例もありました。写真の左側のボルトがタンクが転倒してしまった現場で実際に使われていたボルト、右側が当社で通常使用しているメーカー指定のボルトです。現場で使用されていたボルトは、通常よりも長さが4cm程度短いうえ太さも一回りほど細かったのです。重たいタンクを支えるには不十分で、耐震強度に雲泥の差があるのは言うまでもありません。
今回の地震は大変被害の大きいものでしたので、たとえこのような施工不良がなかったとしてもタンクが倒壊している可能性はもちろんあります。しかし、施工不良がなければ倒壊していなかった可能性も否定はできません。
だからこそ、エコキュートを設置する際には基準を満たす施工を行うことが非常に大切です。施工に関して信頼のおける業者であるかどうかも、施工店選びの参考にしてください。もちろん当社ではきちんと基準を満たす施工を行っていますので安心してお任せください!
今回は能登半島地震において被災したエコキュートの交換を行うなかで感じたことについて紹介しましたが、実際に工事例をまとめて紹介した記事もあります。ぜひあわせてチェックして、参考にしてください。
▶【令和6年能登半島地震】倒壊したエコキュートの交換工事例まとめ
被災地の一刻も早い復興のため、当社では引き続き可能な限り被災地からのご依頼に対応させて頂きます。お困りの際はぜひご相談ください。