
薄型エコキュートにデメリットはある?サイズや価格、お勧めまで解説
エコキュートには薄型タイプという種類が、各メーカーから販売されています。
より多く導入されている「角型」のエコキュートを設置するスペースが十分に確保できない場合は、「薄型」のエコキュートの設置を検討してみましょう。
では、「角型」と「薄型」のエコキュートは何が違うのでしょうか。
この記事では薄型エコキュートの解説やメリット・デメリット、各メーカーの人気機種をご紹介します。
エコキュートの「薄型」と「角型」の違い
エコキュートは「角型」タイプが多く流通していますが、設置スペースが十分確保できない方向けの「薄型」タイプも販売されています。
角型と薄型では価格・機能・寸法等が異なるので、それぞれの特徴についてチェックしていきましょう。
薄型エコキュートのサイズ・大きさ
角型のエコキュートは、上から見た際に正方形に近い形をしているのに対し、薄型エコキュートは長方形になっています。
奥行きが短く設計されているため、通路の狭い家やベランダ等にも設置しやすいのが特徴です。
メーカーや機種によってサイズは多少異なりますが、薄型エコキュートのサイズの目安を以下の表にまとめました。
サイズ(寸法)
スクロール
薄型エコキュート | 角型エコキュート | |
---|---|---|
幅 | 1,000~1,120mm | 600~650mm |
奥行き | 430~450mm | 680~760mm |
高さ | 1,813~2,225mm | 1,760~2175mm |
※ 三菱・パナソニック・ダイキン・日立・東芝の現行モデルの中から、最小値と最大値を算出
※ 角型エコキュートは薄型の現行モデルと同じ給湯タイプ・シリーズのもの、または同等性能をもつ機種を参照
角型エコキュートと比べると、奥行きが25~30cmほど狭まり、その分幅が広めになっていることが分かります。
角型が設置できないようなスペースであっても、薄型なら設置可能なケースは実際によくあります。
もし設置予定の場所が狭いのであれば、薄型エコキュートを検討してみてはいかがでしょうか。
薄型エコキュートの価格
薄型エコキュートと角型エコキュートでは、価格にどれほどの差があるのでしょうか。
メーカーや機種によって価格は異なりますが、薄型エコキュートの価格を以下の表にまとめましたので、チェックしてみてください。
メーカー希望小売価格(税込)
スクロール
薄型エコキュート | 角型エコキュート | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
最安値 | 最高値 | 平均価格 | 最安値 | 最高値 | 平均価格 | |
370L (3 ~ 5人家族向け) | ¥957,000 | ¥1,255,100 | ¥957,000 | ¥880,000 | ¥1,150,600 | ¥1,021,240 |
460L (5~6人家族向け) | ¥1,067,000 | ¥1,392,600 | ¥1,279,056 | ¥968,000 | ¥1,260,600 | ¥1,121,238 |
全体平均 | ¥1,176,096 | ¥1,067,668 |
※ 脚部カバー・リモコンを除く、貯湯タンク + ヒートポンプユニットの価格
※ 三菱・パナソニック・ダイキン・日立・東芝の現行モデルの中から、最安値/最高値を算出。平均価格・全体平均は小数点以下切り上げ
※ 角型エコキュートは薄型の現行モデルと同じ給湯タイプ・シリーズのもの、または同等性能をもつ機種を参照
薄型のメーカー希望小売価格は、角型よりも約100,000円ほど高く設定されていますので、実際に業者等から購入する際には、2~5万円程高くなると想定しておきましょう。
薄型機種(補助金対象)のおすすめ機種
薄型機種(補助金対象)のおすすめ機種はこちらです。在庫がなくなり次第終了となりますので、お早めにご確認ください!
薄型機種(補助金対象外)のおすすめ機種
薄型機種(補助金対象外)のおすすめ機種はこちらです。こちらも在庫がなくなり次第終了となりますので、お早めにご確認ください!
薄型エコキュートのメリット
- 狭いスペースでも設置が可能
- 目立たせずに設置が可能
狭いスペースでも設置が可能
薄型エコキュート最大のメリットは、狭いスペースにも設置可能な点です。
お隣の家との距離が近い場合や、ベランダ・バルコニーにもスペースを確保しつつ設置可能です。
また、角型は設置できなくても薄型なら、家の裏などの普段あまり使わない狭いスペースに設置できる場合があります。省スペースなため、家の周りを有効に使うことができます。
目立たせずに設置が可能
角型エコキュートは冷蔵庫の様な形のため、玄関前や庭に設置されていると、目立ってしまいます。
しかし、薄型エコキュートは奥行きが狭く壁に沿うような形状のため、目立たずに設置することができます。
また、家の裏などの、角型は設置できなくても薄型エコキュートなら設置できるスペースがあれば、より目立たない位置に設置することができます。
そのため、家の見た目にこだわりたい方にとっては、最大のメリットかもしれません。
薄型エコキュートのデメリット
- 耐震強度が角型に比べると弱いものが多い
- タンク容量・機能が限られることがある
- 角型エコキュートより値段が高い
- 年間給湯保温効率が落ちることがある
- 補助金の対象外になることもある
耐震強度が角型に比べると弱いものが多い
薄型エコキュートは長方形状の形をしているため、正方形に近い角型に比べ安定感が損なわれてしまいます。
実際に多くのメーカーの370Lモデルの角型エコキュートは、「耐震クラスS」に位置づけられていますが、薄型エコキュートで耐震クラスSのものは、ほとんどありません。
しかし、ほとんどの機種は「耐震クラスA」という一般住宅と同等以上の耐震強度をもっています。
また、基本的にエコキュートは基礎の上に、座金とアンカーボルトで脚部をしっかり固定するため、地震がおきても簡単に倒れることはありませんのでご安心ください。
タンク容量・機能が限られることがある
角型エコキュートには7~8人家族向けの550L以上のモデルも販売されていますが、薄型エコキュートの最大タンク容量は460Lです(※2023年1月現在)。
また、寒冷地仕様の薄型エコキュートを販売しているメーカーはほとんどありません。
寒冷地で一般地仕様のエコキュートを使用すると凍結や故障のリスクが高まりますので、寒冷地に住んでいる方で、薄型エコキュートの導入を検討している方はご注意ください。
角型エコキュートより値段が高い
エコキュートの貯湯タンクにはお湯を貯める「缶」が内蔵されています。
角型は缶が1つなのに対して、薄型エコキュートは奥行きが短い構造上、2つの缶が内蔵されています。
2つ缶が使われるため、角型よりも値段が高くなります。メーカー希望小売価格では10万円程度、実売価格でも2~5万円程度高くなります。
年間給湯保温効率が落ちることがある
エコキュートの貯湯タンクは断熱性が高く、保温効率に優れた構造になっています。
しかし、薄型エコキュートは、貯湯タンク内に缶が2つある構造のため、断熱材を施すスペースが少なく、角型と比較すると保温効率が落ちることがあります。
また、年間給湯保温効率という基準では、以下の表の通り、角型が3.3~3.8なのに対し、薄型エコキュートは3.0を下回ることがあります。そのため、角型と比較した場合、電気代もやや割高になってしまいます。
スクロール
薄型エコキュート | 角型エコキュート | |||
---|---|---|---|---|
最小値 | 最大値 | 最小値 | 最大値 | |
年間給湯保温効率 | 2.8 | 3.0 | 3.3 | 3.8 |
平均 | 2.9 | 3.5 |
※ 三菱・パナソニック・ダイキン・日立・東芝の現行モデルの中から、最小値と最大値を算出。
※ 角型エコキュートは薄型の現行モデルと同じ給湯タイプ・シリーズのもの、または同等性能をもつ機種を参照
補助金の対象外になることもある
エコキュートを導入・交換する際に、地方自治体などから補助金やポイントがでる地域があります。
この補助金の多くには条件が設定されており、例として東京都が行っている「東京ゼロエミポイント」では、年間給湯保温効率が3.0以上のエコキュートが対象となっています。
薄型エコキュートは、年間給湯保温効率が3.0を下回る機種が多いため、ご注意ください。
薄型エコキュートをお勧めしたい人

戸建てではなくマンションに住んでいる
マンションに住んでいる方にも薄型エコキュートはお勧めです。
角型の設置には、ある程度のスペースが必要でしたが、薄型エコキュートの設置ならばベランダや玄関先などのスペースにも、通路を塞ぐことなく設置できるでしょう。
ただし、新たにマンションへエコキュートを設置する際は、管理組合で許可されているか、設置スペースが確保できるか、工事が可能なのか等、制約事項が多いためご注意ください。
庭や家の外観にこだわりがある
角型エコキュートは冷蔵庫のような形のため、設置場所によっては、家の外観や庭の雰囲気がかわってしまうかもしれません。
しかし、薄型エコキュートは壁に沿うような形状のため、目立たずスタイリッシュに設置することができます。
エクステリア(家の外のインテリア)にこだわりたい方には、薄型エコキュートがお勧めです。
お勧めの薄型エコキュート
では薄型エコキュートには、具体的にどのような機種があるのでしょうか。
角型に比べ、保温効率が低く本体価格が高いことが多いですが、様々なメーカー独自の機能が薄型エコキュートにも搭載されています。
今回ご紹介する薄型エコキュートは、どれも急湯デポでは人気機種ばかりですので、ぜひチェックしてみてください。
※在庫状況により取扱いがない場合がございます。予めご了承下さい。
三菱電機の薄型エコキュート
三菱電機の薄型エコキュートでお勧め機種は、「SRT-W375Z(370L)」と「SRT-W435Z(430L)」です。
スクロール
品番 | 幅 | 奥行き | 高さ | 年間給湯保温効率 |
---|---|---|---|---|
SRT-W375Z | 1,120mm | 430mm | 1,900mm | 2.8 |
SRT-W435Z | 1,120mm | 430mm | 2,150mm | 2.8 |
人気メーカー三菱の、スタンダードモデル「Aシリーズ」です。
お湯はりと連動して暖房を調節する「あったかリンク」や、天気予報をもとに太陽光発電システムの余剰電力と連携して沸き上げを調整する「お天気リンクEZ」などの機能が搭載されています。
別売部品をご購入いただくと、スマートフォンと連携して外出先からエコキュートを遠隔操作できます。
さらに、これだけ機能がついていて、薄型エコキュートの中でお値段は最安値級です。
追いだき機能付きタイプのベーシックなタイプが欲しい方、価格を抑えたい方におすすめです。
パナソニックの薄型エコキュート
パナソニックの薄型エコキュートでお勧め機種は、「HE-H37KQS(370L)」と「HE-H46KQS(460L)」です。
スクロール
品番 | 幅 | 奥行き | 高さ | 年間給湯保温効率 |
---|---|---|---|---|
HE-H37KQS | 1,078mm | 440mm | 1,843mm | 2.8 |
HE-H46KQS | 1,078mm | 440mm | 2,199mm | 2.8 |
省エネ性能の高さ・多機能さで人気なパナソニックの、スタンダードクラス「Hシリーズ」で、様々な便利機能が搭載されているモデルです。
センサーが人の出入りを感知し、浴室に人がいない場合は無駄な保温加熱を行わない「AIエコナビ」や、温度やシャワー流量を変動させて省エネと節水を実現する「リズムeシャワープラス」などの機能も搭載されています。
エコキュート専用アプリと連携させることで、外出先からお湯張りや沸き増しといった操作が可能になります。
浴室リモコンはシンプルで使い勝手が良く、便利で快適な生活を実現させたい方にお勧めの薄型エコキュートとなっています。
ダイキンの薄型エコキュート
ダイキンの薄型エコキュートでお勧め機種は、「EQ37WFTV(370L)」と「EQ46WFTV(460L)」です。
スクロール
品番 | 幅 | 奥行き | 高さ | 年間給湯保温効率 |
---|---|---|---|---|
EQ37WFTV | 1,075mm | 438mm | 1,813mm | 2.8 |
EQ46WFTV | 1,075mm | 438mm | 2,175mm | 2.8 |
エアコンで有名なダイキンは、エコキュートにおいても信頼と人気がとても高いメーカーになります。
ご紹介の機種はパワフル高圧モデルになっており、水圧が320kPaと非常に高いのが特徴です。
気持ち良くシャワーを浴びたい方から支持を得ており、「エコキュートに切り替えて水圧が弱くなるのが心配」という方に向いています。
また、パナソニックと同様、専用アプリを使えば外出先でも操作可能です。
さらに、シャワーを浴びている時にキッチンで洗い物をしても、湯量を保ったまま2か所で同時に給湯することが可能なため、バスタイムを充実させたい方に、お勧めのエコキュートになります。
日立の薄型エコキュート
日立の薄型エコキュートでお勧めの機種は、「BHP-FS37TH(370L)」と「BHP-FS46TH(460L)」です。
スクロール
品番 | 幅 | 奥行き | 高さ | 年間給湯保温効率 |
---|---|---|---|---|
BHP-FS37TH | 1,090mm | 450mm | 1,890mm | 3.0 |
BHP-FS46TH | 1,090mm | 450mm | 2,225mm | 3.0 |
日立の薄型エコキュートは、細かなところまで配慮されているのが特徴です。
湯張り温度と給湯温度を個別に設定可能かつ、同時使用可能な「ダブル湯温設定」や、節水をサポートする「風呂湯量節水」といった機能を搭載しています。
貯湯タンクには、汚れを防ぐ「汚れガードパネル」が取り付けられており、さらに「風呂配管自動洗浄」も搭載され、年間給湯保温効率は「3.0」と高めです。
一部入浴剤にも対応しており、水圧も高めのため、バスタイムを楽しみたい方にお勧めのエコキュートになります。
東芝の薄型エコキュート
東芝の薄型エコキュートでお勧めの機種は、「HWH-B376HW-R(370L)」と「HWH-B376HWA-R(370L)」です。
スクロール
品番 | 幅 | 奥行き | 高さ | 年間給湯保温効率 |
---|---|---|---|---|
HWH-B376HW-R | 1,000mm | 435mm | 1,970mm | 2.8 |
HWH-B376HWA-R | 1,000mm | 435mm | 1,970mm | 2.8 |
※どちらも寸法は同じです。
「HWH-B376HW-R」はスタンダード機種、「HWH-B376HWA-R」はハイグレード機種になります。
どちらも300kPaのパワフル給湯タイプで、リモコンには省エネを様々な角度から追求できる「ESTIA i」や「エコチャレンジ」などが搭載されています。
さらに、ハイグレード機種の「HWH-B376HWA-R」には、お湯防臭・除菌効果を与える「銀イオンの湯」が付いており、清潔感のあるお湯を使いたい方にお勧めです。
リモコンは、スタイリッシュでデザイン性に優れた光タッチリモコンに切り替えることもできます。
まとめ
薄型エコキュートについて、メリットやデメリット、各メーカーのお勧め製品までご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
薄型エコキュートは、設置スペースの問題で導入を諦めていた方にとてもお勧めです。
すっきりと省スペースに配置できることから、家の外観にこだわりがある方からも選ばれています。
エコキュートの交換の際は、ぜひ急湯デポへお気軽にご相談ください。
なお、昨今は半導体不足の影響で、在庫が不足するケースもございます。
エコキュートの在庫状況と交換可能日の目安が知りたい方は、急湯デポの「在庫シミュレーション」もご活用ください。