
給湯器の種類や選び方って?特徴や注意点、メーカー等も解説
給湯器には様々な種類があるため、新しく設置するときや交換したいとき等には、どの給湯器を選べば良いか迷うことが多いと思います。
給湯器の違いがわからなければ、どのように選べば良いかもわかりません。
この記事では、給湯器の種類や選び方、注意点等、詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
給湯器の種類と特徴

家庭に設置する給湯器の種類を分けると、主に5種類です。
それぞれの特徴や見分け方等について、詳しく見ていきましょう。
自然冷媒ヒートポンプ給湯機(エコキュート)
エコキュートとは、電気と自然冷媒(二酸化炭素)を使用してお湯を沸かす給湯器のことです。
エコキュートは、自然冷媒(二酸化炭素)が、圧をかけることで大きな熱を生む性質を利用し、お湯を沸かしています。
電気で稼働する電気給湯器の一種でありながら、電気のみよりも効率的に沸き上げられるのが特徴です。
エアコン室外機のようなヒートポンプユニットと、冷蔵庫に似た角型の貯湯タンクユニットという2つの室外機を持っているため、見分けることができます。
電気温水器
電気温水器とは、電気のみでお湯を沸かす給湯器のことです。
電気給湯器の一種で、電気抵抗の大きい金属を利用した電熱ヒーターによって、お湯を沸かします。
エコキュートと比べ、初期費用は安価ですが、ランニングコストは高くなりがちです。
タンクにお湯を貯める貯湯式と、都度お湯を沸かす瞬間式がありますが、基本は貯湯式です。
貯湯式は、角型や円筒型の貯湯タンクのみで、エコキュートのようにファンを備えた室外機はありません。
電気温水器とエコキュートの違いを詳しく知りたい方は、「電気温水器からエコキュートに変えて失敗?電気代・費用の違いを比較!」も参考にしてみてください。
ガス給湯器
ガス給湯器とは、ガスを使用してお湯を沸かす給湯器のことです。
ガス給湯器は、高温の炎で瞬時にお湯を沸かせることから、瞬間式が基本です。
また、屋内設置が可能なタイプもありますが、ガスの燃焼による一酸化炭素中毒を防ぐため、屋外設置が主です。
屋外設置であれば、ガスメーターや、四角い壁掛けの給湯器があるため、見分けることができます。
近年は、エコジョーズのように、より効率化されたガス給湯器も登場しています。
石油給湯器
石油給湯器とは、灯油を使用してお湯を沸かす給湯器のことです。
灯油を燃焼させて瞬時にお湯を作れるため、ガス給湯器と同じく瞬間式で、屋外設置が基本です。
燃料の灯油は基本的にガスより安価ですが、定期的に灯油を補充する必要があります。
石油給湯器は、ガス給湯器よりもサイズが大きく、地面に設置する床置きタイプが多くあります。
また、灯油を補充するオイルタンクとセットで設置するため、その点で見分けることができます。
近年は、排気熱を再利用するエコフィールのような製品も登場しています。
ハイブリッド給湯器
ハイブリッド給湯器とは、電気とガスを使用してお湯を沸かす給湯器のことです。
エコキュートとガス給湯器を組み合わせ、電気料金が安い時間帯に作ったお湯を貯めておき、お湯が不足したらガスで瞬間的にお湯を作る仕組みです。
貯湯式と瞬間式、どちらの魅力も備えていますが、初期費用は他の給湯器よりも数十万円高くなることがあります。
エコキュートと同様、室外機を2つ持ちますが、貯湯タンクユニットのサイズがエコキュートより小さいため、見分けることが可能です。
2024年現在は、ハイブリッド給湯器としてエコワンやユコアHYBRID等があります。
その他(熱源機・ボイラー)
給湯器と似ているものには、熱源機やボイラー等があります。
熱源機は、お湯を作る点は給湯器と同じですが、お湯の熱を循環させ、暖房や浴室乾燥等に使用するための機器です。
暖房や浴室乾燥をメインにしており、さらにシャワーや浴室への給湯機能を備えているものは、給湯暖房熱源機といいます。
ボイラーは、一般家庭に設置するものというよりは、ホテルや旅館、銭湯や発電施設等、大きな施設に設置されるものを指します。
ただ、業者や地域によっては、石油給湯器を「灯油ボイラー」のように呼ぶこともあります。
給湯タイプの違い
給湯器の給湯タイプは、主に3つに分かれています。
フルオート
フルオートは、浴槽へのお湯張りと保温を自動でおこなってくれます。
便利な機能を備えた、ハイスペックな給湯器が多くあります。
エコキュートの場合、追い焚き機能を備えているのはフルオートのみです。
オート(セミオート)
オート(セミオート)は、浴槽へのお湯張りのように、一部の機能が自動化されています。
保温は手動でおこなうため、家族の入浴時間がそれほど空かない場合に向いています。
便利機能をいくつか備え、ガス給湯器の場合は、追い焚き機能を搭載した機種もあります。
給湯専用
給湯のみをおこなえるタイプが給湯専用です。
湯張り時は、蛇口を開き、手動で蛇口を閉めるような形で、浴槽への給湯をおこないます。
操作や機能面がシンプルで、価格もリーズナブルな点が魅力といえます。
給湯器別の主なメーカー
ここでは、給湯器別に主なメーカーをご紹介していきます。
エコキュートの主なメーカー
エコキュートの主なメーカーとしては、パナソニック、コロナ、三菱、東芝、日立、ダイキン等が挙げられます。
パナソニック
1918年に創業した、家電や照明、空調等を幅広く手掛ける大手電機メーカーです。パナソニックエコキュートは、省エネ性能に優れ、入浴の快適性を高める機能を多数搭載しています。
当社で取り扱っているパナソニックエコキュートのラインナップはこちら!
交換を検討されている方はぜひ確認してみてください。
パナソニックエコキュートの補助金対象機種
パナソニックエコキュートの補助金対象外機種
コロナ
1937年に石油コンロの製造を開始し、現在は給湯器やエアコン、美容機器等も手掛ける総合住宅設備メーカーです。
2001年に世界初のエコキュートエコキュートを開発しており、設置環境にまで配慮が行き届いた高い技術力が魅力です。
三菱
起源は1870年にまで遡る、大手企業です。
天然資源開発、インフラ開発、家電製品の製造販売等、非常に広い分野で事業を展開しています。
三菱エコキュートは、高い省エネ性能や高い給湯能力があり、総合力に優れています。
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三菱エコキュートの補助金対象機種
三菱エコキュートの補助金対象外機種
東芝
多様な電子機器を扱う、総合電機メーカーです。
1939年に重電メーカーの芝浦製作所と白熱灯製造会社の白熱舎が合併し、東京芝浦電気となっています。
品質の高いエコキュートを取り扱っていましたが、2024年3月にエコキュートの販売を終了しています。
日立
1910年に創業した大手総合電機メーカーで、幅広い分野で活躍しています。
日立エコキュートは、水圧が落ちない水道直圧給湯や、高硬度水・井戸水のようなミネラル成分を含んだ水にも対応できる点が魅力です。
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日立エコキュートの補助金対象機種
日立エコキュートの補助金対象外機種
ダイキン
1924年に創業した空調総合メーカーです。
空調に使用する冷媒の開発から、機器の生産、販売、アフターサービスまで手掛けています。
エコキュートはほとんどの機種が井戸水・地下水に対応し、各シリーズに耐塩害仕様・耐重塩害仕様があります。
当社で取り扱っているダイキンエコキュートのラインナップはこちら!
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ダイキンエコキュートの補助金対象機種
ダイキンエコキュートの補助金対象外機種
人気6メーカーの違いについてより詳しくは、「エコキュート人気6メーカーを徹底比較、特徴や口コミ、お勧め商品‧価格まで解説」の記事をぜひチェックしてみてください。
エコキュートの交換・買い替えでお悩みの方は一度ご相談ください。
電気温水器の主なメーカー
電気温水器の主なメーカーとしては、パナソニック、コロナ、三菱、長府製作所等が挙げられます。
エコキュートと同様に、大手企業が多く見受けられ、信頼性も高いといえます。
ガス給湯器の主なメーカー
ガス給湯器の主なメーカーとしては、リンナイ、ノーリツ、パロマ、パーパス等が挙げられます。
リンナイ
1920年に創業し、愛知県に本社を置く、熱エネルギー機器の開発・製造・販売メーカーです。
ガス機器の取り扱いに長けており、超コンパクト給湯器や高効率コンデンシングガス給湯器で賞を獲得する等、ガス給湯器の品質も高いです。
ノーリツ
1951年に創業した、ガス給湯器の先駆け的なメーカーです。
「お風呂は人を幸せにする」の言葉を原点に、風呂釜「能率風呂A型」の開発、さらに初の瞬間式ガス給湯器となる「ユービック」の開発等、ガス給湯器や石油給湯器の最先端を走る企業といえます。
パロマ
1911年に創業した、暖房器具や調理器具、給湯器等の生産や販売等をおこなうメーカーです。
ガス器具の古株ともいえるメーカーで、給湯機に業界初の「不完全燃焼防止装置」や「壁面火災防止装置」を搭載する等、安全性に重きを置いていることがわかります。
パーパス
ガス器具を始めとする住宅設備の開発、販売をおこなうメーカーです。
ガス機器の開発は1956年に開始しています。排気熱を再利用する高効率なガス給湯器、「エコジョーズ」を開発したのはパーパスで、特にエコに注目していることがわかります。
石油給湯器の主なメーカー
石油給湯器の主なメーカーとしては、ノーリツ、コロナ、長府製作所等が挙げられます。
ノーリツは、ガス給湯器でも先駆け的なメーカーとして、多くの方に選ばれているメーカーの一つです。
コロナと長府製作所も、エコキュートや電気温水器を手掛ける大手企業であり、主要メーカーとして多くの方に選ばれています。
いずれのメーカーからも、高効率石油給湯器「エコフィール」が販売されています。
ハイブリッド給湯器の主なメーカー
ハイブリッド給湯器の主なメーカーとしては、リンナイ、ノーリツ等が挙げられます。
ヒートポンプ技術に加え、ガス給湯器のノウハウも必要なため、リンナイとノーリツの大手2社から販売されるハイブリッド給湯器には、高い信頼性があるといえます。
リンナイからは「エコワン(ECO ONE)」、ノーリツからは「ユコアHYBRID」が販売されています。
給湯器の選び方と注意点

給湯器は様々な種類があるため、選び方にはポイントも、注意すべき点もあります。
それぞれ確認していきましょう。
設置可能なタイプから選ぶ
まずは、給湯器の中から設置可能なタイプを選んで、候補を絞りましょう。
一軒家なら
一軒家の場合は、十分な設置スペースを取りやすく、幅広い選択肢から選べます。
また、ガス給湯器や石油給湯器は燃焼時のニオイ、エコキュートは稼働時の音等があります。
しかし、一軒家であれば、設置場所や向き等を変えて対応できることも多いです。
貯湯式のエコキュートや電気温水器、床置きする大きめの石油給湯器等、スペースに応じて選んでみてください。
集合住宅なら
マンションやアパートのような集合住宅では、給湯器の設置スペースが限られています。
そのため、設置スペースを考慮して、候補を絞ってみてください。
- 壁掛けタイプの給湯器…ガス給湯器
- PS(パイプスペース、パイプシャフト)に設置可能な給湯器…ガス給湯器
- 屋内設置できる給湯器…ガス給湯器、エコキュート、電気温水器等
ただ、屋内設置可能な給湯器は機種が限られるため、選ぶ際には注意が必要です。
号数・貯湯タンク容量で選ぶ
家族の人数に応じて、号数や貯湯タンク容量は変える必要があります。
号数の選び方
ガス給湯器や石油給湯器等、瞬間式の給湯器は号数が目安です。号数は、「1分間に何Lのお湯を出せるか」を意味します。
20号であれば20Lで、シャワーと給湯が同時にこなせる目安になります。
単身なら16号、2~3人なら20号、3~4人以上なら24号を目安に選ぶと良いでしょう。
タンク容量の選び方
エコキュートや電気温水器等、貯湯式の給湯器は貯湯タンク容量を目安にします。
3~5人家族の場合は370L、4~7人家族の場合は460L、7~8人家族の場合は550L~560Lを選ぶと良いでしょう。
必要な機能、給湯タイプで選ぶ
給湯器は、フルオート、オート(セミオート)、給湯専用等に分かれています。
自動湯張りが可能なフルオートやオートは便利で、他にも追い焚きや差し湯等、機能を備えていることがあります。
また、費用としては給湯専用がリーズナブルです。
どのような機能が家庭に必要か、また合っているかを考えて選んでみてください。
メーカーから選ぶ
よく使用しているメーカーがあれば、メーカーで選ぶのも手です。
「機能が分かりやすい」、「故障しにくくて長く使えた」、「修理や交換時の対応が良かった」等、メーカーによって合う、合わないもあると思います。
なお、エコキュートエコキュートに関しては、故障のしやすさにメーカー差はほとんどありません。
詳しくは、「エコキュートの故障が多いメーカーは?口コミ、壊れやすい条件についても解説!」の記事をチェックしてみてください。
省エネや節約性能を見て選ぶ
給湯器の、省エネ性能や節約性能で選ぶことも選択肢です。
例えば、ガス給湯器は設置費用がリーズナブルですが、ガス代により、給湯にかかる光熱費が高くなりがちです。
一方、エコキュートは、設置費用はやや高くなりますが、電気料金が安い時間帯にまとめてお湯を沸かせるため、ランニングコストは安く、節約できます。
10~15年使うことを考えると、ランニングコストが安いものを選ぶのがお勧めです。
エコキュートは、燃料を燃やさないため、地球環境にやさしいことや、一酸化炭素中毒等の危険性がないこともメリットといえます。
まとめ
この記事では、給湯器の種類や特徴、選び方や注意点等について、詳しく解説しました。
初期費用は、電気温水器やガス給湯器、石油給湯器等が安くなりやすいです。
しかし、ランニングコストはエコキュートやハイブリッド給湯器が安くなります。
設置可能な給湯器の中から、メーカーや性能等を考慮し、家庭にぴったりなものを選んでみてください。
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