
エコキュートの設置場所はどこが最適?屋内に置ける?タイプ別や失敗しないための注意点を解説
エコキュートの設置場所を大きく誤ると、後悔や、隣人トラブルの原因になってしまうことがあります。エコキュートをどこに設置するかは、購入前によく考えておきましょう。
故障や寿命等を機に交換する方も、ぜひエコキュートの設置場所を見直してみてください。
この記事では、エコキュートの設置に関する基本から、設置場所の注意点まで詳しく解説します。
エコキュートは室外機を2つ設置する
まず覚えておきたいのが、エコキュートには室外機が2つあることです。それぞれの特徴を見ていきましょう。
ヒートポンプユニット
ヒートポンプユニットは、お湯を作る役割を持つ室外機です。CO2ヒートポンプ技術が使われているのが特徴で、ファンが回転して取り込んだ空気の熱を冷媒であるCO2に伝え、さらに圧縮することで生じる熱によって沸き上げを行っています。
外観はエアコンの室外機に似ており、サイズもほぼ変わりません。
稼働時には音が鳴るため、音を考慮して、設置場所を選定する必要があります。
貯湯タンクユニット
貯湯タンクユニットは、お湯を貯める役割を持つ室外機です。ヒートポンプユニットが沸き上げたお湯を貯め、シャワーや浴槽、台所の蛇口等に適切に供給します。
外観は縦長の直方体で、ヒートポンプユニットに比べると大きく、メンテナンスも必要です。
そのため、サイズやメンテナンス性を考慮した設置場所を選ぶといいでしょう。
設置に必要なスペースはタイプで変わる
エコキュートの設置に必要なスペースは、主に貯湯タンクユニットの形状で変わります。
貯湯タンクユニットの形状を分類すると、主に4タイプです。
なお、エコキュートの設置費用は、工事費込みで35~60万円程度が相場です。
価格の違いは、主に機種のグレードや機能によるものです。たとえば、省エネ性能が高いハイグレード機種であれば10~20万円、貯湯タンク容量が大きくお湯がたっぷり使える機種であれば1~12万円と、金額が変わります。
角型
角型は、一般的な貯湯タンクユニットの形状です。
主に戸建て住宅の設置を想定されており、メーカーや機種、貯湯タンクの容量等によってサイズは異なります。
後述する他のタイプと比べ、種類が豊富、貯湯タンクの容量が大きい、価格が安くなりやすい等の特徴があります。
例)
機種名 | 外形寸法(高さ×幅×奥行) |
---|---|
三菱 SRT-W376(370L) | 1820mm×630mm×760mm |
ダイキン EQ37XFV(370L) | 2175mm×630mm×730mm |
日立 BHP-F46TD(460L) | 2101mm×650mm×730mm |
パナソニック HE-S37LQS(370L) | 1810mm×600mm×680mm |
薄型
薄型は、スペースがない場所でも置けるように設計されています。
貯湯タンクユニットを真上から見ると、角型が正方形になっているのに対し、薄型は長方形です。
角型では設置できない場所でも、薄型なら設置可能なことがあります。高さは角型とほぼ変わりませんが、幅と奥行の割合を変えており、狭いスペースでも設置しやすくなっています。ただし、角型に比べ搬入の難易度は上がります。
例)
機種名 | 外形寸法(高さ×幅×奥行) |
---|---|
三菱 SRT-W376Z(370L) | 1900mm×430mm×1120mm |
三菱 SRT-S436UZ(430L) | 2150mm×430mm×1120mm |
ダイキン EQA46YFTV(460L) | 2173mm×1075mm×438mm |
コンパクト
コンパクトは、薄型よりも狭い場所に置けるように設計されています。
幅や奥行がすっきり細く、ワンルームアパートやマンションのような集合住宅、福祉施設にも設置が可能です。
貯湯タンクの容量は少人数向けです。メーカーによっては、エコキュートライトといった名称が使われます。
例)
機種名 | 外形寸法(高さ×幅×奥行) |
---|---|
三菱 SRT-S186D(180L) | 1830mm×630mm×430mm |
パナソニック HE-V20HQMCS(195L) | 1890mm×440mm×560mm |
ローボディ
ローボディは、高さを抑えて設計されています。
角型と比べると、高さが300~400mmほど低くなっています。
角型と同様のスペースは取れるものの、設置予定のスペースの上側に障害物がある場合に検討すると良いでしょう。
例)
機種名 | 外形寸法(高さ×幅×奥行) |
---|---|
三菱 SRT-B306DM(300L) | 1560mm×630mm×760mm |
パナソニック HE-C30LQES(300L) | 1530mm×600mm×680mm |
エコキュートは屋内に設置できる?屋内設置の例

エコキュートは、基本的に屋外に設置する想定で作られており、ヒートポンプユニットは必ず屋外に設置します。貯湯タンクも屋外設置が一般的となります。
しかし、漏水センサーやエマージェンシーストップ等を備えた屋内仕様のエコキュートであれば、貯湯タンクユニットのみ屋内に設置可能です。
ここでは、屋内設置できる場所について見ていきます。
集合住宅
アパートやマンション等の集合住宅では、以下のような場合に貯湯タンクを屋内設置することがあります。
- 貯湯タンクユニットをベランダに置くスペースがない
- 設置すると冬場に凍結が心配されるとき
この場合、貯湯タンクユニットは、屋内やパイプスペース等に設置します。
集合住宅の屋内設置事例はこちらから
寒冷地
冬場の気温が-25℃を下回るような寒冷地では、貯湯タンクを屋内設置したほうがよいときもあります。
なぜなら、積雪で埋もれたりすると、保温性能が低下するおそれがあるためです。
屋内設置することで、配管内を通る水の凍結を防ぎ、正常な運転をサポートできます。
寒冷地の屋内設置事例はこちらから
エコキュートの設置場所で注意すべきポイント

ここでは、エコキュート設置の際に注意すべきポイントを7つ、詳しく見ていきます。
後悔やトラブルを避けるためにも、確認しておきましょう。
浴室からできるだけ近い場所に設置する
エコキュートは、浴室から離れすぎない場所に設置するのがお勧めです。
浴室から離れすぎると、配管を延ばさなくてはいけません。配管を延ばせば、その分配管内でお湯の温度を奪われるため、お湯が冷めやすくなります。なんと湯温が数℃変わることもあります。
また、追い焚き機能搭載のエコキュートの場合、浴室から遠いと、エラーが出て追い焚きが利用できないこともあります。
「配管全長15m以下、曲がり箇所5か所以下」等、取扱説明書に書かれているメーカー指定にしたがって設置しましょう。
低周波音を考慮して設置する
ヒートポンプユニットは、低周波音も考慮して設置してください。
エコキュートを稼働させていると、「ヴーン」という約11~13Hzの低周波音が鳴ります。40db~50db程度の小さな音ですが、音に敏感な方だと気になることがあります。
音に敏感な方が寝付けないことがないよう、夜中に家族が過ごす部屋からは離すようにするのがお勧めです。
最近エコキュートの音が大きくなったと感じられる場合は、「エコキュートから騒音・異音?トラブル原因から防音・防振対策まで詳しく紹介」のコラムもチェックしてみてください。
寝室からは距離を取る
隣家と同様に、自宅の寝室からも距離を取って設置してみてください。
敏感な方は、時計の音や冷蔵庫の音でも気になってしまうものです。
上述した40db~50db程度の稼働音や低周波音も、夜中にずっと響いていると、気になってしまうかもしれません。特にエコキュートは、電気代の安い深夜帯の稼働が多く、ストレスになってしまうかもしれません。
一度設置するとエコキュートはなかなか動かせないため、寝室の近くは、どうしても設置場所がないというときの最終手段にすると良いでしょう。
隣家との距離を離す
ヒートポンプユニットは、隣家との距離もなるべく離すと良いでしょう。
エコキュートを稼働させていると、40db~50db程度の稼働音が鳴るためです。
40db~50dbは、図書館内やバスの車内程度の音ですが、夜中に稼働させていると隣家にも響くことがあります。
上述した低周波音もあるため、トラブルに発展しないよう、隣家との距離も考慮して設置を検討する必要があります。
狭い場所は避ける
ヒートポンプユニットは、狭い場所への設置はできる限り避けるのがお勧めです。
狭い場所に設置することで、エコキュートが発するわずかな音が反響し、大きく聞こえることがあるためです。
また、接するものが多くなるため、共振も起こりやすくなります。
共振は、振動が大きくなる現象で、振動しているものと固有振動数が近いものを近づけることで起こり得ます。
音が大きく聞こえ、場合によっては家全体が揺れている感覚を覚えることがあります。
反響音や共振を避けるためにも、ある程度の広さを確保し、近くに物を置かないようにしましょう。
メンテナンス用のスペースを設ける
エコキュートは、メンテナンス用のスペースも考えて設置する必要があります。
特に貯湯タンクユニットは、時折メンテナンスが必要です。
エコキュートの前方は人が通れる程度のスペースを空け、修理や交換も考えるのであれば、人が出入りしやすい場所に設置するのがお勧めです。
急湯デポは、搬出入が困難な場所にも設置した事例が多数あります。搬出入困難で他社に断られた工事でも、急湯デポなら受けられることがありますので、ぜひご相談ください。
搬出入が困難な場所への交換工事例は、こちらからチェックしてみてください。
隣家に冷風が当たらないようにする
ヒートポンプユニットは、できるだけ隣家に冷風が向かないように設置しましょう。
ヒートポンプユニットは運転時に外気より5~10℃低い冷風を排出します。風が当たるようだと、隣人が育てている植物が乾燥や寒さで枯れてしまったり、隣人が通る場所に冷風が当たって不快に思われてしまったり、ということがあり得ます。
風が当たって迷惑になりそうであれば、設置場所や方向を変えて設置するのがお勧めです。
まとめ
この記事では、エコキュートの設置場所について詳しくご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
エコキュートの室外機は、サイズやメンテナンス性、音や風等に注意し、業者に相談しながら設置場所を決めましょう。
設置スペースが足りない場合は角型以外、屋内設置が望ましい場合は屋内設置可能な機種を検討してみてください。
エコキュートの設置工事の手順や費用などを知りたい方は、「エコキュートの設置工事の手順は?注意点や費用についても解説!」もぜひ参考にしてみてください。
急湯デポでは、エコキュートからエコキュートへの交換を承っています。
多数のエコキュートを交換してきた実績があり、搬出入が困難な場合も対応可能です。
エコキュートの交換時には、ぜひ急湯デポにご相談ください。