
エコキュートの交換で外壁に穴あけ⁉ 工事不要の「セミオート」の魅力を解説
エコキュートにはフルオート、セミオート、給湯専用の3種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。追い焚き機能が使えるフルオートタイプのエコキュートにしたいというお客様は多いですが、セミオートからフルオートに交換するためには外壁の穴あけ工事が必要です。たとえ追い焚き機能がなくともセミオートのメリットもあるので、きれいな家の壁にわざわざ穴をあけてまでフルオートにするというのは考えものです。そこで今回は、セミオートタイプのエコキュートの魅力について解説します。
エコキュートの種類
エコキュートは大きく3つの種類に分けられます。
フルオート

お湯はりから足し湯、保温など全てまるごと全自動でこなしてくれるタイプ。追い焚き機能が付いているのが大きな特徴で、浴槽のお湯をタンクに戻してお湯を温め直します。
セミオート

自動でお湯はりができるタイプ。たし湯や高温さし湯も自動で行えますが、追い焚きはできません。
給湯専用

蛇口をひねって給湯するタイプ。穴あけや配管工事が不要で、設置が簡単なのが特徴です。
セミオートタイプのメリット
追い焚きができるフルオートとセミオートのエコキュートの違いは、タンクと浴槽を繋ぐ「ふろ配管」の数にあります。

浴槽内のぬるくなったお湯をタンクに戻して温め直すフルオートタイプには2本の配管(往き・戻り)があるのに対し、浴槽からタンクにお湯を戻すことのないセミオートは1本のみです。そしてこれがセミオートのメリットに繋がります。
配管が汚れにくい
セミオートタイプのエコキュートには戻りの配管がないので、フルオートタイプに比べて配管が汚れにくいのが魅力です。メンテナンスが大切なエコキュートの配管のなかでもとくに汚れやすいのが、フルオートタイプで追い焚きに使う「ふろ配管」。一度人が浸かったお湯を浴槽からタンクに戻すため、皮脂や湯垢、髪の毛のほか大腸菌や黄色ブドウ球菌といった雑菌も配管内に流れ込んでしまうのです。汚れた配管の中は雑菌の温床になりやすいので注意が必要です。
好きな入浴剤が使える
フルオートのエコキュートは入浴剤の使用が非推奨で、生薬タイプや乳白色系の濁ったタイプの入浴剤、硫黄・酸・アルカリ・塩分などの温泉成分が入っている入浴剤は使うことができません。それ以外の入浴剤も、メーカーごとに使える入浴剤が制限されています。もしメーカー非推奨の入浴剤を使用して故障した場合は、メーカー保証が受けられなくなる可能性が高いので注意が必要です。これに対しセミオートのエコキュートは入浴剤の制限がないので、入浴剤にこだわりたいという人にはセミオートがおすすめです。
ランニングコストがお得でエコ!
追い焚きや保温の機能がないセミオートは、さし湯でお湯の温度を調整します。その分たくさんお湯を使うことになると思われがちですが、フルオートでもセミオートでも使うお湯の量はほとんど変わりません。

フルオートの追い焚きは浴槽内のぬるくなったお湯をふろ配管からタンクに戻し、タンク内のお湯と熱交換をすることで温め直すという仕組みです。ダイレクトにお湯を入れるセミオートのさし湯と比べると熱交換の効率はかなり悪くなります。仮に二日目のお湯を沸かし直す場合、新たにお湯をためなおすのと使うお湯の量は変わらないのでフルオートでは保温以外使わない方がお得です。
対するセミオートは新しくお湯を入れる分の水道使用量は増えますが、使用する電気量が圧倒的に少ないためランニングコストが安くなりお得です。
交換時に増設工事が不要
現在セミオートのエコキュートを使用しているご家庭でフルオートのエコキュートに交換する場合は、ふろ配管の増設や循環アダプターの交換、外壁の穴あけなど追加工事が必要になります。施工費用の追加料金は、循環アダプターと配管の交換だけで3~4万円、外壁の穴あけも行う場合は4~6万円程度が目安です。また、ユニットバスのエプロンが外れなかったり循環口が奥にあって作業できなかったり条件が合わない場合は、交換できない可能性もあります。
当社ではセミオートからフルオートへの交換工事も可能な限り対応していますが、きれいな家屋に穴をあけてわざわざフルオートのエコキュートに交換するのはあまりおすすめしていません。
セミオートのエコキュートも使い方によって省エネ性能が高く、配管が汚れにくいなどメリットもあります。当社ではセミオートタイプのエコキュートも多数在庫を用意しているので、交換をご検討の際はお気軽にご相談ください。