エコキュートの故障を防ぐには「配管」がカギ! 配管の種類や洗浄方法を解説

エコキュートの故障の原因やトラブルに多いのが、配管の劣化に伴う水漏れ。平均寿命10年程度と言われるエコキュートですが、長く使うためのカギとなるのがこの「配管」です。そこで今回は、エコキュートに使われる配管の種類やその特性についてご説明します。

目次

エコキュートに使われる配管の種類

エコキュートの配管には、大きく4つの種類があります。

ヒートポンプ配管

ヒートポンプと貯湯タンクを結ぶ配管。タンクへお湯を運ぶ配管と、タンクからヒートポンプに水を運ぶ配管から構成されます。エコキュートに使われる配管の中で最も劣化しやすく、水漏れなどのトラブルが起きやすい箇所です。

給水配管

貯湯タンクから浴室のシャワーや水道の蛇口に繋がる配管。蛇口に水を供給する役割を果たします。

給湯配管

給水配管と同様に、貯湯タンクとお湯が出る場所(浴室やキッチンの蛇口など)を繋ぐ配管。ヒートポンプから貯湯タンクに送られたお湯を各所に供給します。

ふろ配管

浴槽の循環口と貯湯タンクを繋ぐ配管で、これが設置されるのはフルオートタイプのエコキュートだけです(セミオートの場合はタンクから浴槽までの行きの配管1本のみ、お湯をタンクに戻すための配管はありません)。保温や追い焚きを行うときに必要で、浴槽内のお湯を回収したり、温め直したお湯を浴槽に戻す際に使います。皮脂などで汚れたお湯が通るので、当然配管内は汚れやすくなります。

雨風にさらされる「ヒートポンプ配管」は耐久性が必須!

屋外で雨風にさらされるヒートポンプ配管は、その過酷な設置場所とエコキュートの中でも最も高い使用頻度であることから、より丈夫な配管を使用する必要があります。

使用する配管の条件としては、まず高温に耐えられるものであること。耐久性に問題のある配管を使用すると、高温によって配管が変形してお湯が詰まってしあう可能性もあります。条件としては、「95℃の温水が常に流れていても10年間以上問題ない」耐久性能が要求されます。

次に重要なのが、雨風に強い素材であるということです。外気にさらされるヒートポンプの配管は、気温の変化や雨風、紫外線などの影響を受けにくいものを選ぶ必要があります。

また、スペースが狭く施工しづらい場所では曲げやすい形状の配管が使用されることもあります。このように配管は、設置場所や環境に合わせてさまざまなものが使われているのです。

 

ヒートポンプ配管に使われるパイプの種類

上の条件を満たし、ヒートポンプ配管としてよく使われるパイプの種類を紹介します。

銅管

最高使用温度が95℃~100℃の銅管は、ヒートポンプ配管に余裕を持って対応可能。運転時間が長いお客様でも安心してお使い頂けます。さらに紫外線が直接当たっても脆化の心配がないのも魅力です。万が一配管が露出してしまった場合でも、漏水などのリスクを回避できます。

架橋ポリエチレン管

水道水に含まれる塩素に強い特徴を持ち、腐食しないのが魅力です。銅管と比較すると重量が半分以下なので、運搬や取り回しが容易というメリットもあります。さらに、断熱材に高耐候性被覆が採用されているので、紫外線劣化による断熱性能の低下も抑制できます。

アルミ三層管

名前の通り三層になった管で、アルミニウムが高耐熱ポリエチレン管で挟み込まれる構造をしています。これにより、非常に高い耐熱性が実現されました。さらに、パイプ外部からの酸素の侵入を防ぐため防錆効果も期待でき、配管の劣化を防いでくれます。また、手で簡単に曲げることができ、曲げた状態を保持しやすい特徴も。

フッ素系樹脂ホース

最高使用温度が100℃と、高温に強いのが特徴。熱による膨張や収縮もほぼ発生しません。柔軟で軽量な特性を持ち、配管取り回し作業などが楽にできるのも魅力です。

浴室配管は自分でメンテナンスが可能!

ここまでエコキュートに使われる配管の種類や仕組み、その特徴について説明してきました。エコキュートを長く使うためには、配管の劣化を防ぐことが大切だということがわかりましたね。

ヒートポンプ配管などはメンテナンスが難しいですが、エコキュートの配管の中で最も汚れやすい「浴室配管」は、お客様ご自身でメンテナンスする方法もあります。

自動洗浄機能を使う

フルオートタイプのエコキュートの中には、三菱の「バブルおそうじ」など、ふろ配管を自動で洗浄してくれる機能が付いたものがあります。湯垢や皮脂の汚れが流れるふろ配管は最も汚れやすいので、洗浄機能がついている場合はぜひフル活用してください。

市販の洗剤を使って洗浄する

市販の洗剤を使って自分で配管洗浄を行うこともできます。やり方は使用する洗剤によって異なりますが、お湯を張った浴槽に洗剤を入れて溶かし、追い焚き運転をしてから排水するなどして洗浄するケースがほとんどです。この配管洗浄は、ほとんどのメーカーで半年に1回程度の頻度で行うことが理想とされています。また、洗剤は必ずメーカー推奨のものを使用してください。

経年劣化の激しい配管ですが、これらのメンテナンスを行うことでエコキュートの配管トラブルは最小限に抑えることができると思います。配管の寿命もエコキュート本体と同じで、だいたい10年程度と言われています。エコキュートをしっかり10年使い切り、本体買い替えと同時に配管の交換工事を行うのが理想的ですよね。そのためにも日々のメンテナンスをしっかりと行い、トラブル回避に努めましょう。

この記事の監修者

施工管理部 大阪施工センター長

仲井 康朗

施工管理者 仲井 康朗 です。

給湯器工事に携わって10年。日々エコキュートの施工管理を行う傍ら、お客様にエコキュートの情報をお伝えする当ブログの監修もしています。

保有資格

  • 北海道 / ⻘森県 / 第二種電気工事士免状 第 164447号
  • 液化ガス設備士免状 大阪府 142762005【LPG】
  • ガス簡易内管施工士資格証 15990024【都市ガス】
  • ガス可とう管接続工事監督者講習修了証 27130129【都市ガス】県 / ⼭形県 / 島根県 / 沖縄県

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