
エコキュートの沸き上げに必要な時間は?お得な設定方法やメーカー比較も解説
エコキュートを使い始めたばかりだと、沸き上げにどの程度の時間かかるのか、どのように設定すれば良いのか等、わからないことが多いと思います。
この記事では、エコキュートの沸き上げに必要な時間やメーカーごとの違い、節約を考えたお得な設定方法等について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
エコキュートに関する基礎知識

エコキュートの構造
エコキュートは、ヒートポンプ技術でお湯を沸かす構造を備えた電気給湯器です。空気の熱を利用するヒートポンプ技術を用いたことで、高効率でお湯を沸かせるという特徴があります。
貯湯タンクにお湯を貯めておく貯湯式で、あらかじめお湯を沸かして貯湯タンクに貯めておき、必要に応じて使用できることも特徴といえます。
エコキュートのメリット
エコキュートのメリットは、電気代をお得にしやすいことです。瞬間式の電気給湯器と違い、電気代が安い時間帯に、大量のお湯を用意できます。
例えば、電気代の安い深夜にまとめてお湯を沸き上げて、翌日に使うことが可能です。
エコキュートの種類
エコキュートは、貯湯タンク容量や形状等、様々な違いがあります。メーカーも様々ですが、給湯タイプに注目して、下記の3通りに分けることができます。
- フルオート
- セミオート
- 給湯専用
お湯張りや保温等を自動で行ってくれるフルオート、一部手動で行うセミオート、ほとんどが手動でシンプルな給湯専用と分かれます。
フルオートは機能面も充実しており、より快適に入浴できます。一方で、セミオートや給湯専用には、リーズナブルというメリットがあります。
エコキュートの沸き上げに必要な時間は?
設定や機種等、条件によって異なりますが、エコキュートが満タンまで沸き上げるには、約8時間かかります。冬はあたために時間がかかるため、もう少しかかる場合もあります。
ただ、お湯は沸き上げ中でも使うことができ、満タンまで沸き上がるのを待つ必要はありません。
例えば、ダイキンエコキュートは、1時間で約100Lのお湯を用意できます。
お湯は、シャワー1回あたり約100L、一般的な浴槽へのお湯張りに約200L使うとされています。シャワーのみなら1時間、シャワーとお湯張りをするなら3時間ほど待てば良いでしょう。
エコキュートの沸き上げ時間はメーカーで変わる?
エコキュートの沸き上げ時間は、メーカーで大きな差はありません。
沸き上げや沸き増し等に関するメーカーの説明は、下記の通りです。
スクロール
メーカー名 | メーカー説明 | 引用先 |
---|---|---|
三菱 | 水温や外気温等によっても異なりますが、 冬場でも1時間に 約40~60Lの熱いお湯が沸きますので、 7~8時間でタンク全体が湯で満タンになります。 | わき上げ中を表示しています。 お湯はどの位の時間で 沸きますか。 湯はりはいつできますか。 |
ダイキン | 1時間あたり80℃のお湯を約45L (42℃お湯として約100リットル) つくることができます。 | タンク内のお湯の 実際に使える湯量は どの位ですか? (エコキュート) |
パナソニック | ・100L沸き増しするのに、約1時間かかります。 (条件により時間が長くなることがあります。) ・沸き増し湯量は、 42℃でお湯を使うときの目安です。 ・1時間で42℃のお湯が、 夏期約200L、冬期約100L 使えるようになります。 | 【エコキュート】 長期間不在で 通電を停止していた場合、 再開して何時間待てば 入浴できますか? |
日立 | 1時間の沸き上げで、 約40℃のお湯が 約120L(冬)~240L(夏) 作ることができます。 | 上手な使い方ガイド |
東芝 | 60分間お湯をタンクに増やします。 お湯(約42℃)の量の目安は、 約90 L(冬季)~130 L(夏季)です。 | 東芝エコキュート 使いかたガイド |
コロナ | 1時間の「タンク湯増し」で 約100L(シャワー約10分相当)のお湯を 沸かすことができます。 | 運転モードの特徴 |
上記の通り、基本的にどのメーカーでも、1時間でお湯を100Lほど沸かせます。100Lとは、お湯を水道水と足して約42℃に調整したものを指しており、実際には約60~90℃のお湯が約40~60Lです。
そのため、貯湯タンク容量370Lや460Lを満タンにするには、どのメーカーでも7~8時間はかかります。
沸き上げ時間は季節や気候の影響を受ける
エコキュートの沸き上げ時間は、季節や気候の影響も受けています。
たとえば寒い冬場の季節には、沸き上げる水そのものが冷えています。
夏場は6~7時間で沸き上げられても、水も空気も冷えている冬場は8時間のように、時間が延びることがあります。
お得に沸き上げるには?沸き上げに関する設定方法
エコキュートでお得に沸き上げを行うには、どのような設定や方法があるでしょうか。解説していきます。
昼間シフト設定
昼間シフト設定は、太陽光発電システムを導入している方向けの機能です。
エコキュートは、基本的に深夜の沸き上げを想定しています。しかし、昼間シフト設定をおこなえば、深夜と昼間に分けて沸き上げをします。昼間の沸き上げには太陽光発電を使用するため、電気料金が発生しません。よりお得に沸き上げ可能です。
昼間シフト機能は、翌日の天気を確認し、台所リモコンで設定します。
例えばダイキンエコキュートであれば、メニューから昼間シフト設定を選び、昼間に沸き上げる時間や日数等を設定すれば完了です。
ピークカット設定
ピークカット設定とは、電気代が高い時間帯の沸き上げを回避する機能のことです。
電気代がピークの時間帯をピークカット設定で入力しておけば、電気代の高い時間をさけて沸き上げてくれます。日中の沸き上げもお得にしやすくなります。
ピークカット設定は、電気料金プランを確認し、台所リモコンから設定します。
例えばダイキンエコキュートであれば、メニューからピークカット設定を選択し、電気代が高い時間帯の、開始時刻と終了時刻を入力すれば完了です。
電力契約設定
電力契約設定とは、電力会社との契約プランに応じて電気代の安い時間帯に沸き上げできる方法です。
契約中の電気料金プランに合わせて電力契約設定を変えることで、沸き上げ時間を適切に設定できます。電力自由化に伴って導入されており、よりお得にエコキュートを使用できます。
電力契約設定は、ホームページを見ながら、台所リモコンから設定を行います。
例えばダイキンエコキュートであれば、メニューから初期設定、電力契約設定(決定を2回押し)と進みます。
そして、ホームページに掲載されている「機種分類表」や「推奨する電力契約設定の対応表」等を見ながら、対応したプランを選んで決定ボタンを押せば完了です。
エコキュートで節約!使い方のポイント

自動保温はなるべく使わない
フルオートのエコキュートは、自動保温をできる限り使わないようにしてみてください。
家族が連続で入浴するときは良いですが、入浴間隔が空くと、自動保温によって貯湯タンク内の湯温がどんどん下がっていきます。湯温が下がると実質的に使用できるお湯が減り、電気代が高い時間に再度沸き上げることにもなります。
短時間で全員が入浴するようにしたり、保温時間を短くしたりするように心がけてみましょう。
足し湯を利用する
節約のためには、足し湯も利用してみましょう。足し湯は、温度を調整したお湯を、一定量浴槽に提供する機能です。お湯の温度がそれほど下がっていないのであれば、熱交換機を作動させる追い焚きや自動保温よりも、節約しつつ浴槽内の湯温を高めることができます。
もし、浴槽内の湯温がかなり下がっているのであれば、湯温が高いまま一定量を浴槽に提供する「高温足し湯」を利用してみてください。
季節を考慮した設定を選ぶ
エコキュートで節約をしたい場合は、季節に応じて設定やモードを使い分けてみてください。
例えば、冬場は多めに沸きあげられる設定やモードに切り替えましょう。
冬場は、体を温めるためにお湯を使いがちです。湯切れして、日中に再度沸き上げると電気代が高くなってしまうため、お湯を多く用意できる設定がお勧めです。
一方、夏場は少なめに沸きあげたり「おまかせ」にできたりする設定やモードがお勧めです。夏場は、長湯せず、さっとシャワーだけで入浴を終える方も出てきます。少なめの沸き上げで様子を見たり、過去の使用湯量を学習して沸き上げてくれる「おまかせ」でお湯を無駄なく使っていきましょう。
太陽光発電システムを活用する
使用可能であれば、太陽光発電システムもぜひ利用しましょう。
太陽光発電システムがあれば、昼間シフト設定で、夜間と日中に分けて沸き上げを行えます。日中の沸き上げは、太陽光発電システムで発電した電気を使用するため、電気代がかからずお得です。
オール電化住宅用の電気料金プランを利用したり、太陽が出ない日に備えて蓄電池設備を用意したりということも検討してみましょう。
長く家を空けるときは沸き上げをしない
旅行や出張等、長期間家を空ける場合には、沸き上げを停止しておきましょう。沸き上げを停止していないと、不在時にも定期的にお湯を沸かし直すため、不要な光熱費がかかってしまいます。
例えば、パナソニックエコキュートには、沸き上げ休止機能が付いており、15日間程度であれば沸き上げしないよう設定可能です。
それ以上の期間家を空ける場合は、排水し、電源を切っておくのがお勧めです。
沸き上げる時間帯を変える
電気料金プランに合わせて、沸き上げる時間帯を変更するのも一つの手です。
エコキュートは、夜間に沸き上げるのが基本ですが、電気料金プランによって、電気代が安い時間帯が異なります。電力契約設定を行い、沸き上げる時間帯を変更することで、お得にできることがあります。
また、太陽光発電システムがあることを前提に、午前1時〜午前6時の電気代が安くなっているオール電化住宅用の電気料金プランもあります。太陽光発電システムがある方は、昼間の沸き上げも活用しましょう。
お湯が余る場合は沸き上げる量を減らす
お湯が余る場合は、沸き上げる量を見直してみてください。
多めに沸き上げるよう設定していると、使わなかったお湯も、次の沸き上げの際に温め直すため、無駄な光熱費が発生してしまいます。
メーカーによってモードの名称は違いますが、「おまかせ」や「多め」、「おまかせ節約」等で設定が可能です。
沸き上げ時間が足りないときの対処法
沸き上げをするための7~8時間がないのであれば、手動で沸き増しを行ってみてください。
沸き増しは1時間あたり、約42℃のお湯を約100L用意可能です。リモコンによっては、沸き上げる量も細かく設定できます。メモリ1(約100L)ごとに約1時間必要と考え、お湯が必要な量や時間帯を考えて設定してみてください。
沸き増しは、台所リモコンや浴室リモコン等から使用可能です。
エコキュートが沸き上げできない?チェックすべきことは
沸き上げに思ったよりも時間がかかったり、メモリがなかなか増えなかったりということがあります。
そのようなときは、下記を確認してみましょう。
沸き上げ時間の不足
沸き上げ時間に関する設定を変えた方は、沸き上げの時間が不足していないか確認しましょう。
例えば、三菱エコキュートは、リモコンから「夜間能力」を設定できます。夜間能力を「能力セーブ」に設定していると、電力消費を抑えられる代わりに沸き上げ時間が長くなります。
そのためエコキュートの沸き上げ時間が延びると、朝の時点でお湯が足りないことがあります。
お湯を別の時間帯使用している
お湯を、別の時間帯に使用していないか、ということもチェックしてみてください。
例えば、寒くなってくると、皿洗いや水周りの掃除等、日中でもお湯を使うことがあります。
家族人数が増えたり、働く時間が変わったりと、様々な要因でお湯を使う機会が増えると、入浴時のお湯が足りなくなるかもしれません。
気温による沸き上げ効率の低下
沸き上げに時間がかかるのは、気温の変化が原因かもしれません。
前述の通り、冬場は気温が下がるため、夏場よりも沸き上げに時間がかかります。単に沸き上げに時間がかかっているだけであれば、気温が大きく下がっていないか確認してみてください。
配管や貯湯タンクからの水漏れ
上記を確認した後、沸き上げや沸き増しをしても全然メモリが増えない場合は、配管や貯湯タンクから水漏れを起こしていないか確認してみてください。
配管は、冬場の凍結による水漏れ、水質が合っていない場合は腐食による水漏れ等があり得ます。また、貯湯タンクから水漏れすることもあります。
沸き上げ時に膨張した分のお湯が排出されるのは正常ですが、沸き上げ以外のタイミングで時間を問わず水漏れするのであれば、メーカーの相談窓口に連絡する必要があります。
水漏れの原因についてより詳しくは、「エコキュートの水漏れ原因7選!対処方法や原因、修理代について」のコラムもぜひ参考にしてみてください。
基盤類の故障
エコキュートの内部で、基盤類が故障していることも原因として考えられます。
エコキュートの制御を行う基盤類が故障していると、正常に沸き上げられません。沸き上げの表示がずっと変わらない、そもそも沸き上げられていない等、異常がある場合は基盤類の故障を疑ってみてください。
設置から数年程度のエコキュートであれば、使い方次第では修理でも問題ないと思います。
しかし、メンテナンスを全く行わず5~7年経っている場合や、寿命の10年に近い場合は、交換も検討しましょう。
沸き上げに異常が生じている場合は、「エコキュートがずっと沸き上げ中、沸き上げしない…原因と対処法を解説」のコラムもぜひチェックしてみてください。
まとめ
この記事では、エコキュートの沸き上げにかかる時間や、メーカーごとに違いがあるか、お得な設定方法等について解説しましたが、いかがだったでしょうか。
エコキュートの沸き上げにかかる時間は、8時間が目安です。
貯湯式の給湯器を使ったことがない方は不安に思うかもしれませんが、満タンになるまで待つ必要はありません。
貯湯タンク内にある程度のお湯ができていれば、必要に応じて使うことができます。
また、現在のエコキュートは、湯切れ防止の機能が充.実しているため、湯切れをそれほど心配せずにお湯を使えるはずです。
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エコキュートが突然壊れてしまい交換が必要という場合には、ぜひ急湯デポにご相談ください。