エコキュートを太陽光発電と連携して電気代を節約!メリットとデメリット、導入方法まで解説

近年、電気代を含む光熱費の値上がりが心配される方が増えているのではないでしょうか。 2024年1月には、東京電力や中部電力等の大手電力会社が電気代の値上げを発表しており、今後もそのようなことが続く可能性があります。

電力コストを抑える方法の一つとして、エコキュートと太陽光発電システムを組み合わせてコストを削減することが効果的だと考えられます。
この記事では、エコキュートと太陽光発電システムの連携が可能かという基礎的な部分から、組み合わせることによるメリットとデメリット、導入方法まで、詳しくご紹介します。

目次

エコキュートとは?

エコキュートは、電気を使ってお湯を沸かす、貯湯式の電気給湯器です。
従来の電気温水器は、タンク内のヒーターでお湯を沸かしていました。
一方、エコキュートは、取り入れた自然冷媒(大気)を圧縮することで熱を生み、お湯を沸かしています。
大気熱と電気を使うため、電気だけで沸かす電気温水器よりも、効率良く沸き上げられるのが特徴です。
さらに、貯湯式というメリットを活かし、電気代が安い時間帯を選んでまとめて沸き上げられるため、給湯にかかる光熱費をお得にできます。

エコキュートが太陽光発電と連携できるって本当?

エコキュートは、対応機種であれば太陽光発電システムと連携可能です。
太陽光パネルの普及が進み、エコキュートの主要なメーカーからは、太陽光発電システムと連携できる様々な機能をもったエコキュートが販売されています。
連携することで、元々電気代がお得なエコキュートをさらに節約して使えます。

近年では、太陽光発電システムとの連携を強化した「おひさまエコキュート」のような製品も登場しています。
エコキュートと太陽光発電システムの利用を考えている方には、ますます良い環境が整ってきていると言えるでしょう。

エコキュートと太陽光発電を連携させるメリット

  • 自家消費できるため電気代の節約に
  • 省エネで効率的にお湯を作れる
  • 補助金を受け取れることがある
  • 余剰電力の使い道に選択肢ができる

自家消費できるため電気代の節約に

太陽光発電システムと連携させ、余剰電力で沸き上げることで、電気代を抑えられます。
少し前までのエコキュートは、電気代が安い深夜帯にのみ、お湯を沸き上げていました。
安いとはいっても、毎日の給湯の光熱費が気になっていた方も多いのではないでしょうか。
しかし、余剰電力を自家消費で利用すれば、その分の電気代は発生しません。
天気予報で晴れと予測される日や日射量が十分な日は、夜間と日中に沸き上げを分散して行うことができます。
夜間の沸き上げと太陽光発電を利用した日中の沸き上げを組み合わせることで、電気代をさらに節約できます。

省エネで効率的にお湯を作れる

エコキュートと太陽光発電システムの連携で、より効率的にお湯を作れます。
エコキュートは大気熱を利用してお湯を沸かす仕組みを採用しています。
そのため、大気が暖かいほど効率的にお湯を沸かせることができます。特に、昼間は夜間よりも沸き上げに適していると言えます。
さらに、太陽光発電システムと連携することで、日中にも効率よくお湯を沸かすことが可能です。この方法は、エコキュートだけでお湯を作る場合よりも省エネ効果が高まります。

補助金を受け取れることがある

2024年には「給湯省エネ事業2024」が実施され、省エネ性能が高いエコキュートの設置に対して、8万円から最大18万円の補助金が提供されています。
対象となるのは、翌日の天気予報に基づいて昼間にお湯を沸かす機能がある機種や、CO2排出量が少ない性能基準を満たす機種や「おひさまエコキュート」など、交換をご検討の方にとって、非常にお得なチャンスです。

エコキュートに関する補助金については、「【過去最高】80,000円から最大180,000円!エコキュートを今交換すれば大幅にお得!」の記事で詳しく解説しています。
興味がある方はそちらもぜひチェックしてください。

余剰電力の使い道に選択肢ができる

エコキュートとの連携により、余剰電力の利用方法が広がります。
これまで多くの人が太陽光発電で生成された余剰電力を売電していましたが、2019年から固定価格買取制度(FIT)の適用終了が始まり、売電価格が徐々に低下しています。
その結果、売電よりも自家消費の方がお得だと考える方も多いでしょう。
エコキュートと連携させることで、余剰電力をさまざまな用途に活用し、その効果を最大限に引き出すことができます。
また、蓄電池に電気を蓄えたり、PHV車の充電を行ったりすることも、太陽光発電ならではのメリットと言えるでしょう。

エコキュートと太陽光発電を連携させるデメリット

導入費用がかかる

エコキュートを太陽光発電システムとの連携を考えたとき、デメリットと感じるのは導入費用でしょう。
太陽光発電のパネルと、太陽光発電システムに対応したエコキュート等を購入しなければなりません。
また、設置する機種によっては周辺機器も必要なため、初期費用は高くなりがちです。
ランニングコストが安くなるとはいえ、一時的な出費が増えてしまうことに、ハードルの高さを感じるかもしれません。

太陽が出ていないと日中に発電できない

太陽光発電システムは、太陽が出ていないと発電できません。
エコキュートの機種によりますが、日中の沸き上げ設定は、天気予報や日射量予報を参考に手動もしくはAIが自動で行います。
天気予報や日射量予報が外れた場合は、電力会社から電気を購入して沸き上げなければならず、コストが高くなることもあります。
また、発電できても、余剰電力が規定量を上回らなかった場合は、日中の電気代で沸き上げとなってしまいます。
天気が不安定な時期が続くと、この点をデメリットとして感じてしまうことがあるかもしれません。

設置にはスペースが必要

太陽光発電パネルもエコキュートも、設置スペースが必要です。
太陽光パネルは基本的に屋根に設置しますが、日光を遮る建物がある場合や、南向きに設置できない場合、十分なスペースがない場合は設置ができないことがあります。
エコキュートの場合は、2つの室外機を敷地内に設置する必要があります。
家の周囲に置くスペースがない場合や、稼働音が近隣に響くような箇所には設置できないことがあります。
設置したくても設置できないケースがあることは、デメリットといえるでしょう。

蓄電池がない場合は停電時に困ることも

蓄電池がないと、停電時に不便を感じることがあるかもしれません。
エコキュート内の水やお湯は、非常時には衛生的に推奨されていませんが、太陽光発電システムがあれば停電中でも日中に電気を利用できます。
これにより、晴れた日には断水がない限り、エコキュートでお湯を沸かすことが可能となり、安全性が高まります。

ただし、夜間や日中から夜にかけて長時間の停電があった場合、夜にお湯を沸かすことはできません。非常時でも夜間も電力を確保できるよう、蓄電池の導入が有効です。これにより、いつでも必要に応じてお湯を使用でき、安心して生活できるようになります。

エコキュートと太陽光発電の導入方法

エコキュートと太陽光発電システムを連携させる方法は、メーカーによって異なります。
ここでは、導入の仕方や、昼間の沸き上げを行う方法、対応機種等を見ていきます。 
おひさまエコキュートに関しては「おひさまエコキュートとは?メーカー別の特徴・価格の違いを徹底解説!」で詳しく解説してますので併せてそちらをチェックしてください。

ダイキン

ダイキンエコキュートは、搭載機種によって「昼間シフト機能」を利用でき、太陽光発電システムと連携することができます。

この昼間シフト機能により、お湯の必要量を夜間と昼間に分けて効率よく沸かすことができます。

たとえば、2022年以降に発売されたW型では、メニューボタンを押すことで昼間シフトの設定画面が表示されます。
ここからは、毎日または特定の日だけの設定、開始時刻や終了時刻などの細かい調整が可能です。
なお、2021年モデルのV型では設定画面が異なり、1日単位での設定のみ可能です。

2022年以降の機種は「Daikin Smart APP」というスマートフォンアプリにも対応しています。このアプリを使えば、「昼間シフト天気予報連動」機能を活用でき、天気予報に基づいて自動で沸き上げの時刻や量を調整することができます。

対応機種:V型(2021年モデル)以降の機種 ※V型、W型、X型等、2023年モデルは全機種対応

参考 ダイキン「便利|エコキュート」

三菱

三菱エコキュートは、搭載機種であれば「お天気リンクEZ」とスマートフォンアプリの「MyMU」を使用して、太陽光発電システムと連携します。
使用するためには、スマートフォン、インターネット回線、WPS対応のルーター、無線LANアダプターが必要です。
無線LANアダプターのモデルは、2018年度モデルでは「GT-RA1」、2020年度モデルでは「GT-RA2」となります。
MyMUで設定すると、「お天気リンクEZ」機能が活動を開始し、夜間の沸き上げ前に天気予報を取得します。
次の日が晴れの場合、夜間の沸き上げ量を減らし、昼間に沸き上げを行います。雨の場合は、夜間に必要量を沸き上げる設定になります。
この自動調整により、設定後は太陽光発電システムを快適に利用できるでしょう。

対応機種:Pシリーズ、Sシリーズ、EXシリーズ、Aシリーズ
※お天気リンクEZ搭載の18年度以降モデル
※給湯専用(22年度モデル)、コンパクト エコキュート、エコキュート ライト除く

参考 三菱「お天気リンクEZ | 機能情報」

パナソニック

パナソニックエコキュートは、搭載機種であれば「ソーラーチャージ」を使って、太陽光発電システムと連携できます。
昼間に沸き上げる設定は、下記のいずれかで行えます。

  • 台所リモコンのメニュー画面から設定(手動沸き上げ)
  • AiSEG2の「AIソーラーチャージ」で設定(自動沸き上げ)
  • スマートフォンアプリ「スマートソーラーチャージ」で設定(自動沸き上げ)

台所リモコンからの設定は、天気予報をチェックして手動で行います。
1日ずつ設定することも、連続して設定することも可能です。
自分で天気予報をチェックするのが面倒な方は、AiSEG2から設定すれば、「AIソーラーチャージ」が天気予報をチェックして、自動で沸き上げを行ってくれます。
スマートソーラーチャージを利用すれば、天気予報ではなく日射量予報を基に沸き上げを自動で判断してくれます。
ただし、「AIソーラーチャージ」を利用するためには、サーバーサービスへの登録や、スマートコスモまたはエコーネットライト対応計測ユニットの設置など、いくつかの条件を満たす必要がありますので注意が必要です。

対応機種:JP、J、N、C、W、S、NS、H、FP、F、LS、Lシリーズのソーラーチャージ搭載機種

参考 パナソニック「ソーラーチャージ|特長一覧」

日立

日立エコキュートは、搭載機種であれば「太陽光発電利用沸き上げ」を使って、太陽光発電システムと連携します。
昼間に沸き上げる設定は、下記のいずれかで行えます。

  • 台所リモコンから設定(手動沸き上げ)
  • HEMS機器で設定(自動沸き上げ)
  • スマートフォンアプリ「日立エコキュートアプリ」で設定(自動沸き上げ)

台所リモコンでは、メニューボタンから、太陽光発電の利用設定が可能です。
HEMSは専用の接続用アダプター(BH-HEMS-S)が必要ですが、エコキュートを含む家電を自動制御してくれます。
また、蓄電池の予測制御も可能な機種があるため、メリットが多いでしょう。
「日立エコキュートアプリ」も、同様に天気予報を確認し、自動で沸き上げを行ってくれます。
どちらも夜間と日中で約半分ずつを沸き上げ、節約を図ることが可能です。

対応機種:2023年度に販売された、薄型(BHP-FS46WH、BHP-FS37WH)以外の機種

参考 日立「リモコン操作(手動)で設定でき、蓄エネにも対応[太陽光発電利用沸き上げ]」

コロナ

コロナエコキュートは、搭載機種であれば「ソーラーモード」や「ソーラーモードプラス」など、太陽光発電を利用した運転に切り替えることが可能です。
「ソーラーモード」ではリモコンを用いて手動設定を行い、自分で確認した天気予報に基づき、2日間から1週間の設定ができます。
「ソーラーモードプラス」はHEMSと連携して利用でき、自動で設定されます。このモードを利用するには、コロナエコキュートと連携可能なHEMSおよび接続用アダプターが必要です。HEMSを通じて操作を行い、天気予報のデータを基に夜間と日中の沸き上げを自動で切り替えることができます。
また、近年は、スマートフォンアプリ「コロナ快適ホームアプリ」に「ソーラーモードアプリ」が追加されています。
「ソーラーモードアプリ」は、クラウド上の天気予報データを参照し、一部昼間に沸き上げを行うよう自動設定できる機能です。
HEMSがない家庭でも、コロナエコキュートと太陽光発電システムを自動設定できるようになっています。

対応機種:2017年以降の「ソーラーモード」「ソーラーモードプラス」を備えた機種
※「ソーラーモードアプリ」は、2022年6月以降に発売したAY5フルオートタイプ機種且つ無線LAN対応インターホンリモコン選択時の機能です。

参考 コロナ「HEMS・ZEH・卒FIT|機能情報」

まとめ

エコキュートと太陽光発電システムは連携の可否や、連携のメリットとデメリット、導入方法までご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
エコキュートは、太陽光発電システムと連携でき、様々なメリットを生み出してくれます。
エコキュートの買い替えや、太陽光発電システムの設置などを検討している方は、ぜひ連携を検討してみてください。
急湯デポは、エコキュートの交換を専門とするインターネット専門店です。
インターネット上で、エコキュート特急交換をメインに受け付けております。
電気温水器からの交換や、エコキュートからエコキュートへの買い替えなどの際、ぜひご相談ください。

この記事を書いたのは

施工管理部 大阪施工センター長

仲井 康朗

施工管理者 仲井 康朗 です。

給湯器工事に携わって10年。日々エコキュートの施工管理を行う傍ら、お客様にエコキュートの情報をお伝えする当ブログの監修もしています。

保有資格

  • 北海道 / ⻘森県 / 第二種電気工事士免状 第 164447号
  • 液化ガス設備士免状 大阪府 142762005【LPG】
  • ガス簡易内管施工士資格証 15990024【都市ガス】
  • ガス可とう管接続工事監督者講習修了証 27130129【都市ガス】県 / ⼭形県 / 島根県 / 沖縄県

関連記事