エコキュートに入浴剤を使って故障!?注意点や使える種類・メーカーについて解説

エコキュートを検討している方の中には、入浴剤の使用可否を気にしている方もいらっしゃるでしょう。
「エコキュートに入浴剤は使えない」「入浴剤を使うとエコキュートが故障する」といった話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
エコキュートはお財布や環境にやさしい製品ですが、バスタイムを楽しみたい方にとって、入浴剤が使えないとすれば大きなマイナスです。
では、実際はどうなのでしょうか。
今回は、エコキュートに入浴剤が使えるか、使えるとして注意点には何があるかなど、詳しくご紹介します。

目次

エコキュートは入浴剤を使えるの?

実は、エコキュートでも入浴剤が使用できます。
ただ、エコキュートの機種やメーカーによって推奨される入浴剤があり、それ以外を利用すると故障のリスクがあるため、注意が必要です。
エコキュートは入浴剤が使えないのではなく、機種やメーカーによって入浴剤が制限されると考えた方が良いでしょう。
入浴剤を使用する際には、設置しているエコキュートや購入予定のエコキュートが、どの入浴剤に対応しているのかを確認することが大切です。

主に給湯タイプによって入浴剤を使えるかが分かれる

入浴剤の制限は、エコキュートの給湯タイプによって異なります。

一般的に「セミオートタイプ」や「給湯専用タイプ」のエコキュートであれば、入浴剤の制限がほぼなく、自由に楽しめるでしょう。
これらのエコキュートは、お湯を循環させることなく、一方的に排出する機能を備えているためです。
一方、「フルオートタイプ」のエコキュートは、入浴剤の使用が限られます。
フルオートタイプは、浴槽内のお湯を循環させ、熱交換器に通して温め直します。
その際、フィルターの目詰まり、配管の錆や腐食、センサー類の異常などが起こり得るためです。
故障するおそれもあるため、メーカーが推奨している入浴剤以外は使用しないようにしましょう。

フルオートタイプのエコキュートと相性が悪い入浴剤とは?

フルオートタイプのエコキュートと相性が悪い入浴剤は、主に4種です。

 起こる可能性があるトラブル・症状
白濁・とろみ成分循環口に取り付けられたフィルターの目詰まり。
成分が配管内に蓄積されると配管内で詰まり、お湯が出にくくなったり、故障原因になったりする。
発泡成分配管内部に取り付けられたセンサーが反応し、正常な作動を妨げる。故障原因にも。
硫黄・酸・アルカリ・塩分などの成分配管に錆びや腐食が起こり、寿命を縮める。錆や腐食により、にごった水が出る。
(とくに硫黄入りは、少量でも銅を腐食させてしまう可能性が高いため、注意が必要)
固形物・パウダー入り循環口に取り付けられたフィルターが目詰まりを起こし、お湯が出にくくなる。
(お湯に溶けると、おもちゃや花びらなどが出てくるタイプも注意が必要)

これらの成分が含まれる入浴剤は、メーカーから推奨されているものでない限り、避けるのが無難です。

メーカー別、エコキュートで推奨されている入浴剤

エコキュートのメーカーホームページでは、使用できる入浴剤が記されています。
同じメーカーであっても製品や製造された年代によって使用できる入浴剤が変わるケースもあるため、必ず確認してから入浴を楽しむようにしてください。

パナソニック製エコキュートが推奨する入浴剤

パナソニック製エコキュートで推奨されている入浴剤は、主に下記です。

花王株式会社バブ(にごりタイプ・パウダー配合タイプを除く)
株式会社バスクリンバスクリン・きき湯(にごりタイプを除く)
アース製薬株式会社バスロマン(にごりタイプを除く)

パナソニック製エコキュートでは、下記の入浴剤は使用しないように注意が促されています。

  • 推奨入浴剤以外の発泡系入浴剤(例:バスバブル)、石鹸
  • 葉や茎など固形物を含む、生薬系の入浴剤
  • とろみ成分やミルク成分が配合された入浴剤
  • 硫黄・酸・アルカリ・塩分を含む入浴剤
出典パナソニック「エコキュートQ& A よくあるご質問」

三菱電機製エコキュートが推奨する入浴剤

三菱電機製エコキュートで推奨されている入浴剤は、主に下記です。

花王株式会社バブ(にごりタイプ、シリカパウダー含有タイプを除く)
アース製薬株式会社バスロマン(にごりタイプを除く)
株式会社バスクリンバスクリン(にごりタイプを除く)

ただ、三菱電機製のエコキュートは、発売した年代で使用できる入浴剤に違いがあるので注意してください。
バブが使えるのは、2010年以降の発売モデルに限られます。
また、バスロマンやバスクリンが使えるのも、2018年以降の発売モデルとなっています。
発売した年代であって購入した年代ではないため、製品情報を正確に把握することが大切です。

その他、三菱電機製エコキュートには、下記の入浴剤を使用しないように注意しましょう。

  • 発泡成分や炭酸ガスを含んだ入浴剤
  • 炭酸カルシウムを含んだ入浴剤(にごり湯系入浴剤に多い)
  • 硫黄・塩化ナトリウム・シリカ(無水ケイ素)などの成分を含んだ入浴剤
  • 薬草やゆずなど固形物を含む入浴剤
出典三菱電機「よくあるご質問 FAQ 入浴剤は使用できますか?」

ダイキン製エコキュートが推奨する入浴剤

ダイキン製エコキュートが推奨する入浴剤は、主に株式会社バスクリンから発売されている製品です。

株式会社バスクリンバスクリン・きき湯・日本の名湯・ソフレ・温美浴

ダイキン製エコキュートは、他メーカーでNGになることの多い、にごり湯タイプも使用可能な製品があるのが特徴です。
また、ダイキン製エコキュートでは、下記の入浴剤は使用しないように注意してください。

  • 株式会社バスクリンの製品以外の入浴剤
  • とろみ成分を含む入浴剤
  • 酸・アルカリ・硫黄・塩などの成分を含む入浴剤
  • 固形物を含む生薬系の入浴剤
  • 温泉水を再現した入浴剤
出典ダイキン「エコキュート 快適・安心」

コロナ製エコキュートが推奨する入浴剤

コロナ製エコキュートに推奨されている入浴剤は、主に下記です。

花王株式会社バブ(にごりタイプを除く)
株式会社バスクリンバスクリン(にごりタイプを除く)
アース製薬株式会社バスロマン(にごりタイプを除く)

また、コロナ製エコキュートでは、下記の入浴剤を使用しないように注意喚起がされています。

  • 発泡成分・炭酸ガスを含む入浴剤
  • 硫黄・酸・アルカリ・塩分などの成分を含む入浴剤
出典コロナ「エコキュート よくあるご質問 おふろ」

日立製エコキュートが推奨する入浴剤

日立製エコキュートで推奨されている入浴剤は、主に下記です。

花王株式会社バブ、バブ和漢ごこち(透明タイプ炭酸発泡あり)
株式会社バスクリン・バスクリン、バスクリンクール(透明タイプ炭酸発泡なし)
・きき湯、きき湯アロマリズム(透明タイプ炭酸発泡あり)
アース製薬株式会社バスロマン、バスロマンクール(透明タイプ炭酸発泡なし)

日立製エコキュートは、他メーカーでは使用不可になる発泡系の入浴剤を使用できる機種が多いです。
ただ、上記の推奨入浴剤であっても、乳白色や白色ににごる入浴剤は使用できないため、注意が必要です。

また、日立製エコキュートには、下記の入浴剤が使用不可です。

  • にごり成分、とろみ成分を含む入浴剤
  • 硫黄・酸・アルカリ・塩分などの成分を含む入浴剤
  • 固形物を含む入浴剤
出典日立「日立エコキュート_使える入浴剤リスト2016年06月」

東芝製エコキュートが推奨する入浴剤

東芝製エコキュートで推奨されている入浴剤は主に下記です。

花王株式会社バブ・マイクロバブ(にごりタイプを除く)
株式会社バスクリンバスクリン・きき湯(にごりタイプを除く)
アース製薬株式会社バスロマン(にごりタイプを除く)

また、東芝製エコキュートでは、下記の入浴剤を使用しないように注意が呼びかけられています。

  • ミルクやミルク成分を含む入浴剤
  • 浴槽に沈殿物(にごり成分)が残るタイプの入浴剤
  • 発泡系の入浴剤
  • 硫黄・酸・アルカリ・塩分などの成分を含む入浴剤
  • 固形物を含む入浴剤
出典東芝キヤリア「よくあるご質問」

入浴剤を使うときの注意点

注意点①:複数の入浴剤を混ぜるのはNG

エコキュートには、メーカー推奨の入浴剤を使用しましょう。
ただ、推奨されている入浴剤であっても、複数混ぜるのはNGです。
複数の入浴剤を混ぜて使用すると、メーカーの想定よりも成分が過剰になります。
それにより、エコキュートに思わぬ悪影響を及ぼす可能性があるためです。
実際に、入浴剤を混ぜて使わないようにと注意喚起しているメーカーもあります。
また、入浴剤を使用する際には、必ず規定の分量を守ってください。

注意点②:自動配管洗浄は「入」にする

エコキュートで入浴剤を使用するときには、必ず自動配管洗浄を「入」にしてください。
こちらはエコキュートの取扱説明書にも記載されています。

推奨されている入浴剤であれば、すぐにトラブルが起きることはないでしょう。
ただ、通常のお湯と異なった成分が含まれていることは確かです。
自動配管洗浄「入」にして、それらの成分を洗い流すようにしましょう。
自動配管洗浄は、お湯の清潔を保つ上でも便利な機能です。
入浴剤を使用していないときでも、「入」にしておくと良いでしょう。

注意点③:こまめに配管洗浄をおこなう

自動配管洗浄を「入」にするだけでなく、定期的に配管洗浄もおこないましょう。
一般的にエコキュートは、3ヶ月~半年に一度くらいの頻度でメンテナンスが推奨されています。
入浴剤を頻繁に使用する家庭であれば、1ヶ月に1度は配管洗浄をおこなうと良いでしょう。
メンテナンスをおこなうことで、お湯を清潔に保てるだけでなく、エコキュートの寿命を延ばすことにもつながるかもしれません。
エコキュートのメンテナンスにつきましては「エコキュートを長持ちさせるメンテナンス・掃除方法を紹介!」をチェックしてみてください。

注意点④:冬場以外はエコキュートのお湯を抜く

入浴剤の使用に制限があるのは、入浴剤の溶けたお湯が循環することで、フィルターや配管などにトラブルが発生するためです。
入浴後にエコキュートのお湯を抜くのも、循環を防ぐという意味では有効な手段といえます。

ただ、冬場にお湯を抜く場合は注意しましょう。
配管凍結防止のために、浴槽にお湯を残しておいた方が良い地域もあります。
入浴剤を使ったからといってお湯を抜いてしまうと、配管が凍結し、最悪の場合破裂してしまう可能性が高まるでしょう。
お住まいの地域にもよりますが、入浴剤を使ってお湯を抜く際にはタイミングを見極める必要があります。

入浴剤を使うならばやっておきたいメンテナンス

入浴後は入浴剤の成分や汚れを洗い流す

入浴後は、入浴剤の成分や汚れを落とすように心がけましょう。
入浴剤の成分を放置すると、浴槽の変色や沈着にもつながるので、シャワーで洗い流すことをお勧めします。
付着しやすい入浴剤を使っている場合や、汚れ具合によっては、スポンジも用いて落とすようにしてください。

浴槽フィルターを洗浄する

フィルターに目詰まりが起こると、エコキュートや配管に負荷がかかり、故障につながります。
また、エコキュートの優れた省エネ効果が発揮できなくなるかもしれません。
入浴剤を使用した後は、浴槽の循環口に取り付けられたフィルターを、軽く洗浄するようにしましょう。
毎回の習慣にすれば汚れが溜まりにくく、シャワーで洗い流す程度ですから、それほど大変な作業にはなりません。

配管の洗浄をする

上述の通り、使用しているエコキュートに配管洗浄機能が付いているのであれば、常に「入」にしておきましょう。
この機能をオンにしておくだけで、配管内に入浴剤の成分が残りにくくなります。
定期的にシャワーで洗い流すといった、配管洗浄も行うとより効果的です。

貯湯タンクの洗浄

フィルターや配管だけでなく、貯湯タンクの洗浄も大切です。
基本的に、浴槽内のお湯が貯湯タンク内のお湯と混ざることはありませんが、貯湯タンク内に不純物が沈殿することはあり得ます。
そのような状態になると、不純物がお湯に混ざり、清潔な状態が保てなくなってしまいます。
ダイキンのように、メーカーによっては、水抜きを推奨しているところもありますので、手順に従って水抜きをおこないましょう。

エコキュートの水抜きについては「エコキュートの水抜きしないと…?手順や重要性を徹底解説」をチェックしてみてください。

誤って使用不可の入浴剤を使ってしまったときの対処法

万が一メーカー非推奨の入浴剤を使用してしまったのであれば、まずフィルターの目詰まりが起きてないか確認しましょう。
目詰まりしているだけであれば、いつもよりも念入りに掃除することで、対処が可能です。
配管内も、非推奨の入浴剤を一度使ったところで、すぐに詰まることは稀です。
自動配管洗浄機能や、配管用洗剤を用いて掃除することで、故障やトラブルをある程度防げるでしょう。

気をつけたいのが、配管の腐食です。
配管に使われている金属や、入浴剤の種類によって、腐食のスピードに差があります。
洗い流せば問題がないこともあれば、配管が腐食してから気づくこともあるようです。
その場合には、業者を選んで修理してもらう方法しかありません。
その際に、メーカー非推奨の入浴剤を使用して故障したと判断されると、各種保証外になるケースもあるので注意してください。

まとめ

今回は、エコキュートに入浴剤が使えるか、使えるとして注意点には何があるかなど、詳しくご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
エコキュートは、セミオートタイプや給湯専用タイプであれば、入浴剤が問題なく使えます。
フルオートタイプでも、制限があるものの入浴剤は使用可能です。
推奨されている入浴剤は、近隣のドラッグストアやインターネット通販で簡単に手に入る製品ばかりですから安心してください。
入浴剤は、バスタイムが楽しくなるだけでなく、冬場は冷えた身体を温めることにもつながります。
バスタイムを重視する方は、購入や交換の際、入浴剤とエコキュートの相性を見ながら選んでみましょう。
エコキュートの交換や買い替えに関しては、エコキュート交換専門の急湯デポにぜひご相談ください。

この記事を書いたのは

施工管理部 大阪施工センター長

仲井 康朗

施工管理者 仲井 康朗 です。

給湯器工事に携わって10年。日々エコキュートの施工管理を行う傍ら、お客様にエコキュートの情報をお伝えする当ブログの監修もしています。

保有資格

  • 北海道 / ⻘森県 / 第二種電気工事士免状 第 164447号
  • 液化ガス設備士免状 大阪府 142762005【LPG】
  • ガス簡易内管施工士資格証 15990024【都市ガス】
  • ガス可とう管接続工事監督者講習修了証 27130129【都市ガス】県 / ⼭形県 / 島根県 / 沖縄県

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