エコキュートの脚が錆びる、錆が出る症状は危険信号!?対処法も解説

一般的にエコキュートは、設置から約10~15年後には寿命を迎えると言われていますが、「我が家のエコキュートはまだまだ現役で使えそうだから大丈夫!」と交換を先延ばしにされる方も少なくありません。 
しかし、給湯システムに大きな問題が起きていなかったとしても、10年以上使用したエコキュートの各部分は確実に経年劣化しています。 
経年劣化の代表的な症状は、エコキュート脚部の錆、腐食です。 
エコキュートの外装や、貯湯タンクの外側にも見られることもあります。 
これは使用方法に関係なく、長年エコキュートを使用していれば十分に起こりえることです。 
経年劣化により発生した錆は、放置していると倒壊のリスクがあるため非常に危険です。 
今回は、エコキュートの錆に関するトラブルと対処法について、詳しくご紹介します。

目次

エコキュートに錆が発生するとどうなる?

エコキュートの脚部や貯湯タンクの外装が錆びても、機能面では何も問題ありません。しかし、脚部の錆をそのまま放置すると、倒壊による事故や怪我を引き起こす恐れがあります。  
製品によっては満タン時に500kg以上もの重さになるエコキュートが倒れてくることの危険性は、想像に難くありません。  
また、貯湯タンクの錆は倒壊に影響しないものの、錆が内部まで浸食した場合は給湯システムに異常をきたす恐れがあります。  
エコキュートの寿命は約10~15年の為、10年以上使用しているエコキュートは交換推奨時期になります。  
錆によって壊れた部分を修理しても、他の部分が連鎖的に壊れてしまうこともあります。交換の方が安く済む場合が多いため、交換を検討してみてはいかがでしょうか。

エコキュートに錆が発生する原因

エコキュートは錆びにくい仕様になっていますが、以下の様なケースの場合、通常よりも錆が発生しやすい状態になってしまいます。  
詳しく解説しますので確認していきましょう。

脚部の錆:脚部カバーが取り付けられていない

エコキュートに脚部カバーが取り付けられていない場合、錆が発生しやすくなる場合があるため注意が必要です。  
脚部カバーは、錆の原因となる汚れや雨水、潮風等から脚部を保護するパーツです。  
脚部カバーがなくてもエコキュートは稼働しますが、脚部が錆びてしまうことで倒壊してしまうリスクを軽減できるため、設置をおすすめします。

急湯デポのエコキュートの表示価格は、脚部カバー込みのお値段となっています。オプションで脚部カバーを購入する必要がないためご安心ください。

脚部の錆:周囲に物が置かれていて湿った状態になっている

エコキュートの取扱説明書には、ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットの付近に物を置かないように注意書きがされています。  
貯湯タンクユニットの周囲に物が置かれていると、湿気が溜まりやすくなるためです。  
脚周りの金属が常に湿った状態では酸化反応が起こりやすく、錆の発生を早めてしまうでしょう。  
また、ヒートポンプユニットの周囲に物を置くと、エコキュート本来の性能が発揮できなくなり、故障のおそれがあります。

貯湯タンクの錆:下水からガスが逆流している

稀に下水から逆流してくるガス(消化ガス)によって、貯湯タンクに錆が発生することがあります。  
本来なら、消化ガスが逆流してくることはありません。  
下水に排水される場合は、ガス逆流防止の排水トラップが設置されるためです。  
しかし、業者の施工不良で排水トラップが取り付けに不備があった場合、消化ガスが逆流してしまうことがあります。消化ガスによる錆は、最悪のケースでは貯湯タンクに穴が開いてしまうこともあります。  
こういった施工不良による錆・故障は、設置業者側のミスの為、お客様側の費用負担がないことがほとんどです。  
もし、消化ガスの逆流を確認した場合は、設置業者に連絡しましょう。

外側全体の錆:地域に合ったエコキュートを使用していない

地域に合ったエコキュートを使っていないことも、錆を発生させる原因になります。  
お住まいの地域によっては、塩害地仕様エコキュートの使用が推奨されています。  
例えば、塩害地仕様のエコキュートには、全体に防錆加工が施されています。  
潮風による錆が発生しにくくなっているため、海に近い地域にお住まいであれば、塩害地仕様を使った方が錆びにくくなります。

また、地域に合ったエコキュートを使用しないと、電気代がかさんだり、保証を受けられない場合があるため、注意が必要です。

脚部分の腐食や劣化はエラーコードで表示されない

エコキュート内部のトラブルは、リモコンにエラーコードとして表示され、故障箇所がある程度特定できるようになっています。  
ただし、脚部分の腐食や劣化は、エラーコードとして表示されません。  
気になる場合は、まず設置者様ご自身で脚や外側の状態を確認する必要があります。  
そして、錆または腐食が見つかった場合は、専門業者に依頼してエコキュートの本体ごと交換することをお勧めします。

「わざわざ交換しなくても、劣化している部分だけ修理すれば良いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、錆は経年劣化を知らせる危険信号です。  
経年劣化したエコキュートはたとえ一部を修理してもまた別の部分に不具合が出る可能性が高いため、思い切って機種ごと交換した方がランニングコストは削減できると言えます。

何より10年以上経てばエコキュートの性能も省エネ性も飛躍的に向上しており、また保証内容も一新されるため、古い機種を十何年も使い続けるよりは交換した方が結果的に多くのメリットを得られるはずです。

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エコキュートの内部に錆が発生することもある?

長く使っているエコキュートであれば、内部に錆が発生し、お湯に混ざって出てくることがあります。  
内部に錆が生じる原因は、主に2つです。

考えられる原因①:配管に問題があって錆が発生

エコキュートにつながる配管には、給水配管(水道配管)や給湯配管、風呂配管(追い焚き配管)などがあります。

現在は減っていますが、2000年以前に設置された古い配管だと、銅管のような金属管を使用していることが多いです。  
銅は水によって腐食し、緑青(ろくしょう)と呼ばれる錆が発生してしまいます。この錆がお湯に混ざってしまうとお湯が青みがかってしまいます。  
必要に応じて配管を交換するか、配管内部にフィルターを設置する必要があります。

また、お湯に黒いゴミが混ざることもあるかもしれません。  
黒いゴミは、消耗品のパッキンが劣化し剥がれたものであり、錆ではないケースがほとんどです。パッキンを新しいものに交換すれば、すぐに解消されます。

考えられる原因②:「ストレーナー」が詰まって錆が発生

「ストレーナー」の詰まりも、錆が混入する要因の1つです。  
エコキュートの給水口には、異物混入を防ぐストレーナーがついています。  
ストレーナーは網状のフィルターになっており、銅配管の錆をはじめとする異物の混入を防いでくれます。  
しかし、長らく放置されたストレーナーは、異物が溜まった状態です。  
異物が水流により削られたり、擦れて細かくなったりすると、やがてフィルターを貫通します。  
フィルターの役割を果たせず、細かな錆がお湯に混入してしまうことがあるのです。  
ストレーナーの詰まりはお湯の出を悪くする他、故障の原因にもなるため、定期的にメンテナンスをしましょう。

エコキュートから錆が出るときの対処法

エコキュートのお湯に錆が混じっている場合、配管に原因があります。  
配管洗浄機能などで洗浄しても、錆・黒いカスが混入してしまうなら配管の交換を検討しましょう。  
エコキュート内部に残った錆まで取り除けば、清潔なお湯を使えるようになるはずです。  
なお、錆を取り除く作業の一部は、設置者様ご自身でも可能です。  
錆が出る場合の対処として、貯湯タンクのお手入れや、ストレーナーの清掃を試してみてください。

貯湯タンクのお手入れ

貯湯タンクのお手入れは、内部に溜まった錆やゴミを排出するために行います。  
今回は、例としてダイキン製エコキュートの貯湯タンク内部の洗浄方法をご紹介します。

1.漏電遮断器を「OFF」にして、給水止水栓を閉める  
※給水配管の途中に給水止水栓が設置されています。
2.逃し弁レバーを上げる
3.排水栓を「排水」側に合わせて、約2分間排水をおこなう  
※約2分でタンク底の汚れが押し流されるため、全量排水する必要はありません。  
また、排水栓が2箇所取り付けられたタイプもあります。
4.排水が終わったら排水栓を「通常」側に戻して、給水止水栓を開ける
5.排水ホースからお湯(または水)が連続的に出るまで待つ  
※空気の混じったお湯ではないことを確認しましょう。
6.逃し弁レバーを下げ、漏電遮断器を「ON」にする

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この作業によって、貯湯タンクの底に溜まった錆やゴミなどを排出できます。  
ダイキン製エコキュートだと、半年に1回が推奨されています。  
ただ、お手入れ方法は、メーカーや製品によって異なります。  
取扱説明書やメーカーホームページなどをチェックして行ってください。

ストレーナーの清掃

ストレーナーの清掃は、詰まりや錆の貫通を防ぐためにおこないます。  
錆が出ていなくても、ストレーナーの清掃は、少なくとも年に1回は行うのがお勧めです。  
取扱説明書やメーカーホームページをチェックし、必要に応じて、ドライバーやモンキーレンチ、柔らかいブラシやタオルなどの道具を準備してください。  
ストレーナーの基本的な清掃方法は下記です。

手順作業内容
1貯湯タンクの下部から、脚部カバーを外す。  
(ドライバーを使えば、簡単に外せる製品がほとんどです)
2給水配管に取り付けられた「給水栓(給水配管専用止水栓)」を閉める。
3ストレーナーを取り外す。  
(メーカーや製品によって、ストレーナーの位置や取り外し方が変わり、ドライバーやモンキーレンチが必要なことがあります)
4ストレーナーに付着したゴミや錆を、柔らかなブラシやタオルで丁寧に取り除く。
5これまでの作業を逆順に行い、エコキュートの状態を元に戻す。

ストレーナーの掃除も、貯湯タンクと同じく専門的な技術は必要ありません。  
初めてでも、問題なくお手入れをおこなえるでしょう。

どうしても錆が出るときは、業者に交換を依頼

配管の交換やエコキュートのお手入れもしても、錆や黒いカスが混入してしまうことがあります。  
古いエコキュートは貯湯タンクの材質も古いため、タンク内部が錆びている可能性があります。  
エコキュートから錆が出てしまうようであれば、業者にエコキュートの交換を依頼しましょう。  
近年の製品は、貯湯タンクにステンレスが採用されています。  
また、樹脂製の配管が使われていることもあり、全体的に錆が発生しにくい構造です。  
新しいエコキュートに交換すれば、錆の悩みが解消されるだけでなく、現行機種のエコキュートは昔発売されていたエコキュートに比べて高機能のため、毎日のバスタイムがさらに充実するかと思います。

なお、交換後は、貯湯タンクのお手入れやストレーナーの清掃も定期的に行うと長い期間使用できるでしょう。  
これらの作業で、錆や鉄が原因で起こるステンレスの「もらい錆」まで防げるはずです。

まとめ

エコキュートの錆トラブルと対処法について詳しくご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。  
エコキュートの寿命は10~15年ほどと言われますが、10年経っていなくても、経年劣化で錆が発生しているようであれば交換推奨の合図の1つです。  
とくに脚部の錆は、エコキュート倒壊のリスクがあります。  
貯湯タンクの錆も穴が開くリスクがあり、内部の錆も清潔なお湯が使えなくなる他、故障の恐れがあります。  
そのため、古いエコキュートや配管に錆が確認できるようであれば、修理ではなく交換がお勧めです。  
「今のエコキュートを設置してもう10年以上経つ」「最近エコキュートの脚元がガタついて気になる」という方は、どうぞお気軽に当社までお問い合わせください。

長年の経験と実績を活かし、ご相談から交換工事まで丁寧に対応させていただきます。

この記事を書いたのは

施工管理部 大阪施工センター長

仲井 康朗

施工管理者 仲井 康朗 です。

給湯器工事に携わって10年。日々エコキュートの施工管理を行う傍ら、お客様にエコキュートの情報をお伝えする当ブログの監修もしています。

保有資格

  • 北海道 / ⻘森県 / 第二種電気工事士免状 第 164447号
  • 液化ガス設備士免状 大阪府 142762005【LPG】
  • ガス簡易内管施工士資格証 15990024【都市ガス】
  • ガス可とう管接続工事監督者講習修了証 27130129【都市ガス】県 / ⼭形県 / 島根県 / 沖縄県

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