【利用するorしない】どっちがお得!? 補助金を活用したエコキュート交換費用をシミュレーション

現在エコキュートを交換する際に使える補助金がいくつかあり、補助金対象商品をお求めになるお客様が大変多いです。しかしエコキュートの交換をご希望されているお客様にとって補助金対象商品はデメリットも多く、当社ではあまりおすすめしていません。今回は、実際にエコキュートが故障して交換する場合に、補助金を利用した場合としなかった場合のトータルコストをシミュレーションして比較します。

目次

補助金対象商品を選ぶリスク

近年、家庭でのエネルギー消費量を削減するための取り組みとして、省エネ性能の高いエコキュートなどの設置に補助金が支給される事業が多数あります。国が実施しているもの以外に、各地方自治体が行っているものなど多数の補助金事業があり、エコキュートを交換する際に補助金を活用したいと考えるお客様も多いです。現在実施されている補助金事業をまとめて紹介した記事もあるので参考にしてください。

▶【2023年】知らないと損?エコキュートの買い替え・交換で使える補助金をご紹介!

補助金事業は高額なエコキュートを少しでも安く設置できるとあって一見非常に魅力的ですが、補助金の支給にはそれぞれさまざまな条件があるので安易に飛びつくのは危険です補助金活用におけるデメリットについては当ブログでも何度も取り上げています。

補助金を活用することに固執して、かえって費用が高額になってしまうケースも少なくありません。そこで今回は、実際にエコキュートを交換する際に補助金を利用した場合としなかった場合をシミュレーションして、それぞれにかかる総費用を比較します。

エコキュート交換にかかる費用を徹底比較!

ここでは東京都内に在住の4人世帯でエコキュートが故障して交換する場合を想定して、同じメーカーの補助金対象商品と非対象商品を選んだ場合をそれぞれシミュレーション。設置する際の初期費用はもちろん、エコキュートの平均寿命を目安に10年間使った場合のランニングコストを合計した総費用を比較します

補助金を利用する場合【ダイキン「EQX37XFV」を設置】

補助金利用の一例として、ダイキンの補助金対象商品「EQX37XFV」を当社で設置する場合の総費用を計算してみます。

まずエコキュートの本体価格が、45万1,000円。これには既設タンクの廃棄費用や工事費が全て含まれています。搬入経路が複雑でスタッフの増員が必要な場合やクレーン搬入などの場合を除いて、これ以上費用が発生することはありません。

ここから給湯省エネ事業でもらえる補助金5万円を差し引くと、設置にかかる初期費用は40万1,000円ということになります。

しかし、補助金対象のエコキュートは生産量が少なく納期まで時間がかかるのが特徴です。当社では補助金対象商品をご希望された場合、目安として納期まで1~2週間程度かかる場合があるとお伝えしています。エコキュートが故障してお湯が沸かせない場合、この間自宅で入浴することができません。当然、スーパー銭湯などに行ってお風呂に入ることになるでしょう。

東京都内のスーパー銭湯の入館料の平均(1人1,500円程度)を参考にその費用を概算してみると、家族4人で6,000円。そのほかに食事をしたり交通費などがかかる可能性も高いことを考えて、1日1万円程度の出費と想定します。これが2週間続けば、その費用は14万円にのぼります。つまりエコキュートが故障してから再び自宅で入浴できるようになるまでの期間に発生する導入コストの総額は54万1,000円ということになります。

【補助金を利用した際の導入コスト】

本体価格+工事費(45万1,000円)ー給湯省エネ事業補助金(5万円)+お風呂が使えない間の銭湯利用料(14万円)=54万1,000円

続いて、設置してから10年間のランニングコストを計算します。

エコキュートでお湯を沸かしたり保温したりする際にかかる消費電力(電気料金)は、年間給湯保温効率から算出することができます。年間給湯保温効率の違いによる電気料金の差を比較した記事もあるので、ぜひあわせてチェックしてください。

▶︎年間給湯保温効率による電気料金の違いをチェック!

今回設置するダイキン「EQX37XFV」の年間給湯保温効率は3.6。上記の記事によると、年間給湯保温効率3.6のエコキュートを東京電力の深夜電気料金プランで利用した場合の年間電気料金は21,224円。10年間では21万2,240円になります。

【補助金を利用した際のランニングコスト】

年間電気利用料金(21,224)×10(年間)=21万2,240円

補助金を利用しない場合【ダイキン「EQN37XFV」を設置】

補助金を利用しない場合の比較として、先ほどの「EQX37XFV」と同じメーカー&同じタンク容量のダイキン「EQN37XFV」を設置する際の総費用を算出します。

エコキュートの本体価格は、39万6,000円(工事費など全て込み)。補助金対象商品ではないので補助金を利用することはできませんが、納期が短いのですぐに設置できます。当社では最短即日で設置することができるので、エコキュートが突然故障して壊れた場合もすぐに交換&入浴できるようになります。銭湯通いをする費用が必要ないため、導入コストは本体価格の39万6,000円のみということになります。

【補助金を利用しない際の導入コスト】

本体価格+工事費=39万6,000円

続いて、設置から10年後までのランニングコストを算出します。「EQN37XFV」の年間給湯保温効率は3.3。年間給湯保温効率3.3のエコキュートを東京電力の深夜電気料金プランで利用した場合の年間電気料金は23,141円で、10年間の合計は23万1,410円になります。

【補助金を利用した際のランニングコスト】

年間電気利用料金(23,141)×10(年間)=23万1,410円

導入コストとランニングコストの合計は、39万6,000円+23万1,410円=62万7,410円です

つまり、補助金を利用する場合(75万3,240円)と利用しない場合(62万7,410円)では、利用しない方が12万5,830円総費用が安くなることがわかりました。

一見お得に感じる「補助金事業」ですが、対象商品が入荷するまで長く待たされるうえに省エネ性に多少の違いはあるものの性能にほとんどの差のないエコキュートを設置し、さらに対象外商品を設置する場合よりも総費用が10万円以上高くなるのです。これにどれほどメリットを感じるでしょうか?

このような理由で、当社ではむしろ補助金対象外の商品をおすすめしています。お客様のライフラインを守ることを最優先にしたいからこそ、お客様の生活に寄り添った最良のご提案をできるように心がけています。だからこそ、お客様には補助金事業に惑わされることなく正しいエコキュート選びをして頂きたいのです。当社は突然エコキュートが故障した際にいつでもお客様のもとに駆けつけられるように準備しているので、電気温水器やエコキュートが壊れた際にはぜひご相談ください。

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