お客様のことを1番に考えるからこそ感じる「補助金事業のジレンマ」

エコキュートの交換に使える補助金事業がスタートしてから、当社では補助金に関するお問い合わせが急増しています。そんな中で、実際にお客様からの問い合わせに対応している私が最近感じている「もどかしさ」についてお話しさせてください。

目次

ライフラインを守る当社の使命

 まずは、エコキュートの交換を専門に行っている当社が事業を行ううえで大切にしていることからお話しします。

私たちの使命は、エコキュートが壊れてお湯が使えなくなってしまったお客様の元に一分一秒でも早く駆けつけ、新しいエコキュートに交換することで普段通りの生活を取り戻して頂くことです。

給湯は私たちの生活において非常に重要なライフラインです。だからこそ、当社は「スピード対応」をモットーにしています。エコキュートの交換だけに事業を特化しているのも「迅速な対応でお風呂に入れず困っているお客様の力になりたい」という思いから。このように徹底的な「カスタマーファースト」を大切にしているからこそ、全国各地に施工センターを配置し大量の在庫をストックするなど専門店ならではの工夫によって最短即日の交換工事を可能にしているのです

すぐに設置できないエコキュートに補助金が出るもどかしさ

そんな当社が現在頭を抱えているのが、経済産業省や国土交通省が行っている「住宅省エネ2023キャンペーン」です。その中でエコキュートの設置に補助金が支給される補助金事業は「給湯省エネ事業」と「こどもエコすまい支援事業」の2種類。それぞれの事業の内容や対象条件などの詳細は下記の記事で確認してください。

▶︎「給湯省エネ事業」について

▶︎「こどもエコすまい支援事業」について

このほかに、市町村区ごとに各自治体が実施する補助金事業もあります。現在実施されている補助金事業をまとめて紹介した記事もあるので、気になる方はあわせてチェックしてください。

▶地方自治体別の補助金情報を紹介

エコキュートの交換や設置に利用できる補助金事業があること自体は喜ばしいことですが、問題は「補助金対象のエコキュートはすぐに設置できない」ということです。

当社のブログでも再三お伝えしていますが、補助金が支給される高効率エコキュートは通常商品よりも高額で生産数が少ない商品です。市場にほとんど出回っていない商品ばかりなので、対象商品をご希望された場合は納品まで3カ月程度お時間を頂くことになります。それにも関わらず、通常商品と比べて性能の差はほとんどありません

しかし、ほとんどのお客様はこの実情を知りません。補助金が支給されるエコキュートがあるという情報に惑わされ、ご自身で対象商品を検索したり、「補助金がでる商品が良い」とおっしゃるお客様も多いです。しかし対象商品はすぐに手に入らないので、「検索疲れ」をして何がなんだかわからなくなってしまっているお客様も少なくありません。

そんなお客様と接するたびに、私は「もどかしさ」でいっぱいになります。お湯が出なくて困っているお客様にすぐに設置できるエコキュートを案内したいのに、お客様は「補助金」欲しさにすぐに設置できず高額で性能に差がないエコキュートが欲しいとおっしゃるのです。これでは何のための補助金事業なのか、疑問に感じずにはいられません。本当にお客様のためになる提案をしたいと本気で考えているからこそ、このジレンマに頭を抱えているのです

補助金に固執しない方がいい理由

私たちが補助金利用をおすすめしない理由は他にもあります。ここでは、補助金を追い求めることが得策でない理由をまとめます。

【理由①】納期が遅い分、余分なコストがかかる

先述した通り、補助金対象のエコキュートは生産量が少なく納期が長い場合があるため、エコキュートが故障して交換したい場合に新しいエコキュートを設置するまでお風呂に入ることができないのが難点です。

お湯が出ない自宅で生活するストレスや、その間にスーパー銭湯などに通う費用を考えるとかなり出費は大きいことが容易に想像できます

【理由②】高額なため補助金を利用しても導入費用は変わらない

補助金対象の商品は通常商品より高額です。例えば5万円の補助金を受け取ったとしても、そもそも定価が通常商品より5万円以上高いため通常商品と導入費用に差がありません

高額な商品を通常より安く購入できることに魅力を感じるお客様もいると思いますが、性能に差がほとんどないことを考えると長い納期を待ってまで本当にその商品が欲しいのかどうか判断がつくと思います。

【理由③】ランニングコストにも大差がない

また、補助金対象のエコキュートと通常商品とでは導入コストのみならずランニングコストにも大きな違いはありません。エコキュートのランニングコスト(電気料金)を算出するための指標の一つが「年間給湯保温効率」です。これはそのエコキュートがどのくらいの電力をかけてお湯を沸かすか」を示す数値で、この数値が高いほど電気料金は安くなります。とはいえその差額も、補助金額と補助金対象商品を待つ間にかかるコストの差額を考慮すればどちらがお得とは言えません。最終的に大差はないのです。

以上の理由から、私たちはコストパフォーマンスを重視するお客様には「補助金利用」をおすすめしていません。実際に補助金を利用した場合と、しなかった場合の料金をシミュレーションして比較した記事もあるので是非チェックしてください。

▶補助金利用は本当に正解? トータルコストの違いを比較

お客様にとって最良の提案がしたい

私自身、昨年10月に自宅のエコキュートが故障して交換しました。普段お客様に商品を提案している私は当然エコキュートの知識が豊富です。各メーカーの性能や機能についてあれこれ検討しましたが、結局は「今すぐ設置できること」がエコキュート選びの最優先事項でした

給湯器は私たちにとって「空気」のような存在だと思います。普段は新しい給湯器が発売されたからと言って注目することはありません。壊れるまで買い替えない人がほとんどだと思います。しかし、私たちは給湯器なしでは生活できません。なくてはならない存在なのです。その有難みは、お湯が出なくなって初めてわかります。

そんな給湯器を扱っているからこそ、私たちはお客様のライフラインを守るという強い使命感を持って日々業務に励んでいます。お客様の生活に寄り添い、お客様にとって最良のご提案ができるように心がけています。だからこそ、お客様には補助金事業に惑わされることなく、正しいエコキュート選びをして頂きたい。そしてそのお手伝いがしたいと考えています。

当社はエコキュートが壊れて困っているお客様に、適切な商品をリーズナブルに案内しています。いつ何時もお客様のもとに駆けつけられるように準備しているので、電気温水器やエコキュートが壊れた際にはぜひ急湯デポにご相談くださいませ。

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