エコキュートから黒いカス・青い水が!?浴槽汚れの原因・正体を探ろう!
エコキュートを使っていると、黒いカスや青い水が出てくることがあります。
実は、エコキュートを設置して数年後に「黒いカス」や「青い水」が発生するのは、あまり珍しいことではありません。
多くの場合故障ではありませんが、原因がわからないのは気持ち悪いですし、ごみや汚れが混入している水はできれば使いたくないですよね。
お湯は家族で使うものなので、黒いカスや青い水が人体に有害か無害かも、気になるところでしょう。
そこで今回は、エコキュートから黒いカスや青い水が発生する原因と、その対処法について詳しくお話しします。
「蛇口をひねってお湯を出したら、謎の黒いカスが混ざるようになった!」
「エコキュートで沸かしたお湯が何故か青い!そのせいで浴槽内に青いシミができた!」
など、今まさにこのようなお悩みを抱えている方は、ぜひチェックしてください。
エコキュートの黒いカスは何が原因?
黒いカスが発生する主な原因は、大きく分けて4つあります。
- エコキュート内部(風呂配管)の汚れ
- ゴムパッキン、ゴム管など部品の劣化
- 銅配管の錆
- 換気扇の汚れ
エコキュート内部(風呂配管)の汚れ
1つは「エコキュート設備内部の汚れ」です。
毎日使う給湯器や風呂釜には皮脂汚れや水垢が溜まりやすく、とくに風呂配管の汚れは蓄積されると黒いカスとなり、お湯に混ざってしまうことがあります。
また、それとは別に給湯器内で湯沸かしをおこなった際に発生したススが、沸き上がったお湯の中に混入する場合もあります。
ススだった場合は、何度か湯沸かしをおこなえば出てこなくなることもありますが、
もし、しつこく出てくるようであれば、メンテナンスをおこなうことをお勧めします。
ゴムパッキン、ゴム管など部品の劣化
2つ目は、「ゴムパッキンやゴム管など部品の劣化」です。
もし発生したカスの粘着性が強く、指で引っ張ると伸縮するのであれば、劣化したゴムパッキンやゴム管の欠片である可能性が高いです。
この場合、業者に依頼し清掃をおこなえば一時的には綺麗になりますが、設備が古いままでは根本的な解決には至りません。
もし「この黒いカス、ゴムパッキンかゴム管かも?」と少しでも思ったら、なるべく迅速に新品に交換することをお勧めします。
銅配管の錆
3つ目は「銅配管の錆」です。 エコキュートの配管には、銅が使われていることが多々あります。 ステンレス製の配管であれば錆は発生しにくいのですが、銅は水によって腐食し、錆「緑青(ろくしょう)」が発生します。 するとお湯張りをしたときに、お湯に黒いつぶつぶとした粉のようなものが混じるトラブルが起こってしまうのです。 銅配管の錆は、経年劣化が主な要因です。 そのため、長く使っているエコキュートであれば、定期的なお手入れをしていても完全に防ぐことは難しいでしょう。
換気扇の汚れ
4つ目が「換気扇の汚れ」です。
黒いカスや青い水が発生する原因は、ほとんどの場合がエコキュートや配管側に問題があります。
しかし稀ではありますが、エコキュートと関係ない部分によって黒いカスが生じることもあるでしょう。
その代表的なものが、換気扇の汚れです。換気扇は金属を使用しているため、水滴が付着すると腐食します。この錆が浴槽に落ちることで、黒いカスのように見えることもあるでしょう。
あるいは、蓄積した埃やカビが、黒いカスとなって落ちてくることもあるかもしれません。
エコキュート本体にトラブルが見られない場合は、換気扇もあわせてチェックしてください。
黒いカスが出るエコキュートは故障?寿命?
黒いカスが出たとしても、必ずしもエコキュートの故障ではないので、安心してください。
単なる汚れの可能性もあり、その際には掃除をすれば、元のキレイなお湯が使えるでしょう。
ただし、ゴム製部品の劣化や、銅配管の錆などによって黒いカスが発生しているのであれば、パーツの交換が必要になります。
エコキュートの寿命は10年ほどです。
そのため、使用開始から10年近くになっているエコキュートは、全体的に劣化が進んでいる可能性があるでしょう。
一部分を修理しても、すぐに別の部分で新たなトラブルが発生するケースも珍しくありません。
10年経過しているのであれば、黒いカスの原因になっているパーツだけを交換するのではなく、エコキュート本体の交換を検討しても良い時期です。
黒いカスの対策方法は?
エコキュートには、残り湯を再利用し、配管を自動洗浄する機能が付いたタイプもあります。
そのような自動洗浄機能が付いたエコキュートであれば、風呂配管の汚れは溜まりにくくなっているでしょう。
しかし、お湯に黒いカスが混じるようになってきたのであれば、それだけでは不十分です。
下記の対策方法を試してみてください。
風呂配管を酸素系漂白剤や配管洗浄剤で洗浄する
数年使用したエコキュートの汚れが原因であれば、黒いカスはある程度自力で対策が可能です。
対策と言っても、つまりは「こまめな掃除をおこなう」ことに尽きるのですが、ただ浴槽に洗剤を撒き、ブラシでこすれば良いというわけではありません。
黒いカスの発生源は往々にして風呂釜にある可能性が高いので、できるだけ発生を防ぎたい場合にお勧めなのが、酸素系漂白剤や配管洗浄剤を活用した風呂釜掃除です。
2~3か月に一度の頻度で、酸素系漂白剤や配管洗浄剤を使って本格的な掃除をしてください。
酸素系漂白剤や配管洗浄剤は、基本的にエコキュートのメーカーが指定している製品を使えば安心です。
ドラッグストアや通販でも、エコキュート専用のものが販売されており、簡単に購入できます。
風呂釜の穴の数が1つか2つかでやり方が異なるので、順番に見ていきましょう。
<1つ穴タイプの場合>
まずは、水位が循環口から5cm程度上の位置に来るまで水を張ります。
この時残り湯を使う場合は、十分冷めたことを確認してから取り掛かってください
(追い焚き機能を使うため)。
もし洗面器や椅子などのバスグッズも綺麗にしたい場合は、浴槽の中に入れても良いでしょう。
次に、酸素系漂白剤を300~500g程度浴槽に入れて混ぜたら、温度を50℃前後に設定し、一度追い焚きをします。
その後数時間放置したらもう一度追い焚きを行い、終わったら排水します。
洗面器や椅子を浴槽に入れていた場合は、この時に取り出しましょう。
そして再び同じように水を貯め、追い焚き、排水を行ったら、風呂釜掃除完了となります。
<2つ穴タイプの場合>
まずは、2つのうち下部についている方の穴を、タオルなどを詰めて塞ぎます。
それが終わったら上部の穴から酸素系漂白剤、50℃程度のお湯の順に注いでいきます。
この時、お湯は溢れさせないように注意することが大切です。
お湯を注ぎ終わり、数時間放置したら、下部の穴を塞いでいたタオルを外します。
最後に上部下部両方の穴にお湯を注ぎ、洗い流したら、風呂釜掃除完了となります。
洗剤によって投入量や放置時間は若干異なる場合があるため、必ず事前に確認してから使用するようにしましょう。
風呂釜掃除に合わせて、循環口まわりを古くなった歯ブラシなどで磨いても良いかもしれません。
「それでも黒いカスが出てくる…」という場合は、一度専門の業者に見てもらった方が得策と言えるでしょう。
ゴムパッキン、ゴム管などの部品交換は業者に依頼する
ゴム部品の劣化は、早急に専門業者による点検を受けるか、交換をおこなうことが大切です。
確かに、ゴムパッキンやゴム管などの劣化が原因でも、掃除で一時的に黒いカスが出なくなることもあります。
しかし、掃除をおこなってもゴム部品の劣化は進んでいるため、再度お湯に黒いカスが混ざる可能性が高いでしょう。
ゴム部品の劣化は、自分で対処しても根本的な解決には至りません。
部品交換が必要な時期になったのであれば、業者に交換を依頼してください。
配管の交換を業者に依頼する
配管の劣化や錆も、自力ではどうすることもできない部分です。
とくに配管の錆が原因で黒いカスが混じるようであれば、交換を検討してください。
配管の交換だけであれば、1万円から数万円程度の範囲に収まるケースが多いものです。
エコキュートを交換するよりも安くなる可能性があるので、まずは一度見てもらうことをお勧めします。
配管を交換したいときには、まずは使用中のエコキュートを設置した業者に問い合わせをしてください。
エコキュートの青い水は何が原因?
青い水の原因は主に2つです。
青い水になる主な原因は「銅石鹸」
エコキュートから出る青みを帯びた水、または浴槽内に付着した青い汚れの原因は、
「銅石鹸」と呼ばれる汚れの成分にあります。
銅石鹸は銅が持つCuイオンと、人体や浴用石鹼に含まれる脂肪酸が反応することで生じます。
銅石鹸はエコキュート設備のどこかに銅管を使用していた場合、もしくは地域の大本の水道が銅を使用していた場合、発生する可能性があります。
交換したばかりの銅配管は、銅が水に溶けてイオン化しやすいため、銅石鹸が生じやすいといえるでしょう。
もし、どうしても水質が気になる場合は、専門の会社に水質検査を依頼するという手もあります。
しかしその場合、検査内容に合わせて1万円~9万円の料金が発生する可能性があります。
いずれにせよ不安に感じた場合は、まずはお気軽に当社までお問い合わせください。
光の効果で青い水に見えることも
銅石鹸が原因ではない場合は、単純に「光の効果」が原因という場合もあります。
通常、光は赤・オレンジ・黄色・黄緑・緑・青・紫の7色によって成り立っていますが、
水はこのうち青系統のみを吸収しない性質を持っています。
水中に吸収されず水面に反射するため、私たちの目には青のみが認識され、
水自体が青いように感じてしまう、という原理です。
海や湖の水面が青く見えるのも、同様の現象によるものです。
水の量が多く、また浴槽自体の色が白ければ白いほど、水の青さも際立つと言われています。
この場合はあまり気にしすぎず、むしろせっかくなら青く綺麗な水を堪能しながら、
優雅なバスタイムを堪能してみてはいかがでしょうか。
青い水は人体に有害?無害?
青い水は人体に無害です。そしてエコキュート本体の故障ではありません。
光の効果で青い水に見える場合はもちろん、青い水が銅石鹸によるものであったとしても、銅石鹸の元になっているのは、銅と皮脂、石鹸由来の脂肪酸などで、有害ではないので安心してください。
青いお湯に入ってしまったり、青いシミが残っている浴槽に浸かってしまったりしても、問題ありません。
また、少しくらいであれば飲み込んでしまっても、健康に悪影響を与えることはないでしょう。
青い水の対策方法は?
そもそも人の体は脂肪を含んでおり、銅は人間にとっての必須元素として人体に含まれています。
そのため、微量であれば人体に大きな影響を及ぼすことはまずないでしょう。
それでも青い汚れが浴槽にこびりつくのは、やはり気持ちの良いものではないですよね。
汚れが広範囲かつ頑固であれば、清掃業者に依頼した方が良い場合もありますが、ある程度であれば自力で対処することも可能です。
こまめな掃除を心がける
銅石鹸の成分は、皮脂や洗い残した石鹸カスなどです。
浴槽内にこびりつきやすい成分ですが、こまめな掃除で簡単に落とせます。
青い水による汚れを落とすために専用の洗剤を使っても良いのですが、ここでは家にあるものを使って、より手軽に綺麗にできる方法をご紹介します。
用意するものは、「酢」「塩」「汚れ落とし用布タワシ」の3つです。
布タワシは浴槽を傷つけてしまわないよう、できるだけソフトな質感のものを選ぶようにしましょう。
準備ができたら後は簡単で、1:1の分量で混ぜた酢と塩を汚れ部分に塗布し、その上から布タワシでこすっていくだけです。
しっかりこすることで青い汚れがポロポロと剥がれ、元の綺麗な浴槽に戻せます。
もし、どんなにこすっても汚れが落ちないのであれば、潔く清掃業者に依頼してしまう方が得策と言えるでしょう。
固形石鹸はなるべく使わない
最近ではマイルドな洗い上がりだと、昔ながらの固形石鹸が見直されているようです。
しかし、青い水や青いシミを防ぐためには、できるだけ固形石鹸の使用は避けた方が良いでしょう。
固形石鹸に含まれている脂肪分は、銅と結合しやすいと言われています。
最近水の色が青いような気がする……といったときには、固形石鹸の使用を控えた方が良いでしょう。
とくにエコキュートを設置してからすぐの場合、お湯に含まれている銅の量が通常よりも多いことがあります。
エコキュートを導入または交換したばかりのタイミングでは、液状のボディソープやクリームタイプの洗顔料を使って青いシミを防いでください。
浴槽にお湯を張ったままにしておかない
浴槽に入浴したあとの残り湯を放置しておくと、青い汚れやシミが残りやすくなります。
浴槽には残り湯を放置せず、すぐに排出するようにしましょう。
お風呂から出たあと、栓をすぐ抜く習慣を付けるだけで、青い汚れやシミが付きにくい環境を作れます。
さらに、お湯を抜いたあとには、浴槽を軽くシャワーで洗い流してください。
タイルや洗面器、バスチェアにもついでにお湯をかけておくと、皮脂や石鹼を洗い流せるので、青い汚れの付着を防げます。入浴後のちょっとした手間で、後々も掃除の手間が省けるのでお勧めです。
まとめ
エコキュートから黒いカスや青い水が発生する原因と、その対処法について詳しくお話ししましたが、いかがだったでしょうか。
エコキュートのお湯から黒いカスや青い水が出てくると、故障ではないかと焦ってしまうものです。
しかし、多くの場合は故障ではありません。
また、黒いカスも青い水も、日頃からマメに清掃をおこなうことで防げる可能性は大いにあります。
しかし設備自体が古びていたり、あまりにも汚れがしつこかったりするのであれば、専門分野のプロに頼った方が良い場合もあります。
経年劣化によって黒いカスや青い水が生じている場合は、エコキュートの使用年数を考慮して、交換を検討した方が良いでしょう。
水質や汚れのことで気になった場合、まずは水道会社やメーカーに問い合わせてみましょう。
黒いカスや青い水がエコキュートの経年劣化が原因の際には、どうぞお気軽にご相談ください。