エコキュートから騒音・異音?トラブル原因から防音・防振対策まで詳しく紹介
エコキュートの導入には多くのメリットがありますが、稀に「導入してから騒音や振動に悩まされるようになった」というトラブルが発生することもあります。
寛ぎの場であるはずの自宅内で騒音や振動に苦しめられるのは辛いですし、
それが原因で近隣トラブルに発展するようなことだけは、何としても回避したいですよね。エコキュートを快適に使用し続けるためにも、今回は騒音や振動の原因をしっかり探り、
その上でどのような事前対策ができるかを学んでいきましょう。
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エコキュートから出る騒音の正体とは
エコキュートの騒音レベルはどうなの?
騒音の原因を探るために、まずはエコキュート本体が発する音の大きさについて知っていきましょう。
一般的なエコキュートが稼働時に発する音の大きさは、平均で40db~50db程度と言われています。
90dB | パチンコ店内 |
---|---|
80dB〜 | ゲームセンター店内 |
70dB〜 | 航空機の機内 蝉の声 地下鉄の車内 従来鉄道の車内 主要幹線道路周辺(昼間) 新幹線の車内 |
60dB〜 | コーヒーショップの店内 バスの車内 ファミリーレストランの店内 博物館の館内 銀行の窓口周辺 |
50dB〜 | 役所の窓口付近 書店の店内 高層住宅地域(昼間) |
40dB~ | 美術館の館内 霊園(昼間) 戸建住宅地(昼間) 高層住宅地域(夜間) 図書館の館内 |
30dB~ | 戸建住宅地(夜間) ホテルの室内 |
環境省の「生活騒音パンフレット」によると、これに近い生活騒音を発するのは、「図書館の館内」や「書店の店内」などだそうです。
この2つはどちらも閑静なイメージが強い上に、エアコンの稼働音が60db程度と言われていることを考えると、エコキュート本体から発せられる音は、決して騒音と言えるレベルには達していないということが分かります。
エコキュートからはどんな音がするの?
通常のエコキュート本体が発する音は、文字にすると「ブーン」や「ウーン」、「カタカタ」や「カラカラ」、「グワン」などになります。
低くうなるようなモーターの駆動音が静かに響くのみで、騒音というほどの大きさではありません。
それでも騒音に感じやすいのは、閑静な住宅街に住んでいたり、エコキュートの設置場所に問題を抱えていたりするケースが挙げられます。
また、昼間と違って夜の音は響きやすいため、「夜間にお湯を出したら音がする…」というように気にしてしまうこともあるようです。
ただ、不具合や故障が原因で、騒音や異音が起きているケースも少なからずあります。実際に「エコキュートから騒音がするので見てほしい」と持ち込まれたケースでは、モーター部分に故障があり、稼働時に摩擦で「ピーピー」や「キーキー」といった耳に残る高い音がすることがありました。
いつもと違う異音をはっきりと感じられるのであれば、不具合や故障の可能性があります。故障かな?と思ったら故障のページもチェックしてください。
以下、三菱のエコキュートページにて、貯水ユニットの正常な動作音のサンプル音が確認できます。ぜひチェックしてください。
スクロール
状況 | 音の例 | 騒音レベル |
---|---|---|
給湯をしている時 | 「ウィーン、ウィーン」 | 「給湯または、湯はり開始時の混合弁の動作音」.wav 参考 ※給湯中、湯はり中も温度調整のため断続的に動作することがあります。 |
ふろ自動運転(通常湯はり)しているとき | 「ブー」、「ジー」 | 「浴槽に湯水がない場合のふろ循環ポンプの動作音」.wav 参考 |
「ブー」、「ジー」 | 「保温(追いだき)時のふろ循環ポンプの動作音」.wav 参考 | |
バブルおそうじ(ふろ配管自動洗浄)しているとき | 「カチッ、カチッ」 | 「バブル注水洗浄しているときの空気用電磁弁の開閉音」.wav 参考 |
主なエコキュートメーカー騒音レベル比較
では、エコキュートの音をメーカーで比較すると、違いはあるのでしょうか。
参考までにエコキュートの代表的なメーカーの騒音レベルを表にまとめると、以下の通りです。
メーカー | 370Lタイプ | 460Lタイプ | 500L以上 |
---|---|---|---|
パナソニック | 50db ~ 55db | 54db ~ 57db | |
三菱 | 51db ~ 56db | 55db ~ 58db | 57db ~ 60db |
日立 | 51db ~ 55db | 55db ~ 57db | 57db ~ 60db |
ダイキン | 51db ~ 57db | 53db ~ 58db | |
東芝 | 51db ~ 57db | 55db ~ 59db | 77db ~ 60db |
コロナ | 51db ~ 56db | 55db ~ 58db |
騒音レベルに幅があるのは、エコキュートの音が、時期によって微妙に異なるためです。
たとえば騒音レベル「50~55db」の55dbは、冬場の寒い時期に発する音になります。
大型の機種になると、冬場に60db前後になるものもありますが、エアコンの稼働音である60dbと同程度であり、エコキュート本体が発する音の大きさは騒音と呼べるレベルではないことが分かります。メーカーで比較しても大きな差はなく、どのメーカーだから騒音がする、ということもありません。どの機種でも、安心してご購入いただけます。
騒音の原因はヒートポンプユニットにあり!?
さて、エコキュート本体が騒音源ではないとするならば、人にとって耳障りだと感じる音は、一体どこから発せられているのでしょうか。
実はエコキュートに関する騒音問題は、大抵の場合ヒートポンプユニットが原因となっています。
実はヒートポンプユニットユニットには、運転時に低周波音(周波数が100Hz以下の音)を発する特性があり、その周波数は約12~13Hz程度だと言われています。
「数字で言われても、一体どれくらいの音なのか分からないよ!」という方は、
冷蔵庫から聞こえる「ブーン」という稼働音を思い浮かべてみてください。
ヒートポンプユニットから発せられる音も、その稼働音と同程度となっています。
このように聞くと、「なんだ、全然大した音じゃないじゃん!」と思う方もいるかもしれません。確かに日中であれば、他の生活音に紛れて気にならないかもしれませんが、問題は、「エコキュートは夜中に沸き上げを行う」という点です。
当記事を読まれている方の中にも、夜が更けて眠りに就こうとしたのに、冷蔵庫の稼働音が耳について中々寝付けなかった…といった経験のある方は多いのではないでしょうか。
ヒートポンプユニットの低周波音も同様に、気にならない人には気にならなくても、音に敏感な人にとっては安眠を妨げるほどの悩みの種となる可能性があります。
以下、三菱エコキュートのページにて、ヒートポンプユニット(室外機)の正常な動作音のサンプル音が確認できます。ぜひチェックしてください。
※これらの動作音は、ご使用時に発生する正常な音であり、故障ではありません。
スクロール
状況 | 音の例 | 実際の動作音 |
---|---|---|
わき上げをしているとき | 「コンコンコン」 | 「わき上げ開始時の膨張弁の動作音」.wav 参考 ※膨張弁(冷媒ガスの流量を調整する弁)の開度を補正する音が発生することがあります。 |
ふろ自動運転(通常湯はり)をしているとき | 「シャー」 | 「わき上げ終了時の冷媒ガス流動音」.wav 参考 ※膨張弁が開くことによって、冷媒ガスが流れる音が発生することがあります。 |
冬場の騒音は凍結や故障が原因の場合も
エコキュートが発する騒音に関してもう1つ付け加えると、時々「夏には騒音なんてほとんどしなかったのに、冬になってから急に変な音がするようになった!」というケースが報告されることがあります。
冬は夏に比べてお湯をたくさん使いがちなため、沸き上げの回数が増えるというのも騒音が発生する理由の1つですが、もし「いつもの稼働音と違うかも…」という音が聞こえてきた場合には注意が必要です。
特に寒さの厳しい寒冷地などでは、ヒートポンプユニット内に入り込んだ雪や水が凍結し、
それが原因でファンが回る際に異音が発生することがあります。
そのまま放置しておくと致命的な故障に繋がる可能性もあるため、もし「ブーン」といったような通常の稼働音ではなく「ガガガガッ」といったような異音がした場合は、すぐに沸き上げを停止した上で50~60℃程度のお湯をヒートポンプユニットに少しずつかけ、解凍を試みてください。
もし凍結が広範囲に広がってしまいお困りの場合には、各メーカーでも凍結に関する対処方法を教えてくれますので、各メーカーへお問い合わせしてみて下さい。
騒音が原因で起こりうるトラブル
低周波音の影響で健康被害!?
稀にではあるものの、場合によってはヒートポンプユニットが発する低周波音の影響から、体調を崩してしまう方がいるのも事実です。
消費者庁の調査で判明した、「低周波音による体調不良を訴えた人の主な症状」は、以下になります。
- 頭痛、腰痛、肩こり、耳鳴りなどの具体的な身体症状
- 不眠、睡眠不足
- 食欲不振
- 動悸や息切れ
- 倦怠感や不快感
- めまいやふらつき
また、エコキュートと木造家屋が共振することにより、地震が起こったあとのように僅かに揺れる感覚や、家全体が揺れているような感覚に見舞われることも稀にあるようです。
エコキュートの周波数は約12~13Hzで、木造家屋の固有振動数の4~8Hzと近くなっています。
いずれにしてもこれらの症状は、エコキュートの設置元である住宅の居住者に表れるケースが大半です。
しかし、設置住宅の近隣に暮らす住民に表れるケースもあります。
そして、もしそうなった場合には、ご近所トラブルに繋がる可能性もないとは言い切れません。ヒートポンプユニットの騒音をめぐるご近所トラブルに関しては、次の項目で詳しく述べていきます。
ご近所トラブル
前項目でも少し触れましたが、ヒートポンプユニットの騒音による健康被害が近隣にまで及んだ場合は、ご近所トラブルから訴訟問題にまで発展する可能性もゼロではありません。過去には実際に、低周波音の影響により不眠を訴えた地域住民が「省エネ型温水器(エコキュートだけでなく、家庭用燃料電池のエネファームも含む)」の所有者を訴えた事例もありました。
その事例では結果的に、所有者が省エネ型温水器を撤去する形で和解しています。
このように撤去、あるいは設置場所の変更で済めばまだ良いのですが、トラブルがヒートアップしてしまった場合には、撤去した上でさらに賠償金を支払う義務が生じるパターンもあります。
2019年や2020年といった比較的最近のデータには、エコキュートの騒音による訴訟は見当たりませんが、注意しておいて損はありません。
【トラブル事例1】運転音・振動により不眠等の健康症状が発生した
【事案の概要】
群馬県に在住するA氏(50歳代男性)は、平成21年2月頃、不眠、頭痛、めまい、吐き気 等を発症した。その後、同年5月頃、A氏の配偶者B氏(50歳代女性)も同じような症状を 訴えた。 「これらの症状は、隣家の敷地内(自宅から約2m離れた場所)に設置されている家庭用 ヒートポンプ給湯機から生じる低周波音と思われる 運転音・振動によるものである。」として、平成24年10月、A氏及びB氏は消費者安全調査 委員会に事故等原因調査等の申出を行った。
【トラブル事例2】新築による隣人トラブル
【事案の概要】
エコキュートヒートポンプとエアコン室外機の風が、庭にある物干しにあたると隣人からのクレーム。当方承認の上、HM(ハウスメーカー)全額負担で施工を行って欲しい。
エコキュートタンク、ヒートポンプ、室外機全てを移設してほしいとのことで、HMから隣人へ「基礎に穴開けが必要となり、強度・構造の問題もあるため現実的ではない」と回答したところ、隣人の方で業者を探すから施工するようにと言われた。
こういった事態を避けるためにも、エコキュートを設置する際は自分や家族の生活だけではなく、近隣に暮らす人々の生活に対してもしっかり配慮することが大切だと言えるでしょう。
2020年には環境省から、「省エネ型温水器から発生する騒音対応に関するガイドブック(ガイドライン)」が発行されており、自治体によっては「エコキュートの据え付けガイドブック」を用意している場合もあるため、自分たちで学ぶこともできます。
もし「我が家の設置方法はご近所さんに迷惑をかけないだろうか…」と不安になった場合は、1度環境省のホームページを調べることや、お住いの自治体まで問い合わせてみることをお勧めします。
次項でエコキュートの音が騒音に感じられやすいケースを確認していきましょう。
エコキュートの音が騒音に感じられやすいケースは?
自分たちが騒音に感じやすいケースは
周囲の環境が静かすぎる
近くに商業施設や飲食店もなく、交通量の多い道路や鉄道駅からも離れているといった、いわゆる「閑静な住宅街」に住んでいる場合は、夜間が非常に静かです。
エコキュートは深夜にお湯を沸かすように設定されていることが多く、静かな環境の中では稼働音が気になり、騒音として感じやすいでしょう。
設置場所が寝室から近い
先ほども触れた通り、エコキュートは主に夜間にお湯を沸かしています。
エコキュートの設置場所が寝室に近いと、エコキュートの稼働音が聞こえることがあります。夜間や寝る前ということもあり、気になって騒音のように感じやすくなるでしょう。
テレビのあるリビングや、音が気になりにくく滞在時間が短いトイレの近くに設置するなど、設置場所も検討してください。
エコキュートのような機械を使った経験がほとんどない(不慣れ)
特に使い始めた時期に多いのですが、エコキュートの音にそもそも慣れていないケースもあります。中には何も音のしない機械をイメージしていて、実際に使い始めてからのギャップを感じる方もいるようです。
エコキュートの運転音は大きいものではありませんから、数日生活をしていけばすぐに慣れるはずです。
騒音が気になりやすい場所に設置している(不安)
隣人トラブルへの不安から、エコキュートの音が大きく聞こえるケースがあります。
「場所をもっと隣家から離した方が良かったんじゃないか…」「夜間に運転するとうるさいんじゃないか…」と不安になり、実際の音よりも大きく聞こえてしまうのです。
エコキュートを設置した場所が隣家に近い場所だと、特に気にしてしまうことになるでしょう。あらかじめ設置場所を吟味しておくことが大切だといえます。
エコキュートの周囲に物を置いており、共振している
エコキュートは稼働時にファンが回転することから、微弱な振動があります。周囲に物を置いていると、振動数が近い設置物と共振を起こすことがあるため、注意が必要です。共振によってエコキュートや設置物の振動が増幅され、騒音に近しい音になることがあります。当然ながら、エコキュートに接するように物を置くのも良くありません。接している物とぶつかったり摩擦を起こしたりして、騒音に繋がることがあります。
窓や換気口から近い場所に設置している
エコキュートを寝室から離しているのに、なぜか音がよく聞こえる、というケースがあります。窓や換気口から近いところにエコキュートを設置していることが、直接的な原因になっているかもしれません。
窓や換気口のすぐ近くにエコキュートが設置されていると、隙間から運転音が直接入り込んでしまうため、音が室内に響くようになることがあります。窓を開けているときや換気扇を回しているときなどに限って気になるのであれば、可能性は高いと言えるでしょう。
壁や塀に囲まれた狭い場所に設置している
エコキュートを壁や塀に囲まれた狭い場所に設置していると、騒音に聞こえてしまうことがあります。
本来、音は四方八方に散るものですが、狭い場所だと音が跳ね返ります。メガホンのように、特定の方向に集中・増幅された音を聞くことになるため、騒音に感じられやすくなるのです。
壁や塀に使われている素材の振動数が、エコキュートの振動数に近い場合には、共振するおそれもあります。
エコキュート以外の室外機と近い場所に設置している
エアコンは、窓枠に設置するようなタイプでなければ、室外機が必要になります。こういった室外機とエコキュートが近い場所に設置されていると、騒音になるケースがあるため、注意が必要です。
単純に2つの稼働音が重なってうるさく感じるケースもあれば、共振によって音が増幅されて、より大きい音になってしまうケースもあります。
接地面積が増えたことによる錯覚
普段生活している分には気にならないのに、就寝しようと横になったときに限って、エコキュートの音や振動が大きく感じられる、というケースがあります。
これは、エコキュートが主に夜間にわき上げを行っていることも理由の一つかもしれませんが、そうでない場合は、人体の接地面積が増えたことによる錯覚の可能性があります。
接地面積が増えると、エコキュートの音や振動がよりはっきり感じられるようになります。床に布団を敷いて寝ているというケースで起こりがちですが、実際に稼働音が大きくなっているわけではありません。布団の位置を移動させれば解消されることがあります。
隣家に騒音と捉えられてしまうケース
エコキュートが隣家から近いと、騒音として捉えられるケースが増えてしまいます。
エコキュートの鳴らす小さな音であっても、自宅の近くで継続的に聞こえてくれば、気になってしまうことも、それがストレスに感じてしまうことも考えられるためです。
隣家の住民がゆっくりとくつろげるように、特に自宅が隣家と密接しているケースでは、エコキュート設置時に隣家との距離を気にする必要があるでしょう。
事前にできるエコキュート騒音対策
設置場所はしっかり吟味!
エコキュートの導入前、または交換前に設置場所をしっかり選定することこそ、騒音に対する最も効果的な対策と言っても過言ではありません。
設置場所の選定方法
エコキュートは夜間に沸き上げを行うため、なるべく就寝時に騒音に悩まされないためにも、寝室からできるだけ離れた場所を選ぶようにすると良いでしょう。
具体的には、寝室から10~15mほど離れた位置に設置することで、騒音と感じるリスクを下げることができます。
壁や塀に囲まれていない広い場所であれば、反響音や共振の心配も減らすことが可能です。
ただし、たとえ自宅の寝室からは遠くても、隣家の寝室に近い場所を選んでしまうと、前述したようなご近所トラブルが発生するリスクが上がってしまいます。
隣家の通気口や窓付近でも、隙間から音が伝わることがあるので、注意が必要です。
そのため、可能であれば事前に隣家を訪ね、間取りなども質問した上で、思い切って設置場所を相談してみるのも良いかもしれません。
または、道路側や、自宅の駐車場付近に設置するのも一つの手です。
「自宅の正面から見えない方がスッキリ見えるから」と無意識に除外してしまいがちですが、家の裏側に設置するよりも音が響かなくなることがあります。騒音トラブルを避けるための選択肢として、検討してみてください。
「隣家を訪ねるのは気まずいけれど、このままだといつまでも設置場所が決められない…」とお困りの場合は、お住いの自治体に問い合わせしてみてください。
設置時、設置後に確認すべきポイント
設置時や設置後には、下記のポイントも確認しましょう。
- ヒートポンプユニットの設置位置、向き、設置精度(水平が保たれている)
- 固定用の器具にズレや外れはないか
- 防振ゴムなどは適切に施工されているか
- 緩衝材に問題はないか
- 故障・部品トラブルはないか
- エアコンの室外機が近くにないか
- 周囲に壁がないか
- ゴミや汚れが溜まっていないか
- 隣家の間取りが変わっていないか
製品そのものは、改良が重ねられ、騒音が発生しないようになってきています。
設置方法に関するガイドラインの周知を徹底し、騒音の計測方式を業界全体で変更するよう取り組むなど、メーカーは騒音対策に積極的で、被害も少なくなりつつあります。
ですが、上記のいずれかに当てはまっていると、エコキュートの音が大きくなってしまうことがあるので、注意が必要です。
まずは、ヒートポンプユニット周りから確認しましょう。
ヒートポンプユニットの設置位置と向きの確認
事前に吟味した設置位置にあり、向きがおかしくないかを見ます。
設置位置は正しくても、ヒートポンプユニットの正面が寝室や窓、換気口などに向いていると、運転音が大きく感じられることがあります。
また、傾きがないことも大切です。設置精度が低い(水平に保たれていない)状態になると、ヒートポンプユニット内のファンも傾きます。
ファンが他の部品に干渉し、音が鳴ってしまうおそれがありますので、土台が揺らぐようであれば固定や補強を行いましょう。
傾いている原因は様々ですが、固定用の器具や防振ゴムなどが、ズレたり外れたりしているケースもあります。
接地面からの音の発生や、振動の増幅の原因になるので、固定具や防振ゴムについても適切に設置されているか確認してみましょう。
周囲の壁や塀を確認
稼働時に音が大きく感じられるようであれば、周囲に視野を広げてみましょう。
運転音の反響を招く壁とは、ある程度距離を置くことが肝心です。
離して設置したつもりでも、「レイアウトをスッキリ見せたい」という無意識がはたらき、若干壁に近づけて設置してしまっている可能性もあります。
エアコンの室外機が近くにあれば、音の重なりや共振によって、うなり音が発生しているかもしれません。
近隣まで音が反響していると感じられるのであれば、塀がエコキュート本体よりも低くないかといったこともチェックすると良いでしょう。
数年設置しているのであれば、綺麗で問題なく動いていた初期とは違い、変化が見られることもあるはずです。
たとえば、数年も経つとヒートポンプユニットの貯湯タンク内にゴミや汚れが溜まり、予期せぬ音が発生することがあります。
また、自宅と隣家が近いケースでは、隣家の住民がエコキュートの正面側に物を設置してしまったために、反響や共振を起こしているケースも稀にあります。
隣家がリフォームをして間取りが変わったり、寝る場所がエコキュートの近くの部屋に変わったりした場合には、隣家の住民がエコキュートの運転音を大きく感じることもあるかもしれません。
これらの項目を確認しても音が変わらないのであれば、故障や部品トラブル、緩衝材の不良など、様々な要因が考えられますので施工業者へお問い合わせしてみてください。
防音・防振グッズを活用する
近年では、様々な防音・防振グッズが登場しています。ヒートポンプユニットが発する音が騒音に感じられる、または騒音と連動して発生する振動が気になる場合には、活用を検討しても良いでしょう。
代表的なものを挙げると、ヒートポンプユニットに張り付けて音の拡がりを抑える「防音シート」、ヒートポンプユニットの下に敷いて振動を抑える「緩衝材パッド」、エコキュート全体を囲む「防音壁」などがあり、その種類は多岐に渡ります。
これらのグッズはホームセンターやインターネットストアで簡単に購入できますが、安価だからと言って簡易的なものを選んでしまうと、効果を実感できないばかりか、物によっては騒音をより増幅させてしまう恐れがあります。
「何を選んでよいか分からない…」とお困り場合は、専門業者とよく相談した上で、お住いの環境に合ったグッズを選定すると良いでしょう。
定期メンテナンスを行う
エコキュートから騒音や異音が聞こえるのは、どこかに不具合や故障が生じているケースも少なくありません。
そのため、定期的なメンテナンスを行うことも、エコキュートの騒音対策に繋がりますのでご紹介させていただきます。
ふろ循環アダプター・・・湯はりごとの手入れ
ふろ循環アダプターが汚れていると、湯はりなどの機能が正しく動作しなかったり、汚れが浴そうに流れ出たりすることがあります。こまめにお手入れしてください。
リモコン・・・・・・・・こまめにお手入れ
リモコンの表面は、湯アカや石けんカスで汚れ、時間経過とともに落ちにくくなります。
また、コロナなどのメーカーには人感センサーがあり、汚れてしまうと反応しなくなることがあります。こまめにお手入れしてください。
時刻表示・・・・・・・・月に1度は確認
リモコンの時刻表示が現在時刻になっていないと、電気代の安い時間帯にわき上げがされず、電気料金が割高になる場合があります。月に1度は確認してください。
漏電遮断器・・・・・・・月に1度は動作を確認
万一漏電したときに電気を切る安全装置です。動作を月に1度は確認してください。確認後は操作カバーを閉じてください。開けたままの使用は、漏電や感電の原因になります。
逃し弁・・・・・・・・・年に2~3度は動作を確認
「沸き上げ」や「沸き増し」時に、タンクのお湯の膨張水を排出し、タンク内の圧力上昇を防ぐ安全装置です。4~6ヶ月に1度は動作を確認してください。
貯湯タンク・・・・・・・・・年に2~3度は排水を実施
タンク内底部には、使用にともない、湯アカなどの沈でん物がたまります。ヒートポンプユニット・貯湯タンクに汚れが溜まっていると、故障の原因につながる他、通常の綺麗な状態よりもわき上げの際にパワー・時間が必要になり、電気代が高くなることがあります。
4~6ヶ月に1度のペースで、タンクのお湯(水)を2分ほど排水して除去してください。
ふろ追いだき配管・・・・湯はりごとに自動洗浄、半年に1度は循環洗浄
ふろ追いだき配管は、湯アカなどの汚れが溜まるため、半年に1度はお手入れ(洗浄)が必要です。
配管全体・・・・・・・・年に2~3度は点検
水やお湯が漏れていないか、4~6ヶ月に1度は保温材が傷んでないかを点検してください。特に集合住宅(マンション)で水やお湯の漏れは、階下に被害を及ぼします。また、水漏れが発生している場合、水道代が高くなることがあります。
浴槽の循環口のフィルター・・・清掃を怠ると汚れが溜まり、詰まりや故障の原因になります。
他にもメーカーのパンフレットやホームページには、自分でできる定期メンテナンスの方法が記されていますから、ぜひ確認してください。
また、2~3年に1度はエコキュートを取り扱いに長けた業者に依頼をして、細かなメンテナンスを依頼するのもお勧めです。
専門家であれば、自分たちでは気づかない箇所や、触ることができない部分までしっかり見てくれます。
夜間の使用(わき上げを停止)を控えることも検討する
エコキュートの騒音トラブルを防ぐために夜間わき上げを停止するという選択肢もあるかと思いますが、エコキュートは電気料金が安くなることがエコキュートの売りの1つですので、弊社としてはあまりお勧めできません。
安くなる仕組みとして、深夜電力と一般的に言われる電気料金が安くなる時間帯にわき上げを行うことで節約の手助けをしています。エコキュートには消費者のライフバランスに合わせてわき上げを行う時間を機械学習する機能があり、規定の時間(深夜帯)のわき上げを下手に休止すると、ご利用状況によっては湯切れを起こし、割高な昼間の電気代で沸き増しするデメリットがあります。
各メーカーの深夜間のわき上げに関する機能(節約)
メーカー | 機能名 |
---|---|
パナソニック | 「おまかせ節約」 |
三菱 | 「おまかせ」(初期設定モード) |
日立 | 「おまかせ節約」 |
ダイキン | 「おまかせモード」 |
東芝 | 「おまかせ」 |
コロナ | 「おまかせ省エネ」 |
しかし、既にエコキュートに関して苦情がきているのであれば、夜間の使用(わき上げを停止)を控えることも、近隣トラブルを避けるための一つの方法と言えるでしょう。
商業施設や大きな道路などがない閑静な住宅街に住んでいる場合、夜間の音は気になりやすいものです。
電気料金が安い夜間にお湯を沸かせるという、エコキュートのメリットが一つ失われるためあまりお勧めできませんが、訴訟問題まで発展すれば、より多くの費用や時間を取られることになります。
本格的なトラブルに発展する前に、稼働する時間帯をずらすことを検討してみてください。
まとめ
今回はエコキュートに関する騒音問題について見ていきましたが、騒音で体調を崩される方や訴訟問題にまで発展される方は、実際にはごく僅かです。
それでも、自分にとっても近隣の方々にとってもノンストレスなエコキュートライフを送るためには、できる限りの配慮と事前対策をしておくに越したことはないと言えるでしょう。
自分たちや隣家がエコキュートの音を騒音として捉えてしまう理由や、騒音対策としてはどのようなものがあるのかなどを詳しくご紹介いたしました。
より多くの人が快適にエコキュートを使用できる世の中づくりに貢献するべく、急湯デポは今後もエコキュートに関する情報のアップデートを続けてまいります