エコキュート

エコキュートはじめて物語~開発から普及するまでの歴史~

エコキュート

今やガス給湯器に負けずとも劣らない普及率を誇るエコキュートですが、「一体いつどのように誕生したか」という点について知っている人はあまりいないのではないでしょうか。
多くの発明品と同じようにエコキュートの開発には立派な歴史があり、またその最中には様々な紆余曲折がありました。
そこで今回は、今日におけるエコキュートの普及までには一体どのような歴史があったのかを、読者の皆さんと一緒に見ていきたいと思います。
このコラムを読み終わる頃には、ご自宅に設置してあるエコキュートへの愛着が増しているかもしれませんよ。

序章~エコキュート誕生以前の給湯機事情~

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給湯機の誕生は1930年代、普及は1950年代

給湯機の歴史は意外にも古く、なんと今から100年近く前の1930年代には既に商品化されていたことが分かっています。
その背景には、当時日本に駐屯していた進駐軍の存在が大きくあったそうです。

バスタブに浸かる文化があまり浸透していない国の進駐軍がシャワーの導入を切望したことが、今日の給湯機の確立に繋がっていったのですね。

ただし、その後第二次世界大戦が勃発してからは「給湯機=贅沢品」と見なされるようになったため、1945年に終戦してから約5~10年は、給湯機が庶民層の間で大々的に普及することはありませんでした。

しかし1950年代、徐々に国内における戦後の混乱が収まり高度経済成長期に突入すると、
給湯機の需要は一気に高まっていきます。
当時地方から大勢の労働者が上京してくるのに合わせて建設され、「モダンな生活の象徴」として人々の憧れの的だった団地の存在も、給湯機の急速な普及に一役買っていたと考えられています。

とはいえこの頃の給湯機はまだまだシステムに粗が多く、特に換気面に関する不具合や事故が起きることが多かったそうです。
この問題を解決するために給湯設備会社が改良を重ねた結果、1965年にはそれまでの製品よりも換気をスムーズかつ安全に行える「BF式」こと「バランス風呂釜」が登場します。
このBF式の登場をきっかけに給湯器普及率はますます上がり、発売から1年足らずで6割以上の家庭が給湯システム及び内風呂を導入するという結果を出しました。

1980年代に広まった「お風呂自動化」と「エコ意識」

1970年代が終わる頃にはすっかり家庭における給湯機の設置が常識化しましたが、この時はまだお風呂を沸かすためのお湯の温度や水位など、人の手や目で逐一確認する必要がありました。
しかし1980年代に突入すると温度や水位を事前に設定でき、沸かした後も保温できるなどの機能が搭載された「全自動給湯システム付き風呂釜」の開発が始められるようになります。
こうした動きが進むにつれ「お湯を使うことは決して贅沢ではなく身近なことだ」という意識が人々の中に芽生えるようになり、1987年頃には当時の日本には習慣付いていなかった「朝シャン」が、若者を中心に一躍ブームとなりました。

今では湯船に浸からずシャワーだけで済ませる方も多くいますが、その習慣が根付いた背景にはシステム開発者たちの努力、そして新しい文化をどんどん取り入れるバブル期特有の空気があったのかもしれませんね。
そして1980年代末になると、日本だけでなく世界的に「環境に優しく」という意識が芽生え始め、1990年代になるとともに大々的な「エコブーム」が訪れることになります。
エコキュートの開発がスタートしたのも、まさにこの時期です。

さて、次の章からはいよいよ気になる「エコキュート誕生秘話」、そして「開発から今日の普及に至るまで」を見ていきましょう。

ここからが本編!エコキュート誕生秘話

CO2冷媒はなんと100以上年前に誕生していた!?

エコキュート開発の歴史を見ていく前に、まずはエコキュートを稼働させる上で必要不可欠なCO2冷媒の歴史について知っておきましょう。
実はエコキュートが開発される100年以上も前の1880年代には、既にCO2冷媒を用いた冷凍機がドイツにて開発されていたことが分かっています。
開発から暫くの間は製氷や食品の冷蔵などに使用されていたCO2冷媒でしたが、1920年代後期により優れた性質を持つフロン冷媒が開発されてからは、次第に姿を消していきました。 それから約60年の間、CO2冷媒が大きな注目を浴びることはなかったのですが、1988年にノルウェー工科大学のグスタフ・ローレンツェン教授がCO2冷媒の毒性の低さや環境負荷の少なさなどを提唱したことから、再び関心を集めるようになったそうです。

エコキュート開発の先駆者はあの大手国内メーカー!

今でこそエコキュートを扱う電機メーカーは多数ありますが、エコキュートの開発にいち早く乗り出したのは、なんと国内最大手の自動車部品メーカーであるデンソーでした。
1995年当時、デンソーではローレンツェン教授のサポートのもと、カーエアコン用の冷媒をフロン冷媒から環境負荷の少ないCO2冷媒へ代替するための研究が進められていました。
そして時を同じくして、電力中央研究所ではCO2冷媒ヒートポンプの基礎研究が始められていました。
近しいテーマで研究を進めていた2社は意気投合し、ついに1998年からは東京電力も参加する形で、「家庭用CO2冷媒ヒートポンプ給湯機」の3社共同開発がスタートすることになったのです。
異業種3社がタッグを組んで進められたこの共同開発は、後に給湯機業界に革命を起こすことになります。

試行錯誤の末、ついにエコキュート発売開始!

1998年にプロジェクトが始動して以降、デンソーの技術者たちは何台も試作品を作っては電力中央研究所に送り、課題が見つかればその都度改良して新たに試作品を作るという日々を送っていました。
中でも最も大きな課題としてあったのは、「CO2冷媒を逃がさないための密閉性」だったそうです。
CO2冷媒は少しでも漏れれば製品寿命に関わってしまうものの、反対に密閉し過ぎても性能にダメージを与えてしまうため、研究開発チームはあらゆる技術を投入して何度も試行錯誤を繰り返したそうです。

数多の涙ぐましい努力が重ねられ、ようやく実用化可能な「家庭用CO2冷媒ヒートポンプ給湯機」の開発に成功したのは、2000年の実証試験を経た後でした。
そして2001年にはデンソーの得た基本特許を基に、住宅設備メーカーのコロナから満を持して世界初のCO2冷媒ヒートポンプ給湯機が発売されます。
「エコキュート」と名付けられたこの給湯機は、同年のうちに「日経地球環境技術賞」を受賞するほどの関心と注目を集めました。

飛躍的な普及~これからのエコキュートの在り方

ようやく待望のエコキュート第一号が商品化されましたが、技術者たちはそこで満足するのではなく、その後も集合住宅用エコキュートや業務用エコキュートなどの商品バリエーションを積極的に増やしていきました。
このような取り組みへの関心は国外からも向けられるようになり、2002年には米国環境保護庁から「気候保全賞(Climate Protection Award)が授与される快挙を成し遂げています。
そして2003年にはパナソニックや日立など数多くの大手電機メーカーがエコキュート業界に参入し、名実ともにエコキュートは「次世代型給湯機」としての地位を確立させる
に至りました。

2020年現在、エコキュートの性能はますます進化の一途を辿り、メーカーごとの独自性能も年々バリエーション豊かになってきています。
今後もエコキュートはよりクリーンな省エネ社会の実現を担う重要なファクターとして、多くの人に支持されていくことでしょう。

まとめ

今では当たり前の存在となっているエコキュートですが、そこに至るまでの歴史は意外に長く、さらには並みいる大手メーカーたちによる企業努力があったのだということが分かりましたね。
そしてこのような歴史を知ると、よりエコキュートを大切に使用していこうという気持ちになれるのではないでしょうか。
当社スタッフ一同もエコキュート開発者たちへの尊敬の念を日々忘れないようにしつつ、エコキュート利用者様の悩みに精一杯寄り添えるようなサービスを今後も心掛けていきたいと思います。

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