井戸水対応エコキュート・メーカーを一挙紹介!価格や注意点まで解説
近年ではすっかり数が減ったものの、今でも日本には井戸水を生活用水や飲料水に用いている地域があります。
そのような地域では「エコキュートは使えない」と長い間思われてきましたが、年々エコキュートの性能が向上するとともに井戸水対応のエコキュートも登場し、そういった意識も少しずつ変化を遂げています。
そこで今回は、井戸水対応のエコキュートを設置する際に確認すべきことや、設置の流れ、お勧めの製品や設置時の注意点など、詳しくご紹介します。
エコキュートと井戸水の相性は良い?悪い?
まず前提として、エコキュートは井戸水に対応することを考えて作られた製品ではありません。
その最も大きな理由は、「井戸水の水質」です。
井戸水や地下水には、硫化物イオンやカルシウム、マグネシウム、鉄分などが多く含まれていることがあります。
また、井戸水や地下水は、地質や環境に反応して変化するため、pH値(酸性・アルカリ性の強さを表す指標)に高低が生じます。
pH値が高いほどアルカリ性が強くなり、塩素消毒力が低下することで水質の悪化に繋がります。
一方、pH値が低いほど酸性が強くなり、配管等が腐食しやすくなります。
それでは、エコキュートにはどのような影響があるのか詳しくみていきましょう。
配管の穴開き
ヒートポンプ配管に使われるパイプの種類の一つに、銅管があります。銅管の場合、硫化イオンと相性が悪いため、配管に穴が開くリスクを抱えています。
pHが酸性に傾いた井戸水も金属を腐食させるため、配管に穴を開けることがあります。
成分の固形化による不具合
カルシウムやマグネシウムが多く含まれていると、成分が固形化し、配管を詰まらせます。
pHがアルカリ性に傾いていると、ミネラル成分が溶解しにくくなるため、より成分固形化による配管詰まりが起こりやすくなるでしょう。
これらの成分は、ヒートポンプユニット内部の水熱交換器にも不具合を起こします。
鉄分も、水酸化鉄や酸化鉄などに変化し、汚れの付着や配管詰まりの原因となります。
砂が混ざっていても同様です。
井戸水に対応したエコキュートの登場で解消
近年では、エコキュート各メーカーの技術者たちが研究開発を重ねた結果、井戸水にも対応可能なエコキュートが徐々に登場し始めています。
井戸水を使用すると水圧や水量不足になるとも言われてきましたが、それらも解消されていることがほとんどです。
生活環境に左右されずエコキュートを設置できるのは、嬉しいですよね。
本記事の後半には、各メーカーの井戸水の対応エコキュートを紹介しているので、是非チェックしてみてください。
エコキュートを設置したい!と思ったらまず確認するべきこと
水質検査=マスト!
井戸水を使用している住宅に「エコキュートを設置しよう!」と思った場合、まずは水質検査を実施する必要があります。
何故なら、前述したように井戸水対応可能なエコキュートはあるとはいえ、あまりにも井戸水の成分濃度が高い場合は、たとえ対応機種だとしても成分を処理しきれないおそれがあるからです。
そのため、井戸水対応エコキュートを導入する際は、事前に水質検査を行う必要があると覚えておきましょう。
水質検査の種類
水質検査は主にメーカー・保健所が実施しています。
メーカーの水質検査は、エコキュートと井戸水の相性を調べるものです。
検査結果によっては、保証を受けれない場合もありますし、何より水質が悪いと耐用年数よりも早くエコキュートが壊れてしまう場合もあります。
また、水質検査をする際は、各メーカーで検査基準が異なるため、導入予定のエコキュートメーカーに依頼しましょう。
一方、保健所の水質検査は、飲用に適しているかを検査します。
エコキュートとの相性を見るものではないため必須ではなく、水道法が適用されることもないことから、検査義務もありません。
ただ、井戸水を飲用に用いる場合や、店舗で利用する場合などには、自主的に受けることが推奨されています。
水質検査の内容
一般的な水質検査では、下記のような調査をし、井戸水の性質や状態を把握します。
- 一般細菌や大腸菌といった菌類の有無
- 塩化物イオン、カルシウム、マグネシウムなどの量
- 鉄及びその化合物の量
- pH値
しかし、エコキュートの井戸水利用に関する水質検査の内容はメーカーによって異なります。
各メーカーの細かな検査基準は開示されていないため、メーカー純正の検査キットを使っても自分で判断することはできません。
専門知識も必要なため、井戸水を検査し、導入可能かどうかはメーカーに判断してもらう必要があります。
水質検査の流れ
水質検査の方法はシンプルで、「採水キット」で井戸水を採取し、エコキュートのメーカー・販売店に送付するといった流れになります。
その後は検査結果が報告され、検査結果報告書、適応可能な場合は認定書を受け取り完了となります。(メーカーによって手順は異なります)
水質検査費用は各メーカーによって異なるものの、基本的には15,000~20,000円程度が目安となっています。
また、基本的に検査費用は自己負担となりますが、メーカーによっては水質検査の結果で、エコキュートへの使用が不可となった場合、検査費用をメーカーが負担してくれます。
水質検査に関するサービス内容は、各メーカーによって異なるため、気になる方はメーカーや業者に一度問い合わせてみることをお勧めします。
なお、水質検査を受けずにエコキュートを井戸水で利用すると、各種保証が受けられなくなることがあるため、注意が必要です。
急湯デポなら水質検査もサポート
「水質検査が必要なのはわかったけど、うまくできるか不安だな...」「面倒だな...」と感じる方も多いと思います。
そんな方のために急湯デポでは、エコキュートの交換の際の水質検査サポートをおこなっています。
対象メーカー | 料金 |
---|---|
ダイキン | 20,000円(税込)+送料 |
水質検査キットを急湯デポが手配し、お客様のご自宅へ送付いたします。その後、お客様の方で採水してメーカーに返送していただければ完了です。
後の手順は弊社が対応し、お客様に水質検査の結果をご報告差し上げる形になります。
ホームページからの申し込みや、地下水利用同意書兼水質検査依頼書の記載など、面倒な手間を省けます。
井戸水の水質が適用不可の場合は、検査費もかかりません。
エコキュートを交換する際の、水質検査についてより詳しく知りたい方は、急湯デポまでお問い合わせください。
井戸水対応のエコキュートの注意点
- 導入コストはやや高くなる
- 設置までやや手間がかかる
- 井戸ポンプが問題になることも
導入コストはやや高くなる
水道水を利用する一般的なエコキュートよりも、井戸水対応エコキュートは、導入コストが高くなってしまいます。
工事費用は大きく変わりませんが、水質検査費用がかかるほか、本体価格が約12万円(メーカー希望小売価格にて)ほど高く設定されているためです。
一般的なエコキュートに比べて、導入コストを回収するまでにやや時間がかかるかもしれません。
設置までやや手間がかかる
水道水を利用する通常のエコキュートと違い、井戸水対応エコキュートは、水質検査という手順が1つ増えてしまいます。
検査結果の待ち時間が数日かかるメーカーもあるため、設置まで時間がかかってしまいます。
また、急湯デポでは井戸水対応エコキュート交換の水質検査はサポートをおこなっていますが、通常自分で採水をしてホームページから申し込むといった作業は、面倒と思う方も多いと思います。
そのため、井戸水対応エコキュートは、設置までやや時間と手間がかかると覚えておきましょう。
井戸ポンプが問題になることも
現在、吐出される水量が一定ではないタイプの、圧力スイッチ式ポンプを使用している場合、注意が必要です。
エコキュートを設置した後に水圧が弱くなったり、水量が少なくなったりする不便が生じることがあります。
そのような事態を避けるために、流量・圧力変化に対応したインバータータイプの井戸ポンプの取り付けが推奨されています。
ただし、井戸ポンプを交換する場合、浅井戸で約4~10万円、深井戸の場合100万円近くになることもあるようです。
井戸水対応エコキュートの導入にあたり、井戸ポンプも同時に交換する際は、井戸ポンプ交換費用も考慮しなければなりません。
具体的な設置の流れ
初めてエコキュートを設置する場合
初めてエコキュートを設置する場合、水質検査後は「設置場所の選定」「基礎工事」「配管工事」の流れで進みます。
「設置場所の選定」では、設置場所が狭いなど、エコキュートの設置が困難な場合、設置業者とのすり合わせが必要になります。
狭い場所への設置は、周囲の環境にも配慮しなければならないため、慎重に決める必要があります。
また、薄型エコキュートという、狭い場所への設置に適した薄いタイプのエコキュートが各メーカーから販売されています。薄型エコキュートについては「薄型エコキュートにデメリットはある?サイズや価格、お勧めまで解説」の記事で詳しく解説していますので、チェックしてみてください。
※急湯デポはエコキュート交換専門店です。エコキュート交換を検討されている方は、ぜひご相談ください。
設置場所が決まったら、「基礎工事」と「配管工事」へと進みます。
土台部分にコンクリートを流し込んだり、砂利を敷いたりして、安定した基礎を作ります。
そして雨水配管と追い炊き配管、ドレン排水配管といった配管工事をおこなえば、約2日で工事は完了です。
後はリモコンの使い方やエコキュートに関する注意事項などの説明を受ければ、すぐに使用が開始できます。
既にエコキュートを設置していて交換する場合
エコキュートを交換する場合も、水質検査は必須です。
交換するエコキュートが同じメーカーでも、井戸水エコキュートに適さない水質に変わっている可能性があるためです。
以降の流れを、急湯デポを例に説明しましょう。
お問い合わせいただけましたら、お電話・メール・LINEにて、お客様のご要望をヒアリングいたします。
その際に、ご希望の機種がある場合は、概算のお見積りをご提出させていただきます。
その後、搬入経路や現在使用しているエコキュートのタンク・ヒートポンプ・リモコンの型番、基礎部分などのお写真をいただき、追加費用の有無を確認致しましたら、正式見積をご提出させていただきます。
また、お写真が難しい場合は現地調査にて対応いたします。
ご納得いただけましたらご契約となり、設置日と在庫の確保が決定いたします。
エコキュートの交換は、初回設置時と異なり6時間程度で完了致します。
井戸水に対応しているメーカー4選
井戸水対応のエコキュートは、メーカーごとに性能面や価格に違いがあります。急湯デポおすすめの井戸水対応エコキュートを厳選しましたので、是非チェックしてみてください。
※在庫状況により取扱いがない場合がございます。事前にメーカーや業者にお問い合せすることをお勧めいたします。
パナソニック
2011年4月以降、パナソニックのエコキュートは全ての機種が井戸水や地下水に対応が可能となっています。
そのため、「水質検査さえ合格すれば自由にエコキュートを選べる」という他メーカーにはない特長があります。
また井戸水の使用が認められた場合には3年間の保証が適用され、水質が原因と見られる水熱交換器の詰まりなどが発生した場合には、パナソニックの独自サービスにて性能復旧が行われます。
ただし、エコキュートの詰まりが水質変化によるものと判断された場合には、水質の再検査を実施することがあります。
再検査に別途費用は発生しないものの、沸きあげの上限温度を最適温度(低め)に設定されることがあります。
パナソニックの中でオススメの機種は、スタンダードクラスのNSシリーズから、370Lの「HE-NS37KQS」、460Lの「HE-NS46KQS」になります。 どちらも現行モデルの人気機種となっており、スタンダードクラスといっても便利機能が盛り沢山で、パナソニックの中でもトップクラスのコスパの良さが売りの機種になります。
日立
日立製のエコキュートは、井戸水対応タイプの中から選ぶことになります。
簡易水質チェックキットを使用した水質チェックが、エコキュート導入の必須条件となっています。
他メーカーの場合、採水はプロの業者に依頼するケースがほとんどですが、日立の場合は
「簡易検査キット」を使用し、設置依頼者自らが採水するかたちになります。
そのため、水質検査費用を他メーカーよりも大幅に削減できる点が特長となっています。
ただし「プロの水質検査業者」がいるということはそれなりに専門性を要する作業とも言えるため、
「自力で上手く採水できるか不安…」という場合はよく検討した方が良いかもしれません。 製品に関しては「ナイアガラタフネス」という井戸水や地下水などの硬度が高めな水にも対応可能な機種が販売されています。
ナイアガラタフネスを備えている機種の中でも、370Lの「BHP-FW37UD」や460Lの「BHP-FW46UD」などがお勧めです。
ナイアガラタフネスは配管詰まりや腐食の防止に力を入れているほか、5年間という比較的長めな保証期間を設定しています。
ダイキン
パナソニックと同じく、ダイキンのエコキュートも全ての機種が井戸水に対応可能となっています。
「井戸水が原因とされるエコキュートの詰まりや閉塞」などには3年間の保証が適用され、その他の不調や不具合には基本的なエコキュート保証が適用されるかたちになります。 ダイキン製品の中でも特に井戸水対応に特化したエコキュートは、2019年に発売されたばかりの「薄型パワフル高圧タイプ」のエコキュートです。
それまでの薄型エコキュートは、一般的な角形エコキュートに比べると年間の給湯保温効率などが低いと言われていました。
しかし前述した最新の薄型パワフル高圧タイプは、給湯保温効率も省エネ性も飛躍的に向上しているため、他メーカーの薄型製品と比べてもトップクラスを誇っています。
薄型パワフル高圧タイプには、370Lの「EQ37WFTV」、460Lの「EQ46WFTV」等の機種があります。
井戸水を使用していて、設置スペースがない等の理由から導入を諦めていた方に、ダイキン製のエコキュートはオススメです。
長府製作所
先にご紹介したパナソニック、日立、ダイキンに比べて耳馴染みのない方も多いかもしれませんが、長府製作所(以下、長府)は山口県下関市に本社を構える住宅設備メーカーです。
上記の3社ほどのシェア数はありませんが、高い信頼を集めているメーカーとなっており、
「長府の製品が一番!」というユーザーが多くいることも事実です。
長府にも井戸水対応可能なエコキュートはありますが、延長保証を利用したい方は、その際に再度水質検査をおこなう必要が生じます。
また井戸水に対応しているとはいえ、使用するためには「水道法に基づいた飲料水の水質基準」をクリアしていなければならず、もしクリアできない場合は使用不可となります。
ただし、もし他メーカーの水質検査をクリアした場合には使用が認められるケースもあるため、気になる場合は長府以外のメーカーに、一度水質検査を依頼してみることをお勧めします。
長府製作所のエコキュートの中では、370Lの「EHP-3703BX-I」、460Lの「EHP-4603BX-I」が、高性能なフルオートタイプでお勧めです。
エコキュートを長持ちさせるには?快適に使うには?
エコキュートの寿命は10~15年程度が目安ですが、井戸水対応エコキュートは、使い方次第では数年で壊れてしまうこともあります。長持ちのコツと快適に使用する方法を解説いたしますので、確認していきましょう。
井戸水対応のエコキュートを長持ちさせるには、「砂こし器」「インバーター式ポンプ」の取り付けを検討しましょう。
「砂こし器」を井戸ポンプに装着すれば、砂の混入を防ぐ事が可能で、配管詰まりや井戸ポンプ故障のリスクを抑えることができます。
井戸ポンプは、シャワーの水圧が変化してしまうことを防ぐ、「インバーターポンプ」が推奨されているため、導入を検討してみましょう。
保証はどうなるの?
井戸水対応エコキュートを設置する場合、水質検査に合格しなければ、保証が受けれない場合があります。
導入を検討されている方はご注意ください。
水質検査に合格できれば、メーカーや施工業者の保証に加入できますので、ここではエコキュートの保証について解説いたします。
井戸水対応エコキュートの保証
主にエコキュートの保証は、メーカーによる保証と、保証会社や施工業者・販売店による保証が提供されています。
メーカー保証は、各メーカーや部品によって異なりますが、保証期間は1~5年となっています。
保証期間内であれば、修理や部品交換などのサービスを受けることができます。
しかし、1~5年の保証期間は少ないと感じる方も多いと思います。
一部メーカーでは有償で保証期間を8~10年に延長できますが、多くの保証会社や施工業者・販売店の保証も、8~10年間の延長保証を提供しています。
それぞれ保証内容が異なるため、ご家庭に合った保証を選ぶようにしましょう。
急湯デポなら10年保証
急湯デポでは、10年間の長期延長保証を提供しています。
無償修理規定内の故障であれば、修理代(部品代・出張費を含む)が無料となり、お客様の自己負担は一切ありません。
修理部品代と工事費は100%を保証しており、サポート期間中は何度でも修理可能です。修理上限金額も逓減しません。
また、修理受付はコールセンターにて24時間365日対応可能と、業界最高水準の保証内容でお客様をサポートします。
まとめ
今回は、井戸水対応のエコキュートを設置する際に確認すべきことや、設置の流れ、お勧めの製品や設置時の注意点などを紹介しました。
エコキュート市場を全体的に見た場合、井戸水に対応したモデルのエコキュートはまだまだ多いとは言えず、水質検査が必要といった手間もあります。
しかし、どのメーカーのエコキュートも年々性能があがっており、井戸水対応性能も含め、エコキュートはこの先より一層便利になることが期待できるでしょう。
急湯デポは、エコキュートの交換専門店です。
エコキュート交換を検討されている方は、ぜひ急湯デポへご相談ください。
井戸水対応のエコキュート選びはもちろん、水質検査サポートなど、丁寧に対応させて頂きます。